中国人との交流を深める!中国でも人気の日本の歌とその魅力を徹底解説

  1. 中国歴史・民族

中国人と交流を深めるために、共通の話題として「歌」はとても大きな力をもっています。日中で人気のある楽曲やカラオケで盛り上がれる曲など、会話が弾む話題として「歌」を活用してみましょう。

中国人との交流を深める!中国でも人気の日本の歌とその魅力

中国人との交流を深めるための歌の力

中国人との交流では、共通の話題を見つけることが重要です。お互いの好きな歌手や曲について話し合ったり、おすすめの曲を教え合ったりすることで、共感や興味の共有が生まれます。

歌好きな中国人と一緒にカラオケに行き、お互いに好きな曲を歌ったり、デュエットを楽しんだりすることで、楽しい時間を共有することができます。

中国の音楽は多様なジャンルがあり、地域によっても異なる特色があります。おすすめの曲やアーティストを中国人友人に尋ねることで、歌を通した親交が深まるチャンスになるはずです。

中国の音楽に興味を持ち、積極的に中国の曲やアーティストを聴いてみましょう。

紫色の背景にマイクに向かって歌う女性。

中国で人気の日本の歌:ジャンル別に紹介

演歌系:北国の春とその魅力

「北国の春」は日本の演歌の代表的な曲で、1977年に発表されました。この曲は、北国の厳しい冬を経た春の訪れを歌った美しいバラードです。

美しいメロディーと込められたメッセージから、中国でも人気が高い曲の一つとなっています。「北国之春-我和你běi guǒ zhī chūn wǒ hé nǐ)」のタイトルで、テレサ・テンが中国語バージョンを歌っています。

歌謡曲系:涙そうそうや未来へなど、中国でカバーされた日本のヒット曲

中国では、日本の歌謡曲が中国語でカバーされることがあります。カラオケでよく歌われるほど親しまれている日本の人気曲が数多く存在するのをご存知でしょうか。ここでは、中国でカバーされた中でも特に人気の日本歌謡曲をご紹介します。

涙そうそう(夏川りみ/BEGIN)

「涙そうそう」は誰もが一度は聴いたことがある日本の国民的歌謡曲ですよね。中国語では「陪我看日出pèi wǒ kàn rì chū)」のタイトルで知られ、シンガポール人歌手の蔡淳佳cài chún jiā)が歌っています。

陪我看日出pèi wǒ kàn rì chū)」は「わたしと日の出を見る」。涙そうそうは沖縄の言葉で「涙がポロポロとこぼれ落ちる」様子を表現しています。中国語で直訳はされていませんが、大切な人を想って書かれた日本語歌詞の情景を中国語が持つ美しい比喩で表現されています。

jiù xiàngpiàn bǎocúnzhe zuótiān de wēndù

旧相片保存着昨天的温度

古い写真を保存しているのは昨日の温度

nǐ bàozhe wǒ jiù xiàng wēnnuǎn de dà shù

你抱着我就像温暖的大树

あなたは私を温かい大樹のように抱く

古いアルバムを手に、いつも励ましてくれていた大切な人の存在を思い出す情景を中国語では「大樹のように温かく包む」描写で表現しています。

未来へ(kiroro)

「未来へ」は、日本の歌手、Kiroro(キロロ)が1998年に発表した曲です。日本では明るく希望に満ちたバラードとして知られており、学校の卒業式でも歌われる曲のため、卒業ソングとして印象に残っている方も多いのではないでしょうか。

中国語では「后来hòu lái)」のタイトルで、台湾の人気歌手で映画監督でもある刘若英liú ruó yīng)がカバーしています。中国では、知らない人のほうが少ないといわれる程、中国国内で人気の高い日本カバー曲の一つとなっています。

日本語タイトルは「未来」ですが、中国語ではその後を意味する「后来」が使われており、歌い出し「后来~」が日本語の「ほおら~」と音が似ている点も記憶に残りやすい特徴かもしれません。

「未来へ」は元々、子から母へのソングとして歌われていましたが、中国語カバーでは恋愛要素も読み取れます。

hòulái wǒ zǒngsuàn xuéhuì le rúhé qù ài

后来 我总算学会了 如何去爱

その後 私どうやって人を愛するのかを何とか学んだ

kěxī nǐ zǎoyǐ yuǎnqù xiāoshī zài rénhǎi

可惜你早已远去 消失在人海

残念ながらあなたは既に遠く人ごみの中に消えてしまったけれど

鮮やかな背景の前にあるマイク。

亜麻色の髪の乙女(島谷ひとみ)

