【挫折しない中国語数字】ピンイン・声調・難関ルール(零, 二/两, 量詞)を完全攻略!
目次
ビジネス・旅行・日常会話で即使える!シーン別例文200+&文化・スラング解説
「中国語の数字って、漢字は似てるけど発音が難しい…」「声調変化がややこしい!」「”零”の読み方がわからない…」「”二”と”两”って、いつどっちを使うの?」「量詞って何?」
中国語学習を進める中で、数字に関してこのような壁にぶつかっていませんか? 数字はコミュニケーションの基本でありながら、中国語特有のルールがいくつか存在するため、多くの学習者がつまずきやすいポイントでもあります。
しかし、これらの難関ポイントさえしっかり押さえてしまえば、中国語の数字は決して怖くありません。むしろ、日本語との共通点も多いため、一度理解すればスムーズに使いこなせるようになります。
この記事は、中国語の数字学習で挫折しないための「究極ガイド」です。9000字を超えるボリュームで、以下の内容を徹底的に、そして分かりやすく解説します。
- 最重要!発音の基礎:ピンインと声調、数字に関わる声調変化のルール
- 難関突破①:混乱しやすい「零 (líng)」の読み方ルールを完全マスター!
- 難関突破②:「二 (èr)」と「两 (liǎng)」の完璧な使い分け
- 難関突破③:中国語の必須要素「量詞」の基本と使い方(代表的な量詞リスト付き)
- 基本数字のおさらい(0〜兆、序数、小数、分数)
- シーン別・実践応用編:買い物、旅行、食事、電話、ビジネスなど、具体的な場面で即使える例文200以上!
- 数字にまつわる中国文化(縁起、スラング、手の数え方)
豊富な例文と詳しい解説、そして学習のヒントを通して、あなたの中国語数字スキルを飛躍的に向上させることをお約束します。この記事を読めば、あなたも自信を持って中国語の数字を使いこなし、より深いコミュニケーションを楽しめるようになるでしょう。
最重要!発音の基礎(ピンイン・声調・変化ルール)
中国語の数字を正しく伝えるためには、発音、特に「声調」の理解が不可欠です。声調が違うと意味が変わってしまうため、数字を読む際も意識しましょう。
- ピンイン (拼音 pīnyīn): 中国語の発音をアルファベットで示す記号。
- 声調 (声调 shēngdiào): 音の高低変化。主に4種類(四声)+軽声。
- 第一声 (ˉ): 高く平ら
- 第二声 (´): 上昇
- 第三声 (ˇ): 低く抑えて少し上昇
- 第四声 (`): 下降

声調記号を意識して発音しましょう。
特に注意すべき声調変化:
- 第三声+第三声 → 第二声+第三声:
例: 你好 (nǐ hǎo) → ní hǎo, 五百 (wǔ bǎi) → wú bǎi, 九九 (jiǔ jiǔ) → jiú jiǔ例文: 我有五百块钱。(Wǒ yǒu wúbǎi kuài qián.) – 私は500元持っています。 - 「一 (yī)」の声調変化: (超重要!)
- 後ろが第一声・第二声・第三声 → 第四声 (yì) に変化。
例: 一天 (yì tiān – 一日), 一年 (yì nián – 一年), 一起 (yì qǐ – 一緒に) - 後ろが第四声 → 第二声 (yí) に変化。
例: 一万 (yí wàn – 一万), 一样 (yí yàng – 同じ), 一共 (yí gòng – 合計で) - 単独、序数、数字の末尾 → 第一声 (yī) のまま。
例: 第一 (dì-yī), 十一 (shíyī)
例文: 我们一起去吧。(Wǒmen yìqǐ qù ba.) – 私たち一緒に行きましょう。/ 一个苹果。(Yí ge píngguǒ.) – リンゴ一つ。 - 後ろが第一声・第二声・第三声 → 第四声 (yì) に変化。
- 「不 (bù)」の声調変化:
- 基本は第四声 (bù)
- 後ろが第四声 → 第二声 (bú) に変化。
例: 不是 (bú shì – 〜ではない), 不去 (bú qù – 行かない)
これらの変化は頻繁に起こるので、ルールを頭に入れながら練習しましょう。
難関突破①:ゼロ「零 (líng)」の読み方完全マスター
3桁以上の数字を読む際に、多くの学習者が混乱するのが「零 (líng)」の使い方です。ルールは明確なので、ここでしっかり押さえましょう。

「零 (líng)」のルールは3つだけ!
