日本の春、毎年繰り返されるくしゃみ、止まらない透明な鼻水、息苦しいほどの鼻づまり、そして耐え難い目のかゆみ。多くの人がこの季節特有の悩みを抱えながら日常生活を送っています。しかし、中国へ出張に行ったり、上海や北京などの都市で生活を始めたりすると、到着後数日で鼻がすっと通り、それまでの苦しみが嘘のように消え去るという不思議な現象を経験する人は決して珍しくありません。
「もしかして、中国の空気が自分の体質に合っているのではないか」「大気汚染のある環境で鍛えられたおかげで強くなったのだろうか」と考える方もいるかもしれません。しかし、医学的な視点から見ると、体質が数日で急激に変化したわけではありません。その背景には、日本と中国の植生の違い、飛散する花粉の種類の違い、そして室内環境の違いなど、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
本記事では、中国で症状が和らぐ理由や、現地で気を付けるべきアレルゲン、PM2.5や黄砂の影響について詳細に探求していきます。さらに、現地で体調を崩した際や、病院・薬局を利用する場面でそのまま使える実践的な中国語フレーズも豊富にお届けします。正しい知識と語学力を身につけるために、中国語教室などで基礎を学ぶことも有益な選択肢です。言葉の壁を乗り越え、海外での生活やビジネスをより快適なものにするための知識を深めていきましょう。
中国で花粉症が軽くなる最大の理由
- 主な理由は日本のスギ・ヒノキ花粉への接触量が減ること
- アレルギー反応は原因物質から離れると急速に落ち着く
- 体質自体が変化したわけではなく、帰国すれば再発する可能性が高い
中国へ移動した後に症状が劇的に軽くなる主な理由は、本人が反応している特定の花粉から物理的に離れるためです。人間の免疫システムは、特定のアレルゲン(原因物質)に対して過剰に反応するようにプログラムされています。特に日本の春に猛威を振るうスギやヒノキの花粉は、日本独自の広大な人工林から都市部へ大量に飛来します。
日本でスギやヒノキに強く反応している人が、それらの花粉飛散量が極めて少ない中国の都市部へ移動すれば、当然ながら鼻粘膜や目の結膜に到達する原因物質の量は激減します。アレルギー反応の引き金となる物質が鼻腔内に入ってこなくなるため、ヒスタミンの放出が抑えられ、くしゃみや鼻水といった症状が急速に落ち着くのです。これが、渡航直後に「治った」と感じる最大のカラクリです。
症状が消えても体質が治ったとは限らない
しかし、症状が出なくなったからといって、アレルギー体質そのものが根本から治癒したわけではありません。体内の免疫系は、スギやヒノキの花粉を「外敵」として認識するIgE抗体を保持したまま、単に休止状態に入っているだけです。そのため、中国で数年間生活して全く問題がなかった人でも、春の時期に日本へ帰国した途端、空港のロビーを出た瞬間から激しいくしゃみや目のかゆみが再発することがあります。
では、アレルギー反応は具体的に体内でどのように引き起こされるのでしょうか。次に、免疫系の働きと中日間の環境差異について掘り下げていきます。
アレルギー性鼻炎が起こる仕組みと中日環境の差異
- アレルゲンへの感作とIgE抗体の生成が発症の鍵
- 原因物質により季節性と通年性に分類される
- 中国でも室内環境によっては通年性の症状が出現する
アレルギー性鼻炎は、鼻から侵入した特定のアレルゲンに対し、免疫系が過剰防衛を働くことで生じる粘膜の炎症です。中国語の医学用語では「过敏性鼻炎(guòmǐnxìng bíyán)」と表記されます。花粉やダニを吸い込んで即座に発症するわけではなく、まず免疫系がその物質を異物と認識し、専用のIgE抗体を作り出す「感作」という準備段階が存在します。
