日本のCMが中国人には謎?文化の違いを探る

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中国から日本に来た中国人も、最初の1年は言葉にも文化にも慣れず苦労しますが、2年目以降は日本語が話せるようになり、日本文化にも慣れて頭をペコペコ下げるようになります。

ところが経験を積んだ中国人でも日本のあるものはなかなか理解できません。

日本のCMが中国人には謎?文化の違いを探る

中国人と日本人の意思伝達の違い

中国人の意思伝達方法は直接(zhíjiē)、つまりストレートです。一方、日本人は意思伝達方法は婉转(wǎnzhuǎn)、つまりわん曲的です。

日本に来た中国人は、最初日本人の遠まわしに言う方法に戸惑いますが、1年もすれば慣れて意味が分かるようになります。

ところがわん曲的に伝える文化がある日本のあるものだけは、言語が分かるようになっても理解できません。それは何でしょうか?次の3つからお選びください。

guǎnggàojiémù

1,广告节目

CM

duìdàikèrén de fāngshì

2,对待客人的方式

お客さんへの接し方

chuányuèbǎnbào

3,传阅板报

回覧板

日本語の分かる中国人でも分からないものとは?

2番の「お客さんへの接し方」と思った方が多かったかもしれません。確かに中国と日本とでは接客の仕方が真逆です。

ところが日本に来た中国人は、丁寧すぎる接客をとても舒服(shūfu)、つまり心地よく感じるようです。

たしかに日本の店員は中国人に対して、心の中ではどう思っているのかははっきり示さないものの、商品については納得するまで説明してくれます。それで中国人も満足なのです。

3番の回覧板ですが、そもそも日本人は日本に住んでいる中国人には回覧板を回しません。中国人がどうしても理解できない日本のものは1番の广告节目guǎnggàojiémù)、つまりCMです。

CMの作り方が中国と日本とではまったく違うので、日本のCMは何が言いたいのか理解できません。中国と日本ではどれほどCMが違うのか見てみましょう。

日中、CM比較

中国のCMってどんなもの?

中国でオレンジ色の箱を持ちマイクを指しているスーツを着た男性。

中国のCMは単刀直入です。中国人のニーズに合わせたCMが次から次へと流されます。

中国は大気汚染がひどいので1年中流れるのは、これを飲んだら肺がよくなるという薬のCMです。咳をして肺が苦しいみたいなシーンから始まります。

夏場は水虫の薬のCMがよく流されます。足を掻きながら友人と話しているシーンから始まります。

試験シーズンになると中国全土で流されるのが生命一号(shēngmìngyīhào)という「これを飲んだら記憶力がよくなる」というあやしい薬です。

試験準備のしている子どもに親がこの薬を差し出すというシーンから始まります。

精力剤のCMまで

結婚後は必ず子どもを産まなければいけない中国では、玛卡mǎkǎ)、つまりマカでできた精力剤のCMも頻繁に流れます。

子どもができないと夫婦が悩んでいるシーンから始まり、その父母がやってきて玛卡mǎkǎ)を渡します。場面は1年後に飛び、双子が生まれたシーンでCMが終わります。

このように中国のCMというのは、とにかく何のCMなのかが分かりやすいのです。ただ申し訳ありませんが、その商品に効果があるかは疑わしいものばかりです。

日本のCMの特徴

中国の空に疑問符を浮かべて草原に座る家族。

つづいて日本のCMの特徴を見ていきましょう。

日本に住んでいると気付かないのですが、日本のCMというのは、伝えたいことは最後の最後に残しておいて、イメージ作りにほとんどを費やすという特徴があるようです。

例えばCMの中で青春ドラマが始まったかとおもったら、スポーツ飲料のCMだったりします。

一昔前ですと女性ダンサーが踊りまくって、結局はキャッシングのCMだったり、ヘリコプターでさっそうと男性が降りてきて、整形美容CMだったしますよね。

某麦焼酎のCMなんぞ、外国のトライアスロンのシーンが延々と流れ、最後に選手の一人が焼酎を持って立っているというものです。たしかに日本のCMはなかなか何のCMか分かりません。

中国人から見る日本のCM

中国人はしばらく日本に住んでいると、日本語スキルが上達します。しかしどんなに日本語が上手な中国人でも、日本のCMだけはどうしても理解できません。

中国人にとってCMというのは、商品がどんな生活シーンでどのように活用できるのかを明確に示すものでないといけないからです。

CMの違いの奥深い背景

ではなぜ中国と日本のCMにこれほどの違いが生じるのでしょうか?

安全な製品が少ない中国では、国民はすべての商品を疑いの目で見ています。よってCMでこの商品がいかに安全か、効果があるかを強調する必要があるのです。

ところが日本では商品の安全性や効果を強調する必要がありません。国民は自国の商品をみな信頼しているからです。

時間があるなら中国のCMを見てみよう

中国語を伸ばすよい方法のひとつが生の中国語に接することです。中国語独特の言い回しや速度に慣れることができるでしょう。

百度视频(bǎidùshìpín)などにはたくさん中国のCMが上传(shàngchuán)つまりアップロードされています。

時間があったら見てみましょう。それを話題にネイティブの講師と会話してみるのもいいですね。

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ヤン・ファン (楊芳) この記事を書いた人

講師育成で知られる中国・東北師範大学卒業。講師歴は14年に及び、特に日系企業の駐在員やビジネスパーソン向けの指導経験が豊富です。現役の日中医療通訳士としても活動し同行・商談通訳等にも対応可能です
基礎からの正確な発音指導、ビジネス中国語、赴任前短期集中レッスン、HSK・中国語検定対策、日中医療通訳トレーニング。クイック・レスポンス、シャドウイング等の通訳訓練法をレッスンに導入し、実践的なコミュニケーション能力の効率的な習得をサポートします。企業研修(対面・リモート)、個人・グループレッスン、同行・商談通訳等にも対応可能で教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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