「中国語で『可爱』ってどんな時に使えるの? 日本語の『かわいい』と同じ感覚で使って大丈夫?」「『可爱』以外にも、人や物を褒める時に使える便利な言葉が知りたい!」――中国語で褒め言葉を使いたいと思った時、こんな疑問を感じたことはありませんか?
特に「かわいい」という言葉は、日本語では非常に幅広く使われますが、中国語の「可爱 (kě’ài)」は、使い方を間違えると失礼になってしまう可能性もある、注意が必要な言葉です。今回は、「可爱」の基本的な意味や使い方から、ニュアンスの異なる様々な褒め言葉(萌、卡哇伊、好看、漂亮、美丽、有气质など)まで、具体的な例文と文化的背景を交えながら詳しくご紹介します。表現の幅を広げ、より豊かで適切なコミュニケーションを目指しましょう!
【中国語「可愛い」完全攻略】可爱だけじゃない!萌/卡哇伊/漂亮/好看の正しい使い分けとNG例を徹底解説
目次
中国語で「可愛い」の基本は「可爱 (kě’ài)」
まず、中国語で「かわいい」を意味する最も基本的な単語は「可爱 (kě’ài)」です。日本語でも「かわいい」を漢字で「可愛い」と書くことがあるので、漢字の意味合いからイメージしやすいですね。
日本語の「可愛い」との共通点と違い
日本語の「可愛い」には、「愛らしく感じるさま」「小さくて美しいさま」「いとしい、大切にしたいと感じるさま」といった意味合いが含まれています。中国語の「可爱 (kě’ài)」も、この中の「愛らしく感じる」「いとおしい」というニュアンスが中心となります。「可」は「~できる、~すべき」、「爱」は「愛する」なので、「愛することができる」「愛すべき」というのが直訳的な意味です。
「可爱」を使う対象:子供、動物、そして…?
「可爱 (kě’ài)」が最も自然に使われるのは、幼い子供や、子猫・子犬などの小動物に対してです。彼らの無邪気さや、小さくて守ってあげたくなるような姿に対して「かわいらしいね」「愛らしいね」という気持ちを込めて使います。
nà biānr de xiǎo māo mī kě’ài a!
那边儿的小猫咪可爱啊!
(あそこにいる子猫、かわいい!)
nǐ jiā bǎobao zhēn kě’ài!
你家宝宝真可爱!
(あなたの赤ちゃん、本当にかわいいね!)
感情が高ぶって「かわいい~!」と叫びたいときは、シンプルに「可爱~!」(kě’ài!)だけで表現することもできます。語尾に感嘆の助詞「啊 (a)」をつけると、より柔らかく、感情がこもった響きになります。
また、物に対しても使うことはありますが、どちらかというと「キュートなデザイン」「愛嬌のあるキャラクターグッズ」など、擬人化できるような、愛らしさを感じる物に対して使われることが多いです。

赤ちゃんや小さな子供には「可爱」がぴったり!
実は「愛すべき」という意味も?「可爱祖国」の例
「可爱 (kě’ài)」には、「かわいい」以外に、文字通りの「魅力がある」「愛すべき」といった意味もあります。これは、人や動物の見た目のかわいらしさとは少し異なり、対象への深い愛情や敬意、誇りなどを込めて使われることがあります。
wǒmen de kě’ài zǔguó
我们的可爱祖国
(わたしたちの愛すべき祖国)
zhèxiē zhàndòu yīngxióng fēicháng kě’ài.