一度感作が成立した人の鼻腔内に再び同じアレルゲンが侵入すると、粘膜下の肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質が一斉に放出されます。これらが知覚神経や血管を刺激することで、連続するくしゃみ、水のように透明な鼻水、粘膜の腫れによる頑固な鼻づまりを引き起こします。
季節性と通年性の違いを理解する
アレルギー性鼻炎は、原因となる物質によって大きく二つに分類されます。一つは特定の季節に飛散する花粉(スギ、ヒノキ、ヨモギ、ブタクサなど)が原因となる「季節性アレルギー性鼻炎」です。屋外での活動時に症状が悪化しやすいのが特徴です。もう一つは、チリダニ、ハウスダスト、カビ、ペットのフケなどが原因となる「通年性アレルギー性鼻炎」です。こちらは一年を通じて発生し、古い建物やカーペットのある部屋などで悪化しやすくなります。
日本で春だけ症状が出ていた人が、中国へ移動して屋外では快適になったものの、ホテルの部屋に戻ると鼻が詰まるというケースがあります。これは、ホテルの寝具や空調設備に潜むダニやカビに対して、通年性の症状が引き起こされている可能性が高いと考えられます。

それでは、屋外の環境に目を向けた場合、中国ではどのような植物が原因となり得るのでしょうか。地域の広範な違いについて見ていきましょう。
日本と中国では飛散する花粉がどう異なるか
- 中国にも花粉症は存在し、地域によって原因植物が異なる
- 北京など北方ではポプラやヤナギ、ヒノキ科が春の原因となる
- 上海ではプラタナスの綿毛(飛絮)が物理的刺激をもたらす
「中国には花粉症がない」という認識は誤りです。広大な国土を持つ中国では、地域や気候帯、標高、植栽されている樹木によって、飛散する花粉の種類が大きく異なります。中国疾病予防控制中心のデータによれば、春季の主な花粉としてヒノキ科、ポプラ、ヤナギ、ニレ、カバノキなどが挙げられており、多数の患者が存在しています。
日本ではスギとヒノキが圧倒的な割合を占めますが、中国の都市部において日本と全く同じ規模でスギ人工林が広範に分布しているわけではありません。しかし、北京などの北方地域ではヒノキ科の植物が春のアレルゲンの一つとして認識されています。そのため、スギには反応しなくてもヒノキに感作されている人は、中国の特定の地域でアレルギー反応を起こす可能性があります。
上海特有の事情:プラタナスと飛絮
上海などの都市部で春に特徴的なのが、街路樹として広く植えられているプラタナスです。気温が上がるとプラタナスの花粉が飛散し、鼻水やくしゃみ、目や皮膚の違和感を引き起こすことがあります。さらに、街中で雪のように舞う白い綿毛状の物質に遭遇することがあります。
これは中国語で「飞絮(fēixù)」と呼ばれ、ポプラやヤナギの種子に付いた綿毛が空中を舞う現象です。この綿毛自体は花粉ではありませんが、目や鼻の粘膜に付着することで物理的な刺激を与え、くしゃみやかゆみを誘発することがあります。また、綿毛に微細な汚染物質が付着している場合もあり、アレルギーに似た不快な症状を引き起こす原因となります。
高温多湿な南方と内陸部の秋
広州や深圳といった中国南方の高温多湿な地域では、屋外の花粉よりも、屋内に繁殖しやすいダニやカビの胞子がアレルゲンとして優位になる傾向があります。一方で、内陸部や北方地域では、夏から秋にかけてヨモギ属やブタクサ、カナムグラといった草本植物の花粉が大量に飛散します。日本で秋の雑草花粉に悩まされている人は、中国でも同時期に強い症状を経験する可能性が高いため、事前の警戒が求められます。
花粉と並んで気になるのが、中国特有の大気環境です。PM2.5や黄砂は、私たちの身体にどのような影響を与えるのでしょうか。続いてその相関関係を解き明かします。
PM2.5・黄砂・大気汚染とアレルギーの相関関係
- PM2.5は粘膜を物理的・化学的に刺激し炎症を悪化させる
- 黄砂はアレルゲンではないが、増悪要因として働く
