中国人が驚く!日本人の清潔さとは?

  1. 中国歴史・民族

中国人の日本人に対する印象としてよく挙げられるのが、きれい好きであるということです。しかし、それは別に、中国の方がきれい好きでないというわけでは決してありません。

そこには中国と日本の生活習慣の違いと、中国人の日本人観が関係しています。

中国人が驚く!日本人の清潔さ

中国人から見た日本の街の清潔さ

自分で思う自分という人間と、周りの人が思う自分は必ずしも一致するわけではありません。それと同じように日本人が思う日本観と、中国人が思う日本観も異なることがあります。

日本に旅行に来たことがある中国人が一堂に口にするのは、日本がどこもキレイ「干净」(gān jìng)であるということです。

街中にゴミが落ちてないことにまず驚くそうですが、日本のことを具体的に知れば知るほど、日本人はきれい好きで清潔だと感じるそうです。では、中国人は具体的に日本人のどこを見てきれい好きだと感じるのでしょうか?

中国から見た日本

日本人がきれい好きだと思う5つの習慣

中国人はこの5つの日本人の習慣を見て日本はとてもきれい好きだと感じるようです。

zū fáng zǐ zài tuì chū de shí hou huì jiāng fáng jiān dǎ sǎo dé tè bié gān jìng

租房子在退出的时候,会将房间打扫得特别干净

部屋を退去するとき、部屋をとてもきれいにする

 

rì běn rén měi tiān zǎo wǎn dōu huì xǐ zǎo

日本人每天早晚都会洗澡

日本人は毎晩お風呂に入る

 

zài cè suǒ xū yào huàn shàng zhuān mén de xié zi

在厕所需要换上专门的鞋子

トイレでは専用スリッパに履き替える

 

rì běn rén dōu xǐ huan shang shū pí

日本人都喜欢上书皮

日本人はみなブックカバーがすき

 

chōu shuǐ mǎ tǒng de chòng  jìnshì fēi cháng dà de

抽水马桶的冲劲是非常大的

水洗トイレの水を流す力が強い

これから、それぞれどんなことで驚いているのか紹介していきますが、その過程で是非日本と中国の生活習慣や文化の違いに注目してみて下さい。中国人の日本観が理解できるようになりますよ。

借家退去時の掃除

日本人は借家を退去するときに、清掃業者が入ると分かっていてもある程度家を掃除して出ます。これが中国人の理解不能なところであり、日本人がきれい好きだと感じる点でもあります。

中国人的にはなぜ清掃業者が掃除することになっているのに、一円の得にもならないことをするのか不思議です。「そうか!日本人は汚い部屋のまま出ていくことができないほど潔癖なのだ」と感じるわけです。

しかしもう少し深く掘り下げて考えてみると、きれい好きかどうかであるという事だけでなく、別の要素が関係していることに気づかされます。それは、部屋を借りたときの状態です。

日本の場合、部屋を借りるときにはすでに部屋がとてもきれいに掃除されていて、私物などが全く存在しない状態です。しかし、中国の場合はそうではありません。基本的にきれいな状態ではないのです。

部屋の中を簡単に整理した程度で、冷蔵庫やトイレといった場所は非常に汚れていることが多々あります(もちろん借りる部屋の値段にもよりますが…)。

これは私自身の経験ですが、借りようとした部屋の冷蔵庫の中のものが入ったままで腐っていたということもありました(もちろん、その場で大家さんに処理してもらいました)。

部屋を去る時にも、後に入る人がそのまま使えそうなものであれば、そのまま残しておいても特に問題になる事はありません。部屋を借りたときにこうした状況であったとすれば、当然自分が部屋を出る時も、部屋の掃除にはそれほど気を使わなくてよいはずだという考え方になります。

毎日の入浴習慣

日本人は当たり前の習慣として毎日お風呂に入ります。夏はもちろん冬でも入ります。

合理的な中国人は、あまり汗をかかない冬場にお風呂に入る必要性を感じません。そこで「そうか、日本人は毎日お風呂に入り、服も着替えないと我慢ならないほど潔癖なのか」と感じるわけです。