这些战斗英雄非常可爱。
(これらの戦いの英雄たちは非常に敬愛すべきである。)
このように、祖国や英雄、故郷など、深い愛情や敬意を抱く対象に対して「愛すべき」「誇るべき」というニュアンスで使われることがあります。日常会話で「かわいい」の意味で使う頻度に比べると少ないですが、文章やスピーチなどで見かけることがあるかもしれません。知識として知っておくと良いでしょう。
もっと気持ちを伝えたい!程度副詞で「可愛い」レベルを表現
「かわいい!」と思った時、その感動の度合いを伝えたいですよね。日本語では声のトーンやイントネーション、表情を豊かにすることで「すっごくカワイイ!」という気持ちを表現しますが、中国語では程度を表す副詞(程度副詞)を「可爱」の前につけることで、その度合いを明確に表現するのが一般的です。
よく使う程度副詞一覧(很, 好, 非常, 太~了, 真 など)
「可愛い」の程度を表す際によく使われる副詞を、程度の弱いものから強いものへ、ニュアンスとともに見ていきましょう。(程度の感じ方には個人差や文脈依存もあります)
- 有点儿可爱 (yǒudiǎnr kě’ài): ちょっと可愛い(少し控えめ、場合によってはマイナス評価にも)
- 挺可爱的 (tǐng kě’ài de): なかなか可愛い、まあまあ可愛い(客観的、冷静な評価のニュアンスも)
- 很可爱 (hěn kě’ài): とても可愛い(一般的、基準レベルの「可愛い」)
- 好可爱 (hǎo kě’ài): すごく可愛い、とっても可愛い(口語的、感情がこもりやすい)
- 真可爱 (zhēn kě’ài): 本当に可愛い!(心からの感嘆、主観的な感情)
- 特别可爱 (tèbié kě’ài): 特別に可愛い、すごく可愛い
- 非常可爱 (fēicháng kě’ài): 非常に可愛い(程度がかなり高い、ややフォーマルにも使える)
- 超级可爱 (chāojí kě’ài): 超可愛い!(若者言葉、スラング的)
- 太可爱了 (tài kě’ài le): 可愛すぎる!最高に可愛い!(強い感嘆、感動)
- 可爱极了 (kě’ài jíle): 極めて可愛い、この上なく可愛い(「极了」は形容詞の後ろにつく)
- 最可爱 (zuì kě’ài): 最も可愛い、一番可愛い
- 这么可爱 (zhème kě’ài): こんなにも可愛い
- 那么可爱 (nàme kě’ài): あんなにも可愛い
【要注意】「挺可爱的」は感情が伝わりにくい?筆者の体験談
程度副詞の中でも、「挺~的 (tǐng…de)」のニュアンスには少し注意が必要です。これは「なかなか~だ」「まあまあ~だ」という意味で、事実を客観的に、あるいは肯定的に述べるときによく使われます。しかし、感情を込めて「かわいい!」と伝えたい場面で使うと、少し冷静で、感情がこもっていないように聞こえてしまうことがあります。
筆者も中国留学当初、教科書で習った「挺~的」を便利だと思って多用していました。ある時、友人の赤ちゃんの写真を見て「挺可爱的 (tǐng kě’ài de)」と言ったところ、友人から「え? あんまり可愛いと思ってないの?」と不思議そうな顔をされた経験があります。
その友人によると、「挺可爱的」だと「(客観的に見て)まあ、可愛い部類に入るね」といった感じで、話し手が本当に心から可愛いと感じているかどうかが伝わりにくい、少し冷たい印象を与える可能性があるとのことでした。その時、「ああ、こういう場面では『真可爱!』や『太可爱了!』の方が、自分の感動がストレートに伝わるんだな」と実感しました。
もちろん「挺~的」が常に悪いわけではなく、状況によっては適切な表現です。しかし、心からの「可愛い!」という感情を表現したい場合は、他の程度副詞を選ぶ方が良いでしょう。教科書で学んだ知識を実際のコミュニケーションで試し、フィードバックを得ることで、よりネイティブに近いニュアンスを掴むことができます。
感動を伝えるなら「太可爱了!」や「真可爱!」
前述の通り、見た瞬間に「わー!可愛い!」と心から感動した気持ちを伝えたい時は、「太可爱了! (tài kě’ài le!)」や「真可爱! (zhēn kě’ài!)」といった表現が非常に効果的です。これらは話し手の主観的な感動や驚きをストレートに伝えることができます。
你看这只小狗!太可爱了吧!
你看这只小狗!太可爱了吧!
(見てこの子犬!可愛すぎるでしょ!)
A: 这是我女儿小时候的照片。 B: 哇!真可爱!
A: 这是我女儿小时候的照片。 B: 哇!真可爱!
(A: これは私の娘が小さい頃の写真です。 B: わぁ!本当にかわいい!)