- 汚染物質で免疫が鍛えられて花粉症が治るという医学的根拠はない
花粉とPM2.5(微小粒子状物質)は、どちらも空気中を浮遊して人間の呼吸器に影響を与えますが、体に対する働きかけ方は大きく異なります。花粉症が特定のタンパク質に対する免疫系の過剰反応であるのに対し、PM2.5は粘膜に対する直接的な物理的・化学的刺激として作用します。PM2.5の粒子は極めて小さいため、鼻腔の奥深くまで入り込み、粘膜のバリア機能を傷つけ、炎症を促進させる性質を持っています。
花粉症の人が花粉とPM2.5を同時に吸い込むと、傷ついた粘膜から花粉のアレルゲンが侵入しやすくなり、結果としてアレルギー症状がさらに強く引き起こされることが知られています。したがって、「大気汚染のおかげで免疫が鍛えられた」という考え方は医学的に根拠がなく、むしろ呼吸器や肺への負担を不用意に増大させる危険な認識です。
大気汚染のひどい日にあえて外出して「体を慣らす」ような行為は絶対に避けてください。気管支炎や喘息などの深刻な呼吸器疾患を誘発する恐れがあります。
黄砂がもたらす影響
黄砂は中国内陸部などの乾燥地域から巻き上げられた土壌や鉱物の粒子です。黄砂そのものに特定のアレルギーを引き起こすタンパク質が含まれているわけではありませんが、飛来する過程で大気中の汚染物質や微生物を吸着していることがあります。これらが鼻や目、喉の粘膜に付着すると、強い刺激や不快感をもたらし、既存の鼻炎や喘息の症状を著しく悪化させることがあります。
このように、異国での鼻水やくしゃみは多様な原因から生じます。では、それが単なるアレルギーなのか、それとも風邪などの感染症なのか、どのように見分ければよいのでしょうか。
中国滞在中に起こりやすい花粉症と風邪の鑑別基準
- 透明で水のような鼻水はアレルギーの可能性が高い
- 発熱や全身の倦怠感、粘り気のある鼻水は感染症を疑う
- 場所を移動して症状が変化するかどうかも重要な指標となる
慣れない海外生活では、体調不良の原因を正確に把握することが重要です。特に鼻水やくしゃみといった症状は、アレルギー性鼻炎と初期の風邪の両方で見られるため、判断に迷うことがよくあります。中国疾病予防控制中心などの情報を参考にすると、両者にはいくつかの明確な違いが存在します。
まず、鼻水の状態を観察してください。アレルギー性鼻炎の場合は透明で水のようにサラサラとした鼻水(清鼻涕)が絶え間なく流れ出ます。一方、風邪の場合は初期こそ透明でも、経過とともに黄色や緑色の粘り気のある状態へと変化していくのが一般的です。また、アレルギーでは連続する激しいくしゃみや目・鼻の強いかゆみが特徴的ですが、風邪ではこれらは比較的少なく、代わりに発熱、喉の強い痛み、筋肉痛や全身の倦怠感を伴うことが多くなります。
環境による変化を確認する
もう一つの重要な見分け方は、場所を移動した際の症状の変化です。アレルギーの場合、屋外から室内に入ったり、逆に部屋の外に出たりした際に、原因物質の濃度が変わるため症状が急激に変化することがあります。しかし風邪による感染症であれば、どこへ移動しても症状は一定の経過をたどる傾向にあります。
自分の症状を冷静に分析できたら、次はそれを記録し、適切な行動へと繋げていくプロセスが必要となります。
原因を特定するための症状記録と受診の目安
- 症状が出た日時、場所、天候を細かく記録することが診断の助けになる
- 呼吸困難や顔面痛などがある場合は直ちに医療機関を受診する
医療機関を受診する際、医師に正確な情報を伝えるためには、日々の症状の変化をメモに残しておくことが非常に有効です。特に「いつ、どこで、どのような症状が強くなったか」という記録は、アレルゲンを推測する強力な手掛かりとなります。