ルール1:数字の「間」のゼロは「零」を1回読む
位の間にゼロが1つ以上入る場合、そのゼロの数に関わらず「零 (líng)」を1回だけ読みます。
101 → 一百零一 (yìbǎi líng yī)
803 → 八百零三 (bābǎi líng sān)
1,001 → 一千零一 (yìqiān líng yī) (ゼロが2つ続くが líng は1回)
2,005 → 两千零五 (liǎngqiān líng wǔ) (ゼロが2つ続くが líng は1回)
5,060 → 五千零六十 (wǔqiān líng liùshí)
ルール2:末尾のゼロは読まない
数字の最後(または次の大きな単位「万」「亿」の前まで)にゼロが続く場合、そのゼロは読みません。
120 → 一百二十 (yìbǎi èrshí) または 一百二 (yìbǎi èr) (会話では十を省略することも)
3,000 → 三千 (sānqiān)
4,500,000 → 四百五十万 (sìbǎi wǔshíwàn)
ルール3:「万」や「亿」の位の後のゼロ
「万」や「亿」の単位の直後にゼロが来る場合も、「零」を入れます。(ただし、その後に続く数字がない場合は読まない)
3,008,000 → 三百万零八千 (sānbǎiwàn líng bāqiān) (万の位の後、千の位の前に零)
1,0002,0000 (1億2万) → 一亿零二万 (yí yì líng èrwàn) (億の位の後、万の位の前に零)
この3つのルールを覚えれば、「零」の使い方はマスターできます!
難関突破②:「二 (èr)」と「两 (liǎng)」の完璧な使い分け
数字の「2」を表す際に、「二 (èr)」と「两 (liǎng)」をどう使い分けるかは、非常に重要なポイントです。間違えると不自然に聞こえます。

量詞の前は「两」!これが最大のポイント。
使い分けの基本ルール:
「二 (èr)」を使う場合
- 数字そのもの (一, 二, 三…)
- 序数 (第二 dì-èr)
- 電話番号、部屋番号、年号など
- 小数、分数、パーセント
- 数字の十の位、一の位 (十二 shí’èr, 二十二 èrshí’èr)
「两 (liǎng)」を使う場合
- 量詞の前 (例: 两个人 liǎng ge rén – 二人)
- 「百」「千」「万」「亿」の直前 (例: 两百 liǎngbǎi, 两千 liǎngqiān) ※二百/二千/二万も可
- 「対、ペア」を表す場合
最重要ポイントは、「量詞(物を数える単位)の前では必ず『两 (liǎng)』を使う」ということです。
例文:
- 二月 (èryuè) – 2月 (序数的な意味合い)
- 两个月 (liǎng ge yuè) – 2ヶ月 (量詞「个」の前)
- 二十二 (èrshí’èr) – 22 (十の位、一の位)
- 两百 (liǎngbǎi) / 二百 (èrbǎi) – 200
- 两千 (liǎngqiān) / 二千 (èrqiān) – 2000
- 两本书 (liǎng běn shū) – 2冊の本 (量詞「本」の前)
- 第二次 (dì-èr cì) – 2回目 (序数)
難関突破③:必須の「量詞 (liàngcí)」をマスターしよう
中国語で物を数える際には、日本語の「〜個」「〜本」「〜枚」のように、「量詞 (量词 liàngcí)」という単位を表す言葉を数字と名詞の間に入れる必要があります。これは非常に重要なルールです。
基本構造: [数字] + [量詞] + [名詞]
そして、前述の通り、数字が「2」の場合は、量詞の前では必ず「两 (liǎng)」を使います。

中国語では「数字+量詞+名詞」の形が基本です。
代表的な量詞をいくつか紹介します。
代表的な量詞と例文