ここが違う!中国語「可爱」を使う上での重要注意点
日本語の「かわいい」は、赤ちゃんからお年寄りまで、人物、動物、物、ファッション、デザインなど、非常に幅広い対象に対して使うことができる便利な言葉です。しかし、中国語の「可爱 (kě’ài)」を同じ感覚で使ってしまうと、思わぬ誤解を招いたり、相手に不快な思いをさせてしまったりする可能性があります。特に注意すべき点を見ていきましょう。
大人の女性に「可爱」は失礼?文化的な背景
最大の注意点は、大人の女性に対して「可爱」を使う場合です。日本では、成人女性に対して「かわいい」と褒めることは、容姿やファッション、仕草などに対してごく一般的に行われますよね。むしろ「きれい」よりも親しみを込めた褒め言葉として好まれることさえあります。
しかし、中国の文化においては、大人の女性に対して「可爱」と言うのは、一般的にあまり適切な褒め言葉とはされません。「可爱」は前述の通り、主に幼い子供や動物に対して使われる言葉であり、「子供っぽい」「幼稚だ」というニュアンスで受け取られてしまう可能性があるからです。相手によっては、「私はもう子供じゃないのに!」と、むしろ馬鹿にされたように感じて気分を害してしまうことさえあります。
もちろん、親しい友人同士で冗談っぽく使ったり、特定の状況(例:キャラクターものの服を着ている、甘えたような仕草をしているなど)で使われたりすることもありますが、基本的には避けた方が無難です。

大人の女性に「可爱」と言うのは、状況によってはNG!
大人の女性を褒めるなら? (漂亮, 美丽, 好看, 有气质)
では、大人の女性の魅力や美しさを褒めたい時は、どのような言葉を使えば良いのでしょうか? より適切で喜ばれる表現がいくつかあります。
- 漂亮 (piàoliang): きれい、美しい、見た目が良い。最も一般的に使われる容姿を褒める言葉。華やかな美しさ。服装や物にも使える。
- 美丽 (měilì): 美しい。内面的な美しさや、景色など、より深い、品のある美しさを表すことが多い。やや書き言葉的。
- 好看 (hǎokàn): 見た目が良い、きれい、似合っている。容姿だけでなく、服装、髪型、物、景色など幅広い対象に使える便利な言葉。
- 有气质 (yǒu qìzhì): 気品がある、オーラがある、雰囲気がある。外見だけでなく、立ち居振る舞いや内面から醸し出される魅力を褒める言葉。
- 性感 (xìnggǎn): セクシー。
これらの言葉の使い分けについては、後ほど詳しく解説します。大人の女性に対しては、これらの表現を使う方が、相手に敬意が伝わり、喜ばれる可能性が高いでしょう。
日本人が陥りやすい「可愛い」の多用とそのリスク
日本語の「かわいい」があまりにも万能で使いやすいため、外国人学習者、特に日本人は、中国語でもつい「可爱」を多用してしまう傾向があります。しかし、上記のように対象やニュアンスが限定されるため、安易に使いすぎると「語彙が少ない」「表現が幼稚だ」と思われたり、意図せず相手を不快にさせたりするリスクがあります。
中国語を学ぶ際は、日本語の感覚をそのまま持ち込むのではなく、中国語の単語が持つ本来のニュアンスや使われる文脈を意識することが大切です。「可愛い」と感じた時に、それが「爱らしい」のか、「見た目が綺麗」なのか、「雰囲気が素敵」なのか、少し立ち止まって考えて、より適切な言葉を選ぶ練習をすると良いでしょう。
「可爱」以外にもある!イマドキの「かわいい」表現
基本の「可爱」以外にも、特に若者の間やネット上で使われる「かわいい」系の表現があります。これらを知っておくと、より砕けたコミュニケーションや、現代中国のカルチャーへの理解が深まります。
日本発!ネットで人気の「萌 (méng)」「萌萌哒 (méngméngdā)」
中国語の「萌 (méng)」は、日本語の「萌え(もえ)」が語源となっています。「萌え」は元々、日本の漫画やアニメのファンの間で、特定のキャラクターなどに対する強い愛着や好意を表すスラングとして使われ始め、2005年には日本の流行語大賞にも選ばれました。
日本のアニメや漫画は中国でも非常に人気があり、その影響で中国の若者の間でも「萌 (méng)」という言葉が「(オタク的な意味合いでの)可愛い」「キュンとくる可愛さ」といったニュアンスで使われるようになりました。さらに、「萌萌哒 (méngméngdā)」という、より強調した可愛らしい響きの表現も生まれ、2014年には中国のネット流行語にも選ばれました。「哒 (dā)」は特に意味のない語尾で、可愛らしさを添える効果があります。
現在では、オタク文化の文脈を超えて、「超カワイイ!」「めっちゃ萌える!」といった意味で、広く若者の間で使われています。特に、意図的に可愛らしさを演出するような文脈(自分撮り写真のコメントなど)でも見られます。
nǐ de hái zi hǎo méng a!