記録すべき具体的な項目としては、「症状が始まった日時」「滞在している都市と具体的な場所(屋外か室内か)」「くしゃみや目のかゆみの程度」「その日の天候、風の強さ、大気質指数の状態」「ホテルの部屋のにおい(カビ臭さなど)や寝具の清潔度」などが挙げられます。これらの情報が揃っていれば、受診時に必要な検査を絞り込みやすくなります。
受診をためらうべきではない危険なサイン
単なる鼻水であれば様子を見ることもできますが、以下のような症状が現れた場合は、自己判断で市販薬に頼るのではなく、速やかに耳鼻咽喉科や内科を受診してください。
会話が困難なほどの息苦しさや喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒューという音)、唇や舌、喉の急激な腫れ、胸の痛み、数日続く高熱、黄色や緑色のドロドロした鼻水とそれに伴う顔面の圧迫痛、あるいは薬を服用した直後の発疹や呼吸困難などです。これらは重症の副鼻腔炎や肺炎、あるいはアナフィラキシーなどの重大な疾患の兆候である可能性があります。
万が一の事態を防ぐためにも、中国へ渡航する前からの周到な準備が不可欠です。次に、日本にいる間に済ませておくべき対策を見ていきましょう。
渡航前に実践したい花粉・アレルギー対策
- 日本で使い慣れた抗アレルギー薬を必要日数分持参する
- 薬の外箱やお薬手帳など成分が証明できるものを携行する
- 現地の花粉情報や大気質指数を検索する中国語を控えておく
持病としてアレルギー性鼻炎や気管支喘息を抱えている人は、渡航先での環境変化に備えた事前の準備が明暗を分けます。最も重要なのは、日本で普段から使用しており、自分自身の身体に合っていると分かっている薬を十分な量持参することです。中国の薬局でも抗アレルギー薬は手に入りますが、配合されている成分の種類や用量が日本とは異なる場合があり、思わぬ副作用(強い眠気など)を引き起こすリスクがあります。
薬を持参する際は、成分や処方内容が客観的に証明できるよう、薬の本体だけでなく外箱、説明書、お薬手帳、処方箋の控えなどをひとまとめにして携行しましょう。海外旅行保険の緊急連絡先と合わせて保管しておけば、現地で医療機関にかかる際にもスムーズに情報を提示できます。
現地の環境情報を収集する
渡航先の都市で現在どのような花粉が飛んでいるか、大気質はどのレベルかを事前に調べておくことも大切です。現地の天気予報アプリやウェブサイトを利用する際、以下の中国語キーワードを知っておくと検索が容易になります。
・花粉浓度(huāfěn nóngdù):花粉濃度
・花粉预报(huāfěn yùbào):花粉予報
・空气质量(kōngqì zhìliàng):大気質
・沙尘(shāchén):砂じん、黄砂
これらの準備を整えた上で現地へ赴き、到着後は日々のセルフケアを徹底していくことになります。
中国滞在中のセルフケアと住環境管理
- 外出時は適切なマスクを着用し、帰室時は付着物を入念に払い落とす
- 室内のダニやカビが疑われる場合は、ホテルに部屋の変更を交渉する
現地に到着してからのセルフケアの基本は、原因物質を体内に取り込まないよう物理的にブロックすることです。大気質指数が悪化している日や花粉濃度が高い日は、長時間の屋外活動を控え、外出する際は顔の骨格に隙間なく密着する高性能なマスクを着用します。帰宅・帰室する際は、ドアを開ける前に衣服の表面に付着したほこりや綿毛、花粉を手でしっかりと払い落とし、室内に入ったらすぐに手洗い、洗顔、うがいを励行しましょう。
また、盲点になりやすいのが室内の環境です。ホテルの部屋に入った瞬間にカビのにおいがしたり、ベッドに入った途端にくしゃみが連発したりする場合は、空調設備の汚れや寝具に繁殖したダニが原因である可能性が濃厚です。我慢して滞在を続けると症状が悪化するため、フロントへ連絡して環境の改善や部屋の変更を求める行動力が必要です。
- フレーズ
- 我对尘螨和霉菌过敏,可以换一个干净、干燥的房间吗?
