知らないと怖い 中国独特のビール事情

  1. 中国経済・社会

どの国を旅行にしても、ビールは旅のお伴に欠かせません。できれば地元でおいしい地ビールを探して、味わいたいことでしょう。

でも中国特有のビール事情をしらないと、後悔することにもなりかねません。

知らないと怖い 中国独特のビール事情

中国のビールの事情

中国のビールの事情は日本と少し違います。簡単に違いをまとめてみましょう。

zhōngguórénxǐhuanchángwēnpíjiǔ

中国人喜欢常温啤酒

中国人は常温のビールが好き

 

zhōngguó de gōngrénbáitiānhēpíjiǔ

中国的工人白天喝啤酒

中国の工事人は昼間からビールを飲む

 

zhōngguó de píjiǔshìbùyídìngzhēnzhèng de píjiǔ

中国的啤酒是不一定真正的啤酒

中国のビールは常に本物のビールだとは限らない

冷たいビールは身体に悪い

日本人からすると「冷たくないビールはビールじゃない!」でしょう。ところが中国医学では「冷たいものを身体に入れるのは健康によくない」とされています。

これは中国あるあるですが、日本人が冷たいビールを頼むと、おせっかいな中国人が「冷たいビールは飲まないほうがいい」と説教を始めます。

男性の場合、まだそれでも「いやぁご忠告ありがとう。中国医学は全く正しいと思うよ。でもぼくたちの国は冷たいビールしか飲む習慣がないんだ」とにこやかに返答すれば、冷たいビールも飲ませてくれます。

しかし女性の場合そうはいきません。とくに妊娠中の場合、冷たいビールを飲むのはご法度です。「この人、人殺し?」という顔で中国人の冷たい視線を浴びることになります。中国で妊婦が冷たい飲み物は飲むことは大罪なのです。

昼間からビール

ヨーロッパ諸国ほどではありませんが、中国では日本ほど昼間にアルコールを飲むことに抵抗はありません。とくに中国の建設系の職人たちはお昼ご飯を食べるときにビールをよく飲んでいます。

日本では「お金を払っているんだから、最高の仕事をしてください。昼間にビールなんか飲まれたら仕事の質が下がります」という感覚があるため、昼間にビールをひっかけて仕事などできません。しかしそんな風に厳格なのは日本だけです。

中国も含め、世界各国の感覚は「職人は泥酔していない限り普通に仕事ができる」というものです。

よって中国企業の取引先の方から昼間にビールを勧められることがあっても、断る必要はないでしょう。むしろ飲むと喜ばれます。

危険と警戒の象徴を示す、どくろの入ったグラスを持つ人。

中国ビールは危険な場合も

これはおそらく中国や一部の貧しい国だけの問題ですが、売っているすべてのビールが麦芽、ホップ、水で作られるビールとは限りません。日本のような発泡酒、その他雑酒でもないのです。

水に黄色〇号という着色料、炭酸と泡を混ぜ、ビールのような味の粉を入れて出来上がり!というものを作ることがあるのです。

もちろん本来のビール製造の工程より短くて済み、コスト(成本:chéngběn)も低く抑えることができるので、安く売りだしても利益を確保できます。

偽ビール(假啤酒:jiǎpíjiǔ )は飲んだ後しばらくすれば分かります。飲んで数時間後に頭痛に見舞われるからです。

いくらくらいのビールは大丈夫?

では中国でいくらのビールを買えばいいのでしょうか?

350ml缶のビールを買うことを例に挙げましょう。1.5~3元くらいのビールはまず偽物と疑ったほうがいいでしょう。本物のビールは少なくとも4元以上します。

時々4元以上するビールが3元以下に安売りしていることもあるでしょう。やはり3元以下にしても利益を確保できるという意味なので、偽物の可能性が高いと思ったほうがいいでしょう。

中国で買い物するときの大原則

中国の有名なことわざでこんなものがあります。

guì le bùyídìngshìhǎohuò , dànhǎohuòyídìngbùpiányi

贵了不一定是好货,但好货一定不便宜

高いものが良い品とは限らない。ただし良い品は必ず安くはない

2017年に中国のビール業界をあるニュースが賑わしました。汚い作業場で先ほどの偽ビールをケースに入れて、そのケースの中に素手でバドワイザー(百威啤酒:bǎiwēipíjiǔ)の缶を突っ込み詰め替え作業をしている現場が摘発されたのです。

中国政府は安全問題に真剣に取り組んでいることをアピールする狙いでしたが、国民からすると安全問題がそこまで深刻であることを改めて感じることとなりました。

中国青島ビール3本。

確実な場所で高いビールを

中国でビールを飲むときは、セブンイレブンやローソンなどの日系コンビニ、もしくは外資系企業が経営するホテルやスーパーなどで、高いビールを買うとよいでしょう。仕入れルートが確実だからです。

ビールの種類もキリン(麒麟:qílín)やアサヒ(朝日:zhāorì)などの日本の会社が管理しているものが確実です。ただしキリンビールは日本と同じ味ですが、アサヒスーパードライは日本とは全く違う味なので日本人の口には合いません。

値段が高いビールであれば、恐らく中国のビールでも大丈夫でしょう。中国の青岛啤酒(qīngdǎo píjiǔ)や哈尔滨啤酒(hāěrbīn píjiǔ)もなかなかのおいしさです。今度中国に行ったときは、食品安全に気を付けつつ、ビールをお楽しみください。

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ヤン・ファン (楊芳) この記事を書いた人

講師育成で知られる中国・東北師範大学卒業。講師歴は14年に及び、特に日系企業の駐在員やビジネスパーソン向けの指導経験が豊富です。現役の日中医療通訳士としても活動し同行・商談通訳等にも対応可能です
基礎からの正確な発音指導、ビジネス中国語、赴任前短期集中レッスン、HSK・中国語検定対策、日中医療通訳トレーニング。クイック・レスポンス、シャドウイング等の通訳訓練法をレッスンに導入し、実践的なコミュニケーション能力の効率的な習得をサポートします。企業研修(対面・リモート)、個人・グループレッスン、同行・商談通訳等にも対応可能で教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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