你的孩子好萌啊!
(あなたのお子さん、めっちゃカワイイ!)
nà ge gōngzhǔ méngméngdā!
那个公主萌萌哒!
(そのプリンセス、可愛すぎ!)
日本語そのまま?「卡哇伊 (kǎwayī)」を使う相手と場面
「卡哇伊 (kǎwayī)」は、日本語の「カワイイ (kawaii)」をそのまま中国語の漢字で音訳した言葉です。中国語には、可口可乐 (kěkǒukělè – コカ・コーラ) や 巧克力 (qiǎokèlì – チョコレート) のように、外来語の音を漢字で表記する言葉が多く存在します。
「卡哇伊」は日本語由来の外来語であり、比較的新しい言葉なので、中国の年配の方には通じない可能性があります。主に、日本語を勉強している学生や、日本のポップカルチャーに関心のある若者の間で使われることが多いです。日本語の「カワイイ」が持つ独特のニュアンス(おしゃれ、流行っている、などを含む)をそのまま伝えたい時に使われることもあります。
nǐ jīntiān chuān de yīfu hěn kǎwayī!
你今天穿的衣服很卡哇伊!
(今日着ている服、カワイイね!)
gāngcái kàndào nà ge Rìběn míngxīng zhēn kǎwayī!
刚才看到那个日本明星真卡哇伊!
(さっき見たあの日本の芸能人、本当に可愛かった!)
これらの若者言葉を使う上での注意点(流行り廃り)
「萌」や「卡哇伊」のようなネットスラングや外来語は、流行り廃りが早いという特徴があります。中国のネット流行語は毎年新しいものが登場し、数年前の言葉はもう古く感じられたり、使われなくなったりすることも珍しくありません。
また、これらの言葉は非常にカジュアルなので、使う相手や場面を選ぶ必要があります。フォーマルな場面や、目上の人に対して使うのは避けましょう。親しい友人同士や、同じ趣味を持つ仲間内での会話で使うのが適切です。常に最新の流行を追う必要はありませんが、これらの言葉を使う際は、TPOをわきまえるように心がけましょう。
なぜ?中国人から見た「かわいい」日本文化とは
「萌 (méng)」や「卡哇伊 (kǎwayī)」といった言葉が中国で使われる背景には、日本のポップカルチャーの影響があります。中国人から見て、「かわいい」と感じる日本文化にはどのようなものがあるのでしょうか?