- 日本語訳
- ダニとカビにアレルギーがあります。清潔で乾燥した部屋に変更できますか。
- 使う場面
- ホテルのフロントで、部屋の衛生状態が原因でアレルギー症状が出たことを理由に、部屋の変更を依頼する際。
- 注意点・誤用例
- ただ「部屋を変えて(换房间)」と言うだけでは、単なるわがままと受け取られる可能性があります。必ず「过敏(アレルギー)」という健康上の正当な理由を添えることが交渉をスムーズにするコツです。
- 発音・ニュアンス
- Wǒ duì chénmǎn hé méijūn guòmǐn, kěyǐ huàn yí ge gānjìng、gānzào de fángjiān ma? 「过敏(guòmǐn)」をしっかり強調して伝えます。
それでも症状が治まらない場合は、現地の薬局へ足を運び、適切な薬を手に入れる必要があります。薬局で自分の症状を誤解なく伝えるための表現を学んでいきましょう。
現地の薬局や病院で症状を伝えるための中国語表現
- 風邪薬を処方されないよう「过敏(アレルギー)」を明確に主張する
- 「透明な鼻水」か「粘り気のある鼻水」かを言葉で区別する
中国の薬局(药店)で単に「鼻水が出る」とだけ伝えると、十中八九、通常の風邪薬(感冒药)や漢方成分の入った解熱剤を勧められてしまいます。抗ヒスタミン薬などの適切な抗アレルギー薬を手に入れるためには、自分が風邪ではなくアレルギー性鼻炎であることを冒頭で明確に宣言しなければなりません。

- フレーズ
- 我有过敏性鼻炎,一直打喷嚏、流清鼻涕,而且鼻塞。
- 日本語訳
- アレルギー性鼻炎があり、くしゃみと透明な鼻水が続き、鼻も詰まっています。
- 使う場面
- 薬局のカウンターで薬剤師に症状を説明する、あるいは病院の問診で伝える場面。
- 注意点・誤用例
- 「流清鼻涕(透明な水のような鼻水)」という表現が重要です。これを単に「流鼻涕」と言うと、風邪による黄色い鼻水と区別がつきません。
- 発音・ニュアンス
- Wǒ yǒu guòmǐnxìng bíyán, yìzhí dǎ pēntì、liú qīng bítì, érqiě bísè. 「打喷嚏(dǎ pēntì)」は息を破裂させるように発音します。
- フレーズ
- 我没有发烧,但是鼻子和眼睛很痒。
- 日本語訳
- 熱はありませんが、鼻と目がとてもかゆいです。
- 使う場面
- 相手から「風邪ではないか」と疑われた際に、熱がないことを伝えて感染症を否定する場面。
- 発音・ニュアンス
- Wǒ méiyǒu fāshāo, dànshì bízi hé yǎnjing hěn yǎng. 「很痒(hěn yǎng)」でかゆみの強さを訴えます。
症状を正確に伝えた上で、出される薬が自分に合っているかどうかの確認も欠かせません。次の章では、薬の副作用や飲み合わせを確認するためのフレーズをお伝えします。
薬の種類や副作用を確認する中国語フレーズ
- 仕事や運転に影響が出ないよう、眠気の出にくい薬をリクエストする
- 現在服用中の薬がある場合は、必ず実物を見せて併用可能か確認する
抗ヒスタミン薬の代表的な副作用といえば「強烈な眠気(嗜睡)」です。出張中の大事な会議や、レンタカーの運転中に眠気に襲われると重大な事故に直ながる恐れがあります。薬を受け取る前に、生活に支障が出ないかを必ず相手に確認してください。
- フレーズ
- 我白天需要工作,有没有不容易犯困的药?
- 日本語訳
- 昼間は仕事があります。眠くなりにくい薬はありますか。
- 使う場面
- 第2世代抗ヒスタミン薬など、中枢神経への作用が少なく眠気が出にくい成分の薬を選んでほしいとき。
- 注意点・誤用例
- 「眠い」という単語は「睡觉(寝る)」ではなく、日常的に用いられる「犯困(眠気に襲われる)」を使うのが自然です。
- 発音・ニュアンス
- Wǒ báitiān xūyào gōngzuò, yǒu méiyǒu bù róngyì fànkùn de yào? 「犯困(fànkùn)」は口をしっかり開けて発音します。
- フレーズ
- 这是我现在正在服用的药,可以一起吃吗?
