中国人が驚く日本の空港の不思議:なぜお湯がないの?

  1. 中国歴史・民族

人口の少ないわたしたち日本人でも日本の常識は国際常識だと思い込んでいるときがよくあります。世界の4分の1の人口を占める中国人ならなおさらです。

本気で中国の常識が世界常識だと思っているので、中国と違う状況に直面したときに理解できません。

中国人が驚く日本の空港の不思議:なぜお湯がないの?

中国の空港に必ずあって日本にないもの

そのよい例が、日本の空港にあるものがない!と騒ぎ出すことです。

中国人は日本の空港で必ず大きな問題に直面します。手荷物検査では必ず液体類である飲み物を手放さないといけません。すると飛行機の中で飲むものがなくなるのです。

日本人の感覚では、それなら待合室でジュースでも買えばいいじゃないか、そもそも飛行機の中で飲み物がもらえるじゃないか?と思うかもしれませんが、彼らはジュースではダメなのです。

よって飛行機に乗る前にあるものを探してあわてだすのですが、それが日本の空港に探してもありません。何がないのでしょうか?

彼らの感情を中国語で表現してみましょう。

wèishénme zài rìběn jīchǎng méiyǒu kāishuǐ

为什么 在 日本机场 没有 开水?

为什么在日本机场没有开水?の意味

クエスチョンマークの付いた紙を持つ女性。

为什么wèishénme)は「なぜ?」という疑問詞で、(zài)は「~で」という場所を指定する前置詞ですね。

机场jīchǎng)は飛行場という意味です。没有méiyǒu)は「ない」という意味ですよね。

つまり、なにかが「なぜ日本の飛行場にないのだ」と中国人たちは不思議がっているのですが、何を探しているのでしょうか?

それは开水kāishuǐ)です。kāi)は「沸かす」という意味もあるため、沸かした水、つまりなんで「お湯」がないのと不思議がっているわけです。

中国の空港には待合室にも、トイレの前にもいたるところにお湯の無料提供があるので、中国人は世界中の空港にもあると思っています。

ところが日本の空港にはないため、不思議がるのです

なぜお湯を求める?

なぜ中国人はお湯を求めるのでしょうか?1つはそれが中国人の習慣だからです。

小さいときから家で飲み物と言えばお湯でした。学校に行っても先生たちはお湯を飲んでいます。外で食事を食べるときもお店が提供する飲み物はお湯です。

2つ目は他のジュースなどの飲み物は身体に悪いと思っているからです。コーヒーなんかは苦くて飲めやしないと思っています。

最後に挙げる理由は、中国人はお湯は身体にいいことを知っているからです。

中国で風邪でもひこうものなら中国人から決まって言われるのが「多多喝水」(duōduō shuǐ)つまり「たくさん水を飲みなさい」です。

確かにカロリーも0で、身体の代謝をよくするお湯や水は身体によいものです。

お湯を見つけた!

どうしてもお湯がほしい中国人はお湯を手に入れるため、空港内を奮走して2つの場所でお湯が得られることを発見します。

1つは便利店(biànlìdiàn)、つまりコンビニです。カップラーメンに入れるお湯が電気ポットにあるではありませんか。

そこで中国人の一人が「水筒にお湯を入れていいか?」とジェスチャーで聞いてきます。

うっかり新人バイトが一人の中国人にOKを出そうものなら大変です。次から次へと観光客がお湯を入れだし、幾つかあったポットのお湯はすべて空になります。

中国 (中国) の窓の隣のカウンターにある 2 つのコーヒー壺。

コーヒーショップにお湯があるのも発見します。そこで水筒を差し出し「お湯を入れてくれ」と言います。

経験地の高い店員は一人に入れてあげるとどうなるか知っているので「コーヒーなどの飲み物を買ってくれたら入れてあげるよ」と言います。

中国人たちは不服そうな顔をしています。なぜでしょうか?

yīnwèi zài zhōngguó dōu miǎnfèi tígōng kāishuǐ

因为在中国都免费提供开水.

因为yīnwèi)は「なぜならば」という意味。dōu)は「すべて」という意味なので、在中国都zài zhōngguó dōu)は「中国ならどこでも」という意味になります。

免费提供miǎnfèi tígōng)は「ただで提供」という意味です。つまり「中国でならどこでもお湯はタダで提供してくれるのにどうして?」と思うわけです。

もちろん日本でも水は無料で提供しますが、何か買ってくれた人に提供が常識ですよね。ところが中国は何も買わなくてもお湯はあげるのが常識なのです。

中国では麦当劳(màidāngláo)、つまりマクドナルドなどでも、水筒を差し出せば何も買わなくてもお湯をくれます。

中国で当たり前のことを日本コーヒーショップがしてくれないと「どうして?」と思ってしまうわけですよね。すべては常識の違いが生んでいる問題です。

ここから学べる教訓は?

「まったく何も買わないのにお湯をほしがるなんて」という反応を示したくなるかもしれませんが、そんな排他的な態度を示していると自分が外国に行ったときに苦しむことになります。

たとえば日本以外の外国では日本のような丁寧な接客がなされません。それでも私たちが日本人と分かると丁寧に接してくれることがあります。嬉しいですよね。

ですからできれば中国人が中国の常識で要求してくるときでも可能な限り答えてあげましょう。日本のことがもっと好きになってくれるに違いありません。

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ヤン・ファン (楊芳) この記事を書いた人

講師育成で知られる中国・東北師範大学卒業。講師歴は14年に及び、特に日系企業の駐在員やビジネスパーソン向けの指導経験が豊富です。現役の日中医療通訳士としても活動し同行・商談通訳等にも対応可能です
基礎からの正確な発音指導、ビジネス中国語、赴任前短期集中レッスン、HSK・中国語検定対策、日中医療通訳トレーニング。クイック・レスポンス、シャドウイング等の通訳訓練法をレッスンに導入し、実践的なコミュニケーション能力の効率的な習得をサポートします。企業研修(対面・リモート)、個人・グループレッスン、同行・商談通訳等にも対応可能で教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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