中国将棋と日本将棋の違い 

  1. 中国歴史・民族

近頃注目を集める日本の将棋ですが、中国では日本の将棋があまりニュースになりません。なぜなら中国には中国古来の中国将棋があるからです。

今回は中国文化の勉強として、日本と中国の将棋にはどんな共通点と違いがあるのか見ていきましょう。

中国将棋と日本将棋の違い

中国将棋と日本将棋の共通点

どちらの国の将棋も起源はインドのチャントランガという盤上ゲームから来ていると言われています。ですから「王様を取ったら勝ち」というのが基本ルールは共通です。

「2人で対戦し、一手ずつコマを動かす」というのも共通ルールでしょう。コマの動きも非常に似通っているものが多く、すでに日本将棋を知っている人は、中国将棋のルールは簡単に分かります。

「勝利を収める際のコツ」も似ているので、日本将棋が強い人は中国将棋も強くなれます。

中国将棋と日本将棋の違い

中国将棋が日本将棋と違う点は、「取った駒を使えない」という点でしょう。中国将棋は西洋将棋のチェス同様、盤上の駒は減るばかりです。

取った駒が使える日本将棋は終盤も複雑で、常に大逆転がありますが、中国将棋は終盤は駒が少なく「逆転はほとんどない」という違いもあります。

将棋の中国語表現

ところで将棋を中国語でなんと言うか知っておられますか?中国の将棋、日本の将棋、そして国際将棋チェスの中国語を見ていきましょう。

ある人が現在玩中国ジャンプ棋游戏にいます。

中国と日本の将棋

象棋(xiàngqí)

将棋の総称。単独で使う場合は中国将棋のこと。

中国象棋(zhōngguó xiàngqí)

中国将棋。他の将棋と区別するときに使われる。

日本象棋(rìběn xiàngqí)

日本将棋。日本独自の将棋があることは知ってるがやる人は少ない。

国际象棋(guójì xiàngqí)

チェス。中国でも愛好者は多く、国も力を入れて応援している。

動詞の勉強

中国語を勉強する上で、適切な動詞の選択は難しい点の一つです。

日本語でも将棋をすることを「将棋を指す」と言いますよね。外国人からするとレベルの高く、なんで「指す」という動詞をつかうの?と思うことでしょう。

では問題です。「将棋を指す」これを中国語でなんと言うか、次の3つからお選びください。

①指象棋zhǐ xiàngqí

②打象棋 xiàngqí

③下象棋xià xiàngqí

【将棋を指す 正解は?】

①指zhǐ

zhǐ)を動詞で使うときは「~が指し示しているのは~」というふうに使います。例えば…

tā shuō de z

他说的指你.

彼が言っているのは、あなたのことだよ。

というふうに使います。よって正解ではありません。

()

()という動詞は、「たたく」「殴る」というときにも使いますが、ゲームをするときなどにも使います。例えば…

dǎ pái

打牌

トランプをする。

dǎ májiàng

打麻将

マージャンをする。

というふうにも使うのです。よって打象棋 xiàngqí)が正解のようですが、正解ではありません。

xià

一番関係なさそうなxià)という動詞が正解です。

「雨が降る」を下雨(xiàyǔ)と言ったり、「車を降りる」を下车(xià chē)と言ったりしますが、「将棋を指す」ときは中国語で下象棋xià xiàngqí)と言います。面白いですよね。

たとえば中国人に「日本の将棋やったことある?」と質問すると、

wǒ méi xià guò rìběn xiàngqí

我没下过日本象棋.

日本の将棋は指したことがないよ。

という返答が返ってくるわけです。適切な中国語の動詞選択は難しいので、たくさん触れて覚えるしかありません。

お金が載ったチェス盤。

賭け将棋はあたりまえ

日本ではあまり表立っては行なわれない賭け将棋も、中国ではさかんです。路上ではよく中国将棋の盤が並べられています。

最初の局面から「さあ一緒に将棋を指そう」というのではありません。

場面は終盤で圧倒的に片方が有利な局面が作られています。ぼくが不利なほうの局面を持つから賭け将棋をしようというわけです。

お互いが100元や200元を出して勝ったほうがすべてのお金をもらいます。

中国将棋に自信のある人はついつい挑戦してしまいますが、相手はそれを職業としている人なので、ほとんどはお金を取られてしまいます。

まとめ

今回は将棋という日本と中国に存在するひとつの文化に注目しました。言葉は通じなくても将棋なら盤面で会話ができ、楽しい時間が過ごせます。

日本将棋が分かる人なら、中国将棋を覚えるのは簡単です。中国人と仲良くなるために中国将棋のやり方を調べてみるのもいいですね。

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ヤン・ファン (楊芳) この記事を書いた人

講師育成で知られる中国・東北師範大学卒業。講師歴は14年に及び、特に日系企業の駐在員やビジネスパーソン向けの指導経験が豊富です。現役の日中医療通訳士としても活動し同行・商談通訳等にも対応可能です
基礎からの正確な発音指導、ビジネス中国語、赴任前短期集中レッスン、HSK・中国語検定対策、日中医療通訳トレーニング。クイック・レスポンス、シャドウイング等の通訳訓練法をレッスンに導入し、実践的なコミュニケーション能力の効率的な習得をサポートします。企業研修(対面・リモート)、個人・グループレッスン、同行・商談通訳等にも対応可能で教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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