国土が広いのはどっち?中国とアメリカの国土面積論争

  1. 中国経済・社会

みなさんは、アメリカと中国の国土面積についてどちらが大きいかご存知でしょうか。実は、中国は国土面積においてもアメリカに対しライバル意識を持っています。

今回は各国における世界ランキングと、中国における国土面積の考え方をご紹介します。

国土が広いのはどっち?中国とアメリカの国土面積論争

各国での国土面積ランキング

日本、アメリカ、韓国、ロシアのランキング

日本のランキング1位:ロシア
2位:カナダ
3位:アメリカ
4位:中国
アメリカのランキング1位:ロシア
2位:カナダ
3位:アメリカ
4位:中国
韓国のランキング1位:ロシア
2位:カナダ
3位:アメリカ
4位:中国
ロシアのランキング1位:ロシア
2位:カナダ
3位:中国
4位:アメリカ
中国のランキング1位:ロシア
2位:カナダ
3位:中国
4位:アメリカ

各国の世界国土面積ランキングを見てみると、特にアメリカと中国の順位に違いがあります。日本、アメリカ、韓国ではアメリカが中国を上回っています。

しかし中国と長年友好関係を築いているロシア国内でのランキングでは、中国がアメリカを上回っています。国土面積でもアメリカにライバル意識を持っている中国への配慮とも読み取れるのではないでしょうか。

アメリカと中国どちらを支持しているかによって、ランキングが全て変わるとは断言できませんが、少なからず国家間の政治関係が影響しているのかもしれません。

政治とランキングの関連性

その国の指標を表す世界ランキングは、国同士を比較する要素としてニュース番組や論文で取り上げられています。

国土面積においても、世界ランキングは地政学視点で見ると政治レベルで議論される項目の一つ。地政学とは、地理的制約が国際政治や国家の行動に与える影響についての研究であり、近年注目を浴びている学問です。

国土面積などの地理のランキングは、地質学的特性や国家資源、環境政策などに関連する重要な情報源ですよね。国際法上の権利や義務を獲得する際にも、活用されるケースがあります。

そのため、各国が自国の範囲と主張し領域を確保しようする結果、時として政治関係が悪化する要因にもなりかねません。ランキングは、国際機関が出している正式な情報かつ規模が大きいほど、政治レベルでの影響も高くなる傾向にあります。

中国の地図

中国が自国の国土が大きいと主張する理由

中国とアメリカ両国とも、広大な国土面積や経済大国のイメージがありますよね。しかし、中国は自国の方がアメリカよりも国土が大きいと主張していることをご存知でしょうか。

bú suàn shuǐ shàng miàn jī,zhōng guó lù shàng lǐng tǔ shì dà yú měi guó

不算水上面积,中国陆上领土是大于美国

(アメリカの)水上面積を数えなければ、中国の陸上領土はアメリカよりも大きい。

不算bú suàn)は「〜を計算に入れなければ」という意味で使われます。

比較を表す表現は、)をイメージされる学習者の方が多いかと思います。ここで使われている大于dà yú)も「〜より大きい」という比較を表現したいときに使われる中国語です。ぜひ、中国語の表現幅を広げるために、様々な単語を使って練習をしてみてくださいね。

ここでは、中国がなぜ自国面積が大きいと主張しているのか、面積計算に関係している項目と考え方から紐解いていきましょう。

水上領域の計算方法

水上領域(海洋領域)を計算するには、国際法や国際協定に基づいた方法で行うことが一般的です。

一般的に水上領域として取り上げられる項目は「領海」と「排他的経済水域(EEZ)」です。小学校の社会の授業で習った記憶や、普段のニュース番組で聞き慣れている方も多いのではないでしょうか。

【領海】

領海とは国の領域における海の部分を指しています。具体的には、海岸線から12海里(約22.2キロメートル)までの範囲とされています。12海里という領海幅については、国連海洋法条約(UNCLOS)の規定によって定められています。

領土に対して国が持つ権限「主権」を、この領海に対しても持つことが可能となり、他国に介入されない権利としても主張することができます。つまり、陸上以外の海洋部分も国の範囲とされているため、当然国土面積を算出するときも含まれることが分かりますよね。

【排他的経済水域(EEZ)

排他的経済水域は、国家が資源の探査・開発、漁業、環境保護などの権利を設定できる領域として、国連海洋法条約で定められている国際的規定です。具体的には海岸線から200海里(約370.4キロメートル)の範囲と定められています。