- 个 (ge – 個): 最も一般的で、人や多くの物に使えます。迷ったらこれを使うことも可能ですが、適切な量詞を使う方が自然です。
- 例: 一个人 (yí ge rén – 一人), 三个苹果 (sān ge píngguǒ – 3個のリンゴ), 两个学生 (liǎng ge xuéshēng – 二人の学生)
- 本 (běn – 本): 書籍、雑誌など冊子状のもの。
- 例: 一本书 (yì běn shū – 一冊の本), 两本杂志 (liǎng běn zázhì – 二冊の雑誌)
- 张 (zhāng – 枚): 紙、写真、テーブル、ベッドなど平らなもの。
- 例: 一张纸 (yì zhāng zhǐ – 一枚の紙), 五张桌子 (wǔ zhāng zhuōzi – 5つのテーブル)
- 杯 (bēi – 杯): コップやグラスに入った飲み物。
- 例: 一杯咖啡 (yì bēi kāfēi – 一杯のコーヒー), 两杯水 (liǎng bēi shuǐ – 二杯の水)
- 位 (wèi – 名): 人を丁寧に数える場合(日本語の「〜名様」)。
- 例: 一位老师 (yí wèi lǎoshī – 一名の先生), 三位客人 (sān wèi kèrén – 三名のお客様)
- 只 (zhī – 匹、羽、個): 動物(比較的小さいもの)、ペアの片方、船など。
- 例: 一只猫 (yì zhī māo – 一匹の猫), 两只鞋 (liǎng zhī xié – 一足の靴=靴二つ)
- 条 (tiáo – 本、筋、匹): 細長いもの(川、道、ズボン、魚、蛇など)。
- 例: 一条河 (yì tiáo hé – 一本の川), 两条鱼 (liǎng tiáo yú – 二匹の魚)
- 件 (jiàn – 件): 衣類(上着など)、事柄、荷物。
- 例: 一件衣服 (yí jiàn yīfu – 一着の服), 这件事 (zhè jiàn shì – この件)
※ 量詞は非常に種類が多く、名詞によって使い分ける必要があります。少しずつ覚えていきましょう。
シーン別実践応用編:数字を使ってみよう!
覚えた数字やルールを、具体的な場面でどのように使うか見ていきましょう。
買い物:値段の聞き方・言い方
買い物での会話例
お客: 这个多少钱? (Zhège duōshao qián?) – これはいくらですか?
店員: 一百二十块。(Yìbǎi èr kuài.) – 120元です。(※口語では 元(yuán) を 块(kuài) と言うことが多い)
お客: 太贵了!便宜一点儿吧!(Tài guì le! Piányi yìdiǎnr ba!) – 高すぎます!少し安くしてください!
店員: 那…一百一十块怎么样? (Nà… yìbǎi yīshí kuài zěnmeyàng?) – それなら…110元でどうですか?
お客: 好,就要这个。(Hǎo, jiù yào zhège.) – はい、これにします。
通貨単位: 人民元 (人民币 rénmínbì) – 基本単位: 元 (yuán), 口語: 块 (kuài) / 補助単位: 角 (jiǎo), 口語: 毛 (máo) / 分 (fēn)
例: 5.85元 → 五块八毛五(分) (wǔ kuài bā máo wǔ (fēn))
旅行:時間・日付・交通機関
旅行での会話例
時間:
- 现在几点? (Xiànzài jǐ diǎn?) – 今何時ですか?
- (下午)两点半。( (Xiàwǔ) liǎng diǎn bàn.) – (午後)2時半です。(※2時は 两点)
- 差一刻三点。(Chà yí kè sān diǎn.) – 3時15分前です。(※一刻 = 15分)
日付:
- 今天几月几号? (Jīntiān jǐ yuè jǐ hào?) – 今日は何月何日ですか?