この点に関しても、中国人はきれい好きでないから、毎日お風呂に入らないと単一的に判断することはできません。

私の知り合いから聞いた話ですが、中国で日本人の女性と中国人の女性がルームシェアをしていたそうです。その時、中国人の女性は日本人の女性に対して大きな不満を持っていました。その理由は「なぜ毎日シャワーを浴びるのか、水代がもったいないじゃないか」ということでした。

日本人にとって毎日シャワーを浴びる事は、基本的な生活習慣であり、それにかかるコストのことについて問題視する事はあまりありません。しかし中国の方からすれば、毎日シャワーを浴びるという行為は、水という資源の無駄遣いになるという考え方なのです。

これこそ、生活習慣の違いが招いた意見の相違ということができるでしょう。

トイレのスリッパ

トイレの専用スリッパ

トイレ専用スリッパを使う習慣がある国は、日本だけといっても過言ではありません。多くの国ではスリッパどころか家の中にまで土足で入りますし、中国も決して例外ではありません。中国の家庭でも玄関で靴を脱ぐ習慣ができつつありますが、それでもトイレ専用スリッパはありません。

小中学校に靴箱「鞋柜」(xié guì)があることにも驚くようです。中国人はしょっちゅう靴を履き替えなくてはいけない日本の習慣が面倒くさくてしょうがありません。

そこで「そうか!日本人はどんなに面倒くさくても靴を履き替えてキレイさを保ちたい。それほど潔癖なのか」と感じるわけです。しかし家の中で靴を脱ぐから脱がないかという事は、生活習慣の違いであり、必ずしもそれがきれい好きであるかどうかの指標になるとは限りません。

上にも挙げましたが、中国では家の中で靴を脱ぐ習慣が形成されつつあります。しかし、靴を脱ぎたくないという人も多くいます。その理由を中国人の友人に聞いたところ、その理由は「特に冬場は足を冷やしたくない」ということでした。

足を冷やしてしまうことで、体全体が冷えて風邪をひいたり病気になってしまうことを避けたいという気持ちから、家の中で靴を脱ぎたくないということなのだそうです。こうして考えると、きれい好きであるかどうかということではなく、それは健康意識の問題になります。

ブックカバーの使用

中国人は日本人がいつも本にブックカバーつけていることにも注目しています。多くの中国の方は、本は読むために存在すると考えているので、その本に「书皮」(shū pí)つまりブックカバーをつける必要性をあまり感じないようです。

そこで「そうか、かならずブックカバーをつけるのは、本を汚したくないという潔癖さから来ているに違いない」と感じます。しかし日本でブックカバーをつける習慣は、本当にきれい好きから来たものなのでしょうか?

この習慣は大正時代の古本屋さんが、宣伝目的として書店名が印字された包装紙を使ったことから始まったといわれています。仮にそうであるとすると、きれい好きとブックカバーをつけることとは、あまり関係がなかったことになりますね。

私が知り合いの中国人に日本のパスポートを見せた時、その方はパスポートに透明のカバーがつけられていたことにとても驚いていました。「これは自分で買ったの?それともパスポートが発行されるときについてくるものなの?」とパスポートカバーに対して非常に興味津々な様子でした。

基本的に中国にはブックカバーをつける習慣がないとも言っていました。パスポートを発行するときに、わざわざカバーをつけてくれる行政のサービスがとても行き届いているとも言っていました。

私としてはパスポートについているカバーの事など気にしたことすらなかったので、非常に興味深い経験となりました。ブックカバーの由来はともかく、自分が当たり前と思っているものが、決して当たり前ではないということがあるということがとても新鮮だったのです。

水洗トイレの特徴

中国人は日本のトイレがきれいなのにも驚きますが、さらに印象的なこととしてトイレが終わった後に流す水の量の多さに驚きます。

中国のトイレはタンクが小さく、下水道の管が細いので、あまり多くの量の水を流してはいけないという事情もあり、日本の半分以下の水の量しか流れないところがほとんどです。