キャラクター、アニメ、漫画の影響力
ハローキティ、ドラえもん、ポケモンなど、日本のキャラクターは中国でも絶大な人気を誇ります。また、日本のアニメや漫画は、子供から大人まで幅広い層に親しまれており、その中で描かれるキャラクターのデザインや仕草、ストーリーなどが「かわいい」文化として認識されています。これらの作品を通じて、日本の「かわいい」という概念が中国にも浸透していきました。
制服やロリータ・ファッションへの憧れ
中国の学校には、日本のような標準的な「制服」文化があまりありません(ジャージのような体操服が制服代わりのことが多い)。そのため、日本の学生が着ているセーラー服やブレザーといった制服は、「おしゃれでかわいい」ファッションとして憧れの対象となることがあります。コスプレとしてだけでなく、普段着として日本の制服風ファッションを楽しむ若者もいます。
また、1990年代以降に日本で生まれたロリータ・ファッションも、その独特なデザインや世界観が中国の一部の若者の間で人気を集めています。フリルやレースを多用した甘いスタイルの服は、まさに「かわいい」を体現するものとして捉えられています。
世界共通語?「kawaii」の持つ意味
今や「kawaii」は、寿司(sushi)やカラオケ(karaoke)のように、日本語からそのまま世界で通用する言葉の一つになりつつあります。これは、単に「cute」や「lovely」と訳せるだけでなく、日本のポップカルチャーに根差した独特の美的感覚や価値観を含んだ言葉として認識されているからです。
中国人にとっても、「kawaii」は日本らしさを象徴するキーワードの一つとなっています。真面目さ、謙虚さ、高品質な製品といった従来のイメージに加え、「かわいい」文化は現代日本の大きな魅力として捉えられ、日中間の文化交流においても重要な役割を果たしています。
「可愛い」だけじゃない!相手やモノを褒める多彩な中国語表現
「可爱」以外にも、人や物事を褒める中国語の表現はたくさんあります。状況や相手、褒めたいポイントに合わせて適切な言葉を選ぶことで、より的確で心のこもったコミュニケーションが可能になります。ここでは、特によく使われる褒め言葉とそのニュアンスの違いを見ていきましょう。

大人の女性には「漂亮」や「有气质」などが適切
見た目が良い!万能な「好看 (hǎokàn)」の使い方(人・物・景色)
「好看 (hǎokàn)」は、「見て(kàn)良い(hǎo)」という文字通り、「見た目が良い」「きれい」「かっこいい」「似合っている」といった意味で使える非常に便利な褒め言葉です。 人物の容姿、服装、髪型、持ち物、デザイン、映画、景色など、目で見て「良い」と感じるもの全般に対して幅広く使うことができます。
A:今天我戴上的眼镜怎么样? (jīntiān wǒ dài shàng de yǎnjìng zěnmeyàng?)
(今日わたしがかけてる眼鏡どう?)
B:嗯,很好看!很适合你。(en, hěn hǎokàn! hěn shìhé nǐ.)
(うん、すごくいいね!とても似合ってるよ。) ※适合 (shìhé) = 似合う
你新买的手机真好看!(nǐ xīn mǎi de shǒujī zhēn hǎokàn!)
你新买的手机真好看!
(あなたが新しく買ったスマホ、本当にかっこいいね!)
你去过外滩?那儿的夜景很好看!(nǐ qù guo Wàitān? nàr de yèjǐng hěn hǎokàn!)
你去过外滩?那儿的夜景很好看!
(ワイタン(上海の観光地)に行ったことがある?あそこの夜景はとてもきれいだよ。)
華やかで美しい「漂亮 (piàoliang)」の使い方(容姿・物・事の出来栄え)
「漂亮 (piàoliang)」は、日本語の「きれい」「美しい」に近く、特に女性の容姿を褒める際によく使われる代表的な言葉です。「好看」よりも、より華やかさや美しさを強調するニュアンスがあります。服装や持ち物など、見た目が華やかで美しい物に対しても使えます。
那位小姐真漂亮!(nà wèi xiǎojiě zhēn piàoliang!)
那位小姐真漂亮!
(あのお嬢さんは本当にきれいだ!) ※小姐 (xiǎojiě) は若い女性への呼びかけ(近年は水商売を連想させるため避ける傾向も。美女 měinǚ や名前で呼ぶ方が無難な場合も)
你这条裙子很漂亮。(nǐ zhè tiáo qúnzi hěn piàoliang.)
你这条裙子很漂亮。
(あなたのこのスカート、とてもきれいね。) ※裙子 (qúnzi)=スカート, 条 (tiáo)=細長いものを数える量詞
さらに、「漂亮」には「見事だ」「素晴らしい」「あざやかだ」という意味もあり、スポーツのプレーや仕事の出来栄えなど、物事のやり方が完璧で素晴らしいことを褒める時にも使われます。これは日本語の「美しいプレー」といった表現に通じるものがありますね。
漂亮!又是接近完美的一跳。(piàoliang! yòu shì jiējìn wánměi de yí tiào.)
漂亮!又是接近完美的一跳。
(見事だ!またしても完璧に近いジャンプです。) ※スポーツ実況などで
那件事儿他干得很漂亮。(nà jiàn shìr tā gàn de hěn piàoliang.)
