地震などの自然災害~中国と日本対応の違い

  1. 中国歴史・民族

世界中で自然災害(自然灾害:zìránzāihài)が相次いでいます。中国でも琵琶湖よりも大きな三峡ダムの決壊が起きそうなほど記録的な大雨が報道されました。

いまや世界のいたるところで起きている自然災害ですが、面白いことに国民の対応が全く違うのです。

地震などの自然災害~中国と日本対応の違い

日本の対応

日本に住んでいると当たり前のことですが、災害後の報道はまじめ一色です。災害ネタを交えた冗談など絶対に許されません。

ニュース報道でもまじめなインタビュアーがまじめに質問し、住民は真剣な顔で「ドンドン水が上がってきて怖かったです」と答えます。

災害時の日本のニュース報道というのは、被災で苦しんでおられる方の気持ちを優先するものなので、まじめ一色となるわけです。

まじめなのはニュース報道だけではありません。日本人は個人間で送るメッセージも「大変でしたね」「復興応援しています」などの気遣いのメールが主体ではないでしょうか。

ところが中国は違います。

スーツを着た女性がマイクを持っています。

中国の対応

中国のニュース報道は自然災害の時に事実を淡々と伝えます。例えば2020年8月に起きた中国内陸部の都市・重慶(重庆:chóngqìng)での集中豪雨の際の報道はこんなものでした。

chóngqìngzāolìshǐhǎnjiàndàhóngshuǐjǐnjíbìnàn 25 wànrén , sǔnshīyú 24 yìyuán

重庆遭历史罕见大洪水。紧急避难25万人,损失逾24亿元。

重慶で歴史上まれに見る大洪水発生。緊急避難は25万人。損失額は24億元。

もちろん浸水で大変だった人はたくさんいるはずですが、不便なことはいつも起きることなので、一人一人の国民が直面した問題にクローズアップするよりも、この全体、事実だけを分かりやすいように伝えます。

災害時中国国民の反応

事実を伝えるニュース報道がまずなされ、その後映し出されるのはどんな映像ですか?インタービューがなされ、住民は笑いながらこのように答えています。

zhǐyàoxīntàihǎo , nǎlǐdōushìxiàwēiyí

只要心态好,哪里都是夏威夷。

心もちさえよければ、どこにいたってハワイだわよ。

その後大洪水で氾濫する川のすぐそばにまで行ってピースポーズで記念撮影をしている様子や、氾濫する川の真横にイスを置き、文字通りハワイの海辺を再現している様子も映し出されています。

こんな報道をしても、ふざけているとは取られることはありません。

中国との重要なつながりを示す、拳を空に掲げる女性のシルエット。

災害時個人間のやり取りは?

災害時の個人間のやり取りはどんなものでしょうか?もちろん

nǐmennàliméiwèntí ma

你们那里没问题吗?

あなたのとこ大丈夫だった?

という心配は中国人同士でも行なうようです。

しかしのその後に送るメッセージは、明日も麻雀するために、必死で「洪水の中から自動麻雀卓(全自动麻将机:quánzìdòngmájiàngjī)を運び出す様子」や「くまモン(熊本熊:xióngběnxióng)の置き物が洪水で流されていく様子」、

「1階が浸水しているマンションの2階からのんきに釣竿降ろして魚釣りしている様子」などジョークが聞いたネタが盛んにやり取りされています。

中国人は普段から大変なことに慣れているので、自然災害の中でも、常に楽観的なのです。

中国を批判するのか中国から学ぶのか

日本文化というものざしで中国の災害の対応を見ると不謹慎と映るかもしれません。しかし中国人は自然災害という大変な状況でも、おおらかで喜びを保つのです。

中国の報道の仕方を批判することもできますが、どんな苦境でも積極的であり、ユーモアを保つセンスのは日本人が見倣える点かもしれません。

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ヤン・ファン (楊芳) この記事を書いた人

講師育成で知られる中国・東北師範大学卒業。講師歴は14年に及び、特に日系企業の駐在員やビジネスパーソン向けの指導経験が豊富です。現役の日中医療通訳士としても活動し同行・商談通訳等にも対応可能です
基礎からの正確な発音指導、ビジネス中国語、赴任前短期集中レッスン、HSK・中国語検定対策、日中医療通訳トレーニング。クイック・レスポンス、シャドウイング等の通訳訓練法をレッスンに導入し、実践的なコミュニケーション能力の効率的な習得をサポートします。企業研修(対面・リモート)、個人・グループレッスン、同行・商談通訳等にも対応可能で教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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