「亜麻色の髪の乙女」は、明るく爽やかなメロディーと、亜麻色の髪の美しい乙女のイメージが特徴的な歌謡曲です。台湾の女優兼歌手である王心凌wáng xīn líng)によって「月光yuè guāng)」のタイトルでカバーされました。

chéngzhe wēifēng piāo xiàng wèizhī yuǎnfāng

乘着微风 飘向未知远方

そよ風に乗って 未知の彼方へ飛んでゆく

xìngfú lù yěxǔ màncháng

幸福路也许漫长

幸福の道はとても長いかもしれない

乘着微风 飘向未知远方」が、優しい風に包まれる亜麻色の長い髪が幸せを運んでくれる情景が浮かんでくる表現にも感じられます。

おどるポンポコリン(ちびまる子ちゃん主題歌)

日本人なら誰もが知っている国民的アニメ「ちびまる子ちゃん」の主題歌であるこの曲も、中国語でカバーされています。

中国語タイトルは「稍息立正站好shāo xī lì zhèng zhàn hǎo)」で、范晓萱fàn xiǎo xuān)という台湾人歌手によってカバーされました。

稍息立正站好shāo xī lì zhèng zhàn hǎo)」は日本語に訳すと「休め、しっかり立て」という意味です。

この曲の中国語カバーで特徴的なのが、擬態音が日本語とは異なるということです。「ピーヒャラピーヒャラ」と始まる日本語原曲ですが、中国語カバーでは「ピピララ フルハラ」と独自の擬態音が使用されています。

pīlìpālā hūlū huālā qiānbǐ zhǎobudào

霹雳啪啦 呼噜哗啦 铅笔找不到

ピピララ フルハラ 鉛筆が見つからない

kēngkēngqiāngqiāng pīngpīngpāngpāng shàngkè yòu chídào

铿铿锵锵 乒乒乓乓 上课又迟到

キンキンキャンキャン ピンピンパンパン 授業にまた遅れる

wū ma ma hūhū hāhā zuòshì bù néng yītuánzāo

呜吗吗 呼呼哈哈 做事不能一团糟

ウーママ フフハハ 行き当りばったりではいけない

漫画系:宮崎駿の世界とその音楽

日本のアニメや漫画は、中国語区内で受け入れられている日本文化の一つですよね。日本のアニメがきっかけで、日本語に興味を持って勉強する数多くの中国人学生の存在からも人気度が伺えます。

特に「となりのトトロ」「千と千尋の神隠し」や「ハウルの動く城」「風立ちぬ」など数々の大ヒット作品を生み出した宮崎駿監督のアニメも、中国で人気が高いことが挙げられます。

宮崎駿監督の持つ世界観や、作品の背後にある「平和と反戦」というメッセージ性の強さが、中国での根強い人気に繋がっていると考えられます。

宮崎アニメの世界観を作る原点は、宮崎駿監督本人が若い頃に戦争を経験し、辛い現実を目の当たりにしたことから始まります。宮崎アニメは「ジブリ作品」として、老若男女が楽しめる娯楽作品の印象を持っている人も多いのではないでしょうか。

娯楽作品でありながら、自身が経験した戦争への嫌悪や辛い現実をファンタジーで包み込み、メッセージを伝えている点が中国では魅力として受け入れられているのかもしれません。

宮崎駿監督の世界観はもちろん、アニメで流れる音楽も中国では大変人気があります。

天空の城ラピュタ(天空之城:tiānkōngzhīchéng)の挿入歌「君を乗せて」は、特に人気の高い音楽の一つです。宮崎アニメを知っている中国人にとっては「あの地平線~♪」と歌が流れるとアニメの情景が浮かぶほど身近な存在となっているそうです。

日本人が歌ったら:中国人の反応とその理由

日本の歌謡曲が中国語で数多くカバーされている影響もあり、中国人は日本の曲をたくさん知っています。

中国人とカラオケに行って、日本の曲を歌うと高い確率で「中国也有zhōngguóyěyǒu:中国にもあるよ)」という反応がよく返ってきます。そして彼らは快く中国語バージョンで歌ってくれます。

原曲は日本語の曲で、中国語でカバーされた曲であっても、中にはこれらの曲がもともと中国曲だと思っている中国人も数多く存在します。

中国語でカバーされている曲の話題になったときの注意点として、原曲は日本の曲であると強く主張しすぎないことです。特に面子を重んじることが重要な中国では、ケンカにつながる可能性も考えられるため、相手の反応に合わせた交流が欠かせません。