特に日本のような海に囲まれ陸上面積も小さな国にとっては、自国の経済発展に欠かせない存在として考えられてきました。

また「領海」と「排他的経済水域(EEZ)」はどちらも海岸線からの距離で範囲が定められています。つまり、排他的経済水域は領海も含めた範囲を指しています。他国に介入させない、自国の権利として主張できる国の範囲として「海洋部分」はとても重要な役割を担っているのですね。

陸上領土の比較

国連食糧農業期間(FAO)によると、陸地面積の世界ランキングは1位がロシア、2位が中国、3位がアメリカ、4位がカナダ、5位はブラジルと発表されています。河川や湖などの内水面を含まない陸地面積だと、国際機関調査でも中国がアメリカを上回っていることが分かります。

実は、中国はこの内水面を含まない面積での計測を主張しています。「領海」や「排他的経済水域(EEZ)」等の、いわゆる漁業権がある海域の事ではありません。陸地内にある湖などの面積のことを指摘し、それらを除いた陸地としての純粋な面積での比較を基に順位を主張しています。

例えば、滋賀県の面積は4017平方キロメートルですが、この滋賀県の面積には琵琶湖の面積670平方キロメートル分も含まれています。日本国内でも、滋賀県の琵琶湖は広大な面積として知られている湖かと思います。

河川や湖も含まれているため、この陸地内の海洋部分が大きければ大きいほど、陸地面積は小さいということになります。

特に、アメリカには五大湖と呼ばれる大きな湖が5つあることをご存知でしょうか。湖自体の面積も世界ランキングで上位に入るほどの大きさを誇っています。

五大湖のなかの一番小さな湖でも、琵琶湖の約28倍の大きさがあることから、アメリカサイズを感じます。更に、アメリカ五大湖の総面積は約24.5平方キロメートルあり、イギリス全土の面積を上回っています。

この巨大さ故に、「内陸の海」や「アメリカの北海岸」といわれていたりもしているのです。

中国とアメリカの競争

中国の国際的立場と国土面積

アメリカとの競争意識

世界1位の経済大国であるアメリカに対し、急成長で2位まで上りつめた中国は、大きな競争意識を持っています。

世界的な地位や影響力を強めている中国に対し、アメリカのトランプ前大統領が2018年以降、中国からの輸入品にかかる関税を相次いで引き上げたことが両国の関係に大きな影響を与えました。

トランプ前大統領は、国内産業の保護と貿易赤字の削減を理由に、自国の利益を最優先する政策を進めていました。当時は「米中貿易摩擦」として、トランプ大統領の自国の利益のみを追求する強固な政策が連日報道されていたことを覚えている方も多いのではないでしょうか。

発端はアメリカが中国との間に多額の貿易赤字を抱えていたことから、中国製品に高い関税をかけたことにあります。中国もこれに対抗するように関税を掛け合い、結果として「貿易戦争」と呼ばれる状態が出来上がったとされています。

アメリカが対立を深めるのは、貿易を含めた国際政治や外交において、自国が優位であることを示すためだとされています。強い軍事力と経済力で築いてきた超大国としての地位・権威を守りたいアメリカと、1位になりたい中国の思惑がぶつかっているともとれます。

しかし、世界1位、2位の経済大国同士の争いは両国だけの問題ではなく、世界経済全体に大きな影響を与えます。この影響の先は、アメリカ、中国とこれまで長い関係を築いてきた日本も例外ではありません。

国力と国土面積の関連性

国土面積が広いロシアやアメリカが、世界市場でも経済面や政治面で大きな影響力を持っていることは容易にイメージできるかと思います。

一般的に広大な国土を持つ国は、天然資源の採取や農業・林業・鉱業などが豊富です。そのため国際市場での交渉においても、保有する資源を活用することで自国の経済成長につなげやすい傾向があります。

また広大な土地で行う農業では、輸入に頼らない自給自足が確保しやすく、自国だけの生産で賄うことができる環境は、国家の安定性と国力の強化にも繋がります。

しかし、国土面積が広いからといって必ずしも国力が高いとは言い切れません。例えば、経済政策・教育・技術・政治の安定性・国内の社会的課題・国際的な外交政策などが国力に大きな影響を与えます。

日本は国土面積の世界ランキングで上位ではありませんが、世界先進国として経済や教育面で世界トップの成長と地位を築いてきました。日本の高度な技術サービス産業においては、中国から毎年多くの学生が学びたいと留学に来るほど影響力が高い現状も存在しています。

