中国人が一番うれしい日「除夕」

  1. 中国歴史・民族

中国人が一番テンションが高い日は?それは除夕(chúxī)つまり旧暦の大晦日です。

中国人は旧正月、つまり春节(chūnjié)の約2週間の期間中、会社も学校も休みになります。一部の中国人は買い物で日本に押し寄せるので知ってますよね。

中国人が一番うれしい日「除夕」

日本人の大晦日

一般の日本人は大晦日にそばを食べて、紅白歌合戦を見てゆく年来る年を見れば、それで「あ~年を越したなぁ」と感じます。若い方はコンサートなど屋外で年越しを迎えるという人もいるでしょう。

ところが中国人は大晦日の過ごし方がまったく違うのです。

中国人の大晦日

家族でみんなで過ごす

中国人は大晦日は必ず、若者から年寄りまで親族一同集まって一緒に時を過ごします。

これは中国4000年の歴史で引き継がれたよい習慣で、沖縄から北海道へ行くより遠くても、必ず故郷に帰り、親族一同一緒に時を過ごします。

中国人は年越しの際、町やコンサート会場で大騒ぎなどしません。みんなで家の中でご馳走を作り、朝から晩まで一年間どんなことがあったのか親族同士で語らいます。

孫もすべて揃うのでおじいちゃんおばあちゃんは大喜びです。

一人の男と一人の女が中国の天空に花を放った。

夜中のイベント

その日は無礼講でみな遅くまで起きています。そして夜の11時を過ぎると中国人はなにやら準備を始めます。何を始めるのでしょうか?

次の2つの準備を始めます。

1,烟花 (yānhuā)

2,鞭炮 (biānpào)

烟花

中国人は年越しのうれしい気持ちを烟花(yānhuā)、つまり花火を爆発させることで表します。中国人はちまちま線香花火を楽しむようなことはしません。ビッグに大型花火をバンバン打ち上げるのです。

日本では花火師と呼ばれる特別な人だけが大型花火を打ち上げますが、制限のない中国では単なるおじさんが、何百元か出して購入した大型花火をマンションのベランダから発射します。

もちろん素人なので方向を間違えると隣のマンションに飛び込んでくることもあります。

よって除夕の夜は決して窓を開けてはいけません。

鞭炮

子供は大型花火は危ないので、鞭炮(biānpào)、つまり爆竹を担当します。爆竹も十分危険だと日本人は言うかもしれませんが、何が危険なのかの基準は日中大きな差があるのです。

爆竹というのは連射型のうえ、密集したマンションでそれぞれの家庭がベランダやマンション広場で鳴らしはじめます。

よって爆竹と花火の大騒音が、大晦日の11時から年明けの1時くらいまで鳴り続けるのです。

その日は夜中の1時を過ぎないととてもうるさくて寝られません。

(中国語。中国旧正月)

日本人から見た中国の除夕

目の前で大型花火が爆発し、いたるところから爆竹の大音量が鳴り響きます。大型花火により中国中の夜空は赤く染められます。

初めて中国に行った日本人はどう感じますか?

zhànzhēngbàofā le

战争爆发了!

戦争が勃発したぞ!

中国人が「これぞ年越し」と楽しんでいる最中に、日本人は戦争が始まったかのような恐怖に怯えます。

大気への影響

花火と爆竹の無礼講が終わった翌日、大気にはどんな影響がありますか?中国語で説明しましょう。

PM 2.5 de píngjūnzhítūpò 500 wēikè / píngfāngmǐ

PM2.5的平均值突破500微克/平方米.

PM2.5の平均値が500μg/㎥を超える

中国各都市で通常の7倍以上の大気汚染が発生します。いま環境保護に力を入れている中国政府ですが、年に一度の楽しみなので、この日だけは国民に爆竹と花火の使用を許すしかありません。

除夕から学ぶ中国人

大晦日の過ごし方は日本と中国でまったく違うと感じられることでしょう。

中国の除夕は確かに大気汚染や騒音という問題があります。しかし親族みんなが一緒に時を過ごすよい一日でもあるのです。

日本人はお正月に実家に帰ったとしても、中国ほどおじいちゃんやおばあちゃんと長い時間話すことはないでしょう。

中国のよいところ、違う文化から学んでお互い尊重し合うことは大切ですね。

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