日本の曲には、中国でカバーされていなくても有名な曲やアーティストがたくさんあります。宮崎駿監督のアニメ映画主題歌や、SMAPや嵐などの国民的人気グループの楽曲などが挙げられます。

これらの曲は中国でも広く知られており、カラオケで歌うことでより仲良くなれるチャンスになるはずです。

一つの中国人グループステーションは、灯火の光を当てた房の中にあります。

カラオケと中国文化:中国のカラオケ大会

農村部まで根付く中国独自のカラオケ文化

カラオケは日本だけの文化だと思われている方も多いかもしれません。しかし、実は中国も独自のカラオケ文化を持つ国の一つです。

中国でカラオケは「卡拉OKkǎ lā OK)」や「KTV」と呼ばれ、筆者が上海に留学していたときも放課後によく「KTV行こう!」とクラスメイトと交流を深めていました。

ショッピングモールの中に気軽に歌えるKTVルームがあったり、一棟まるごとKTVになっている店舗も多く存在します。中国では大人数でカラオケに行くことが一般的のため、大部屋で装飾がキラキラした部屋が特徴です。

日本でも一部、装飾にこだわっている店舗がありますが、落ち着いた内装の部屋が多い印象です。カラオケ文化における日中の違いとして、部屋の内装の比較をしてみるのも面白いかもしれません。

更に中国では、カラオケ文化の発展している場所は都市部だけではありません。内陸部である農村地域でも活発にカラオケ文化は浸透しています。

元々歌うことが好きな中国人の特徴を考えると、内陸部までカラオケが普及することはイメージが付きやすい部分ではないでしょうか。

団地のカラオケ大会:高齢者の活力とコミュニティの絆

高齢者にとって、カラオケは社交の場となっています。日本でも、喫茶店やスナックで集まり、お昼の時間からカラオケを楽しむ高齢者のコミュニティを見かけたことがある方もいるかもしれません。

特に中国では、平日日中のカラオケボックス利用料金は安く設定されています。利用料金の安さも伴い、仕事を引退し老後を楽しむ高齢者の娯楽スタイルとして確立してきました。

中国のカラオケ文化を支えてきた80后や90后のカラオケ離れから、一部の省では50歳以上は無料でカラオケができるサービスも増えています。

北京の新聞で報じられたニュースによると、ある団地では住民の大多数を占める高齢者のためにカラオケ大会が開かれました。幹事たちは団地内の高齢者世帯を丁寧に一件ずつ訪ね、その趣旨を説明したそうです。

そしてたくさんの高齢者に参加してもらえるよう、自分が歌わなくてもぜひ大会を見に来ること、家族にも応援に来てくれるように呼びかけた事例もあります。

当日、カラオケ大会の始まる午後二時よりも前から、会場は多くの人が集まり盛り上がったそうです。

その理由として、この団地ではこれまでこうした大会は開かれたことがなく、カラオケ大会の意味合い以上に、住民による家族的な集まりの色合いもあました。特に、エントリーをした高齢者たちは衣装にもこだわり、気合十分でカラオケ大会に挑んだそうです。

日本では「俳句」や「体操クラブ」などがメインとなっている高齢者のコミュニティに対し、中国では歌うことが大好きな国民性が現れる「カラオケ文化」の人気の高さが感じられるかと思います。

カラオケで人生に張り合いを:歌と心身の健康

「歌うこと」は心身の健康にも良い影響があるといわれています。歌うことで呼吸が深くなり、発声器官や筋肉が使われることで、心身のストレス発散に繋がります。健康意識が高い中国の高齢者たちは、歌うことでストレスを解消し、心身のリラックスも自然と行えているのかもしれません。

ストレス発散に加え、カラオケは歌詞を覚えたり、メロディーを覚えたりする認知的な活動です。歌うことによって脳が刺激され、記憶力や注意力の向上、脳の活性化が促されるため、高齢者にとってのカラオケは、認知機能の維持や記憶力の低下を防ぐ対策となっているといえます。

まとめ

「KTV」は中国の独自のカラオケ文化を支えている重要な娯楽の一つです。特に、歌うことが好きな中国人にとって欠かせない場所でもあります。

中国人学生との交流を深めたい場合「KTVに一緒に行こう!」と誘ってみてください。歌を通じた日中交流で、相互理解と親交を深めることができるはずです。

中国学習では、テキストを使った学習だけではなく、日常生活にあふれている習慣や娯楽などを通じて、生きた中国語を学ぶことも欠かせません。

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