那件事儿她干得很漂亮。
(彼女はあの仕事を見事にやってのけた。) ※干 (gàn)=する、やる
内面や品のある美しさ「美丽 (měilì)」の使い方(人・景色・心)
「美丽 (měilì)」も「美しい」という意味ですが、「漂亮」に比べると、より品があり、内面的な美しさや、壮大な景色、芸術作品など、深く感動を覚えるような美しさを表すことが多いです。やや書き言葉的で、日常会話では「漂亮」の方が頻繁に使われる傾向があります。
桂林的风景非常美丽。(Guìlín de fēngjǐng fēicháng měilì.)
桂林的风景非常美丽。
(桂林の風景は非常に美しい。)
她不仅外表美丽,心灵更美。(tā bùjǐn wàibiǎo měilì, xīnlíng gèng měi.)
她不仅外表美丽,心灵更美。
(彼女は外見が美しいだけでなく、心はさらに美しい。) ※心灵 (xīnlíng)=心
雰囲気やオーラを褒める「有气质 (yǒu qìzhì)」
直接的な容姿だけでなく、その人の持つ雰囲気や品格、オーラといった、内面から醸し出される魅力を褒めたい時には、「有气质 (yǒu qìzhì)」という表現が非常に効果的です。「气质 (qìzhì)」は「気質、気品、風格」といった意味で、「有气质」で「気品がある」「雰囲気がある」「オーラがある」となります。特に洗練された大人の女性や、落ち着いた魅力のある男性に対して使うと喜ばれることが多い褒め言葉です。
我觉得她很有气质。(wǒ juéde tā hěn yǒu qìzhì.)
我觉得她很有气质。
(彼女はとても気品があると思います。)
这位老师说话的方式很有气质。(zhè wèi lǎoshī shuōhuà de fāngshì hěn yǒu qìzhì.)
这位老师说话的方式很有气质。
(この先生は話し方がとても品がある。)
子供や動物への別の褒め言葉「乖 (guāi)」
「可爱」は子供や動物によく使うと述べましたが、もう一つ、非常によく使われる褒め言葉があります。それが「乖 (guāi)」です。これは主に「お利口さん」「聞き分けが良い」「いい子」といった意味で、親が子供を褒める時や、ペットに対して使われます。「可愛い」というニュアンスも含まれることがありますが、どちらかというと、その行動や性格が良い子であることを褒める言葉です。
宝宝真乖,不哭不闹。(bǎobao zhēn guāi, bù kū bú nào.)
宝宝真乖,不哭不闹。
(赤ちゃんは本当にお利口さんだね、泣きもしないし騒ぎもしない。) ※哭 (kū)=泣く, 闹 (nào)=騒ぐ
我们家狗狗很乖,很听话。(wǒmen jiā gǒugou hěn guāi, hěn tīnghuà.)
我们家狗狗很乖,很听话。
(うちの犬はとてもいい子で、とても言うことを聞きます。) ※听话 (tīnghuà)=言うことを聞く
中国語のかわいい「可愛」まとめ
今回は、中国語で「可愛い」を表す「可爱」を中心に、その使い方、注意点、そして様々な関連表現や褒め言葉について詳しく見てきました。
「可爱」は主に子供や小動物の「愛らしさ」を表現する言葉であり、日本語の「かわいい」ほど幅広い対象には使えないこと、特に大人の女性に対して使う際には注意が必要であることを理解いただけたかと思います。代わりに「漂亮」「美丽」「好看」「有气质」といった、より適切な褒め言葉を使い分けることが大切です。
また、若者言葉の「萌」や「卡哇伊」、子供への褒め言葉「乖」など、表現のバリエーションを知ることで、より豊かなコミュニケーションが可能になります。程度副詞を使いこなせば、感情のニュアンスも細かく伝えられます。
最初は、どの言葉をどの場面で使うべきか戸惑うかもしれません。大切なのは、間違いを恐れずに、実際に使ってみて、ネイティブの反応を見ながら感覚を掴んでいくことです。褒め言葉は、相手との距離を縮める潤滑油のようなもの。相手や状況に合った言葉を選べるようになれば、中国語でのコミュニケーションはもっと楽しく、スムーズになるはずです。
日本のアニメや漫画が好きな中国人も多いので、「萌」や「卡哇伊」といった言葉が共通の話題のきっかけになるかもしれませんね。文化の違いを理解し、尊重しながら、様々な表現を使って、ぜひ積極的に交流を楽しんでみてください。