日本のように高度な技術産業や教育を持っていることで、国際市場で競争力を発揮することもできます。一方で広大な国土を持ちながらも、資源の浪費や不安定な政治情勢が国力低下につながることもあるのです。

上記を踏まえると、国土面積は国力と関連性がある場合もありますが、必ずしも国力を正確に評価する要因とは言い切れませんね。

国土面積ランキングの心理的影響

中国は自国が強い大国であることへのプライド、アメリカに勝ちたいという心理が国土面積のランキングにも影響していると考えられます。中国ではメンツを重要視する文化があることから、国土面積でもメンツを示したい思惑があるのではないでしょうか。

特に中国のビジネスにおいては、取引や交渉時は相手のメンツを認めることが成功の鍵とされていたりします。中国のメンツ至上主義の影響を踏まえると、経済力だけでなく国土においてもアメリカを上回っていると主張したい、中国国家としてのメンツを守りたい心理が伺えます。

他国の国土

国土面積に関する他国の対応

他国のランキング認識

国土面積ランキングは国際規模で印象を与えるため、国によってはランキングを細かく重要視しているケースもあります。

【ロシア】

ロシアは世界最大の領土面積を持つ国ですよね。 国土面積ランキングではトップに位置し、その広大さをアピールしています。国土の広さを活用した資源の豊富さで、国内政治や外交政策にも影響を与え、国際的な立場を築いています。

【カナダ】

領土面積が非常に広大なカナダでは、自然環境の美しさや多様性を特に誇りにしています。 領土ランキングでは上位に位置し、自然の美しさを活かした観光業も盛んです。そのため、環境保護にも積極的に取り組んでおり、その広大な土地を守ることが重要視されています。

【アメリカ】

アメリカは国土面積では、世界3位に位置しています。 アメリカ特有の多様性と経済大国としての権威性をアピールしています。国土地域は国内政策や国際関係にも影響を与えており、国内の州ごとの自治権などに反映されています。

【中国】

国土面積ランキングにおいては上位に位置しています。自国の文化や歴史建造物の美しさをアピールする中国は、国内政策や経済成長戦略においても国土の広大さを活用しています。

米国に次ぐ経済大国であるため、その地位と世界への影響力から、アメリカを抜いてトップに立ちたい意向も読み取れます。

国際的な反応と対応

【自己評価と国家プライドの関係】

多くの国は自国を高く評価し、国家としてのプライドを持っています。例えば、スポーツのランキングでは、国内で優れた成績で、国民の自国に対する誇りを高めようとしています。

【政治の利用】

世界ランキングは政治家や政府にとって、国内での政治的利用の対象となることがあります。 特に中国では一党独裁政治のため、世界での国家の地位や権威をアピールすることで、支持率を維持する動きも読み取れます。

【経済的影響】

投資家や国際的なビジネスの場合は世界ランキングを参考にし、投資や普及の判断を行うことがあります。そのため、経済的に有利なランキングを維持しようとする国もあります。

【社会的影響】

国内の教育ランキングでは、上位の学校や地域に住むことが重要視されることがあります。そのため、住宅価格の高騰や移住傾向に与える影響も少なくありません。特に世界大学ランキングで上位の学校には、世界から優秀な学生が集まり、国としても支援を拡大させる傾向にあります。

世界ランキングへの反応は文化、歴史、政治的状況、経済的利益などによって大きく異なります。ランキングは数字だけではなく、国際的な場での役割や国内での意識形成に影響を与えることを忘れてはいけません。

特に国際情勢に関わる内容や国同士でセンシティブな順位の場合において、日本以外の国の方と議論する際は相手の意見にも配慮しながら伝えることが必要です。

まとめ

世界国土面積ランキングについて、国によってアメリカと中国の順位が逆転することが分かりました。一般的な国土面積の計算方法では海洋部分も含めますが、陸地のみでの比較をすると、ランキングが変わることも大きな発見であったかと思います。

アメリカは巨大な軍事力や経済力を誇り、大国としての地位と権威を築き長年保ってきました。対して、高度経済成長によって急速な成長と拡大で経済大国2位の地位を築いた中国は、今やアメリカにも負けない影響力を持っている国です。

それぞれの国がどのような関係性で、政治レベルでどのようなことが起きているのか、中国語学習も踏まえてぜひ中国語で調べてみてはいかがでしょうか。

日本で報道される情報と、中国語で書かれている内容それぞれを見てみることで、新たな発見があるはずです。中国語を学ぶことは語学力だけでなく、情報収集の幅を広げる役割としても大きな力を発揮してくれます。

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