- 日本語訳
- これは現在服用している薬です。一緒に飲んでも大丈夫ですか。
- 使う場面
- 日本から持参した常備薬や持病の薬を薬剤師に見せ、飲み合わせ(相互作用)の安全性を確認する場面。
- 発音・ニュアンス
- Zhè shì wǒ xiànzài zhèngzài fúyòng de yào, kěyǐ yìqǐ chī ma? 薬の実物やお薬手帳を指し示しながら伝えます。
薬で症状を抑えながら無事に滞在日程を終え、いよいよ日本へ帰国する日。実は、この「帰国直後」こそが、最もアレルギー症状が再発しやすい危険なタイミングなのです。
帰国直後の再発メカニズムと空港での防衛策
- 帰国してスギ花粉に再接触すると、短時間で激しい症状が現れる
- 機内持ち込み手荷物にマスクや薬を準備しておくことが必須
- 帰宅するまでの移動中も花粉への曝露を最小限に抑える行動をとる
中国で快適な日々を過ごし、「すっかり治った」と油断して日本の空港に降り立った直後、到着ロビーを出た瞬間に強烈なくしゃみに襲われるケースが後を絶ちません。前述の通り、体内の免疫系は原因物質から離れていただけであり、スギやヒノキに対する感作状態がリセットされたわけではないからです。
日本の花粉飛散期に帰国する場合、空港周辺や駅、バス乗り場などには大量の花粉が舞っています。無防備な状態でこれらを吸い込めば、鼻粘膜で堰を切ったようにアレルギー反応が再開します。この再発を防ぐためには、帰国前から防衛ラインを構築しておくことが求められます。

機内への持ち込み荷物と到着時の行動
預け入れ荷物の中にマスクや抗アレルギー薬を入れてしまうと、スーツケースを受け取るまでの間、全く無防備な状態に晒されます。必ず機内持ち込みの手荷物にマスク、花粉対策眼鏡、そして帰国直後に服用する分の薬を準備しておいてください。飛行機が日本の空港に着陸し、機内から降りる時点ですでにマスクを装着しておくのが理想的です。
そして、帰宅後も油断は禁物です。玄関に入る前に上着に付いた花粉を徹底的に払い落とし、すぐに洗顔と手洗い、可能であればシャワーを浴びて髪に付着した花粉も洗い流してください。生理食塩水を用いた鼻洗浄(鼻うがい)も、鼻腔内に残ったアレルゲンを物理的に洗い流す効果的な手法です。
いざという時に慌てないための中国語学習計画
- 体調不良時に外国語を話すのは平常時よりも困難を伴う
- 病名、症状、希望の三点を短く正確に言えるよう反復練習する
- 発音に不安がある場合は専門の講師による指導が効果的
健康な状態であれば翻訳アプリを使いながらゆっくり会話することも可能ですが、激しいくしゃみが止まらなかったり、呼吸が苦しかったりする緊急時に、スマートフォンを操作して的確な翻訳を探し出す余裕はありません。体調が悪いときほど、口から自然に外国語が出る状態を作っておくことが身を助けます。
学習のコツは、複雑で長々とした文章を暗記するのではなく、「病名(アレルギーであること)」「症状(透明な鼻水、かゆみなど)」「薬への希望(眠くならないこと)」という重要な構成要素を、短く端的に伝えられるよう訓練することです。特に中国語は声調(四声)が少しでも狂うと全く別の意味に受け取られてしまうため、正しい発音での反復練習が欠かせません。
例えば「喷嚏(pēntì:くしゃみ)」や「犯困(fànkùn:眠くなる)」といった単語は、息の出し方や音の上がり下がりに特徴があります。独学での発音練習に限界を感じた場合や、ロールプレイ形式で実践的な会話力を身につけたい場合は、プロの講師から直接フィードバックを受けられる学習環境を活用していくことが大切です。
中国に住めばスギ花粉症は治りますか?
スギ花粉への曝露が少ない地域にいる間は症状が出なくなりますが、アレルギー体質そのものが治癒したわけではありません。日本へ戻って再びスギ花粉を吸い込めば、高確率で症状が再発します。
PM2.5などの汚染物質を吸うと免疫が鍛えられますか?
そのような医学的根拠はありません。PM2.5は鼻や気道の粘膜を直接傷つけ、むしろアレルギー性鼻