日本のトイレの水量の多さを目の当たりにした中国人は「なんで日本はただ流すだけのためにあんなに多くの水を使うのだろう。なぜ日本はあれほど下水道を太くしているのだろう。排泄物を少しも残したくないほど潔癖であるからに違いない」と感じるわけです。

このように日本人は、中国人からとてもきれい好きな国民だと思われています。しかしそう思わせる各要素を深く掘り下げて考えてみると、きれい好きとは別の要素に起因する生活習慣の違いにすぎないようにも思えます。

日本が清潔な理由

文化の違いとしての清潔さ

例えば欧米人は、日本人のことをさほどきれい好きとは思っていないようです。水で食器や衣服を洗う事を汚いと感じています。お湯でないと汚れはきちんと落ちないと思っているからです。

日本人にもきれい好きな人がいますし、そうでない人もいます。中国人にもきれい好きな人はいますし、そうでない人もいます。ステレオタイプのイメージで決めつけるのは避けいたいものですね。

中国人からみた清潔な日本の原因分析

しかし多くの中国の方が、日本人はとても清潔であり、日本の街並みとても清潔であると感じている事は事実です。そして、日本人がなぜきれい好きであるかを分析しています。

中国の検索エンジン「百度」などで、「日本人、爱干净」(rì běn rén, ài gān jìng)というキーワードで検索すると、非常に多くのサイトを検索することができます。どんな分析がされているのか紹介してみたいと思います。

日本の自然環境

rì běn de zì rán huán jìng shǐ zhè ge guó jiā néng bǎo chí gān jìng 

日本的自然环境使这个国家能保持干净

日本の自然環境が国をきれいに保っている

理由の一つとして挙げられているのは、日本の自然環境による影響です。日本の気候は雨が降りやすく、雨水によって埃などが流されやすいこと、日本には森林が多く存在しているため、空気もきれいになりやすいという理由が挙げられていました。

日本の教育

rì běn de jiào yù zhòng shì duì wèi shēng xí guàn de péi yǎng 

日本的教育重视对卫生习惯的培养

日本の教育は衛生習慣の育成を非常に重視している

2つ目は日本の教育の方法です。日本の学校に通った人であるならば、誰もが経験している事ですが、日本の学校には掃除の時間があります。中国の学校にはこうした教育制度がないため、中国人の多くは、日本で掃除をすることを教育の一環として取り入れていることに感銘を受けるようです。

お風呂に入る習慣

rì běn rén yǒu ài xǐ zǎo de xí guàn 

日本人有爱洗澡的习惯

日本人はお風呂に入る習慣がある

3つ目は日本人がよく体を洗うということです。この点については上でも取り上げましたが、日本人がよくシャワー浴びるのは日本独特の気候が関係している、と中国の方は分析していました。

日本の気候は分類すると温暖湿潤気候です。非常に湿気が高く汗をかきやすいため、不快指数も高くなり、必然的に体を洗う機会が多くなります。

他の理由として、日本には火山帯も多く存在しているため温泉も多く、そうした影響からシャワー浴びたり、お風呂に入ったりする習慣が形成されていったということです。

生まれた時から日本に住んでいる者からすれば、こうした事柄は当たり前のことで生活の中で意識する事はほぼありません。しかし外国の方からすると決して当たり前ではなく、参考にすべき事・良い習慣としてとらえられており、それが日本観を形成していきます。

まとめ

今回はなぜ中国の方が日本人のことをきれい好きと思っているのか、その理由と背景について紹介しました。そこには、日本と中国の生活習慣や文化の違い、中国人の日本人観が大きく関係していることが見て取れました。

お互いの違いについて知り、その理由を理解することで、相手のことをよりリスペクトすることができるようになります。そして外の世界について理解を深める事で、自分自身の文化や生活習慣を見つめ直し、これまで以上に深く愛することができるようになります。

中国語の学習は人間成長にとても寄与するものです。これからも、中国語の学習を通して人生を豊にしていきましょう。

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