- 今天是四月十六号。(Jīntiān shì sì yuè shíliù hào.) – 今日は4月16日です。(※日は 号(hào) が口語的)
- 二零二五年十月一号 (èr líng èr wǔ nián shí yuè yī hào) – 2025年10月1日
交通機関:
- 请给我两张去北京的票。(Qǐng gěi wǒ liǎng zhāng qù Běijīng de piào.) – 北京行きのチケットを2枚ください。(※量詞「张」の前は 两)
- 下一班车是几点? (Xià yì bān chē shì jǐ diǎn?) – 次のバス/電車は何時ですか?
電話・連絡先交換
電話番号の言い方
你的电话号码是多少? (Nǐ de diànhuà hàomǎ shì duōshao?) – あなたの電話番号は何番ですか?
我的号码是 139-1234-5678。 (Wǒ de hàomǎ shì yāo sān jiǔ, yāo èr sān sì, wǔ liù qī bā.) – 私の番号は 139-1234-5678 です。
※重要! 電話番号や部屋番号などを読む際、数字の「一 (yī)」は、聞き間違いを防ぐために「yāo (ヤオ)」と発音するのが一般的です。
ビジネスシーンでの数字

ビジネスでは正確な数字の表現が不可欠です。
ビジネスでの数字表現例
- 今年的销售额达到了一百万美元。(Jīnnián de xiāoshòu’é dádào le yìbǎiwàn měiyuán.)
今年の売上高は100万米ドルに達しました。 - 成本降低了百分之十五。(Chéngběn jiàngdī le bǎifēnzhī shíwǔ.)
コストは15パーセント削減されました。(※百分之… = パーセント) - 我们有三个方案。第一个方案是…(Wǒmen yǒu sān ge fāng’àn. Dì-yī ge fāng’àn shì…)
我々には3つのプランがあります。第一のプランは…。 - 请确认一下合同的第二页第五条。(Qǐng quèrèn yíxià hétong de dì-èr yè dì-wǔ tiáo.)
契約書の2ページ目の第5条をご確認ください。
数字と中国文化:縁起、スラング、手の数え方
中国では、数字に特別な意味を持たせたり、文化的な背景があったりします。
- 縁起の良い数字: 8 (発財), 6 (順調), 9 (永久)。
- 縁起の悪い数字: 4 (死)。
- ネットスラング: 88 (バイバイ), 520 (愛してる), 666 (すごい!), 233 (笑) など。
- 手の数え方: 片手で1から10までを表す独特のジェスチャーがあります。
これらの文化を知っておくと、より深いコミュニケーションが可能になります。
まとめ:難関を突破し、中国語の数字を使いこなそう!
中国語の数字について、基本的な読み方から声調変化、難関ルール(零、二/两、量詞)、様々なシーンでの応用、文化的な側面まで詳しく解説しました。
中国語数字 完全攻略の鍵
- 声調を意識した発音練習は必須!特に「一 (yī)」の声調変化に注意。
- 数字の間の「零 (líng)」は1回だけ読む。末尾は読まない。
- 量詞の前は必ず「两 (liǎng)」を使う!それ以外は基本的に「二 (èr)」。
- 「百」「千」の前には通常「一」をつける。「二百/两百」の使い分けも意識。
- 大きな数字は4桁区切り(万、亿)で考える。
- 序数は「第 (dì)」+数字。
- 西暦は数字を一つずつ読む。
- 量詞の種類と使い方を少しずつ覚える。
日本語話者にとって、漢字や単位の共通点は大きなアドバンテージです。しかし、声調や「零」、「二/两」、量詞といった中国語特有のルールをしっかり理解し、練習することが、正確で自然な中国語数字を習得する鍵となります。
この記事で学んだことを土台に、ぜひ実際の会話や読み書きの中で積極的に数字を使ってみてください。練習を重ねることで、必ず自信を持って使いこなせるようになります。
加油! (Jiāyóu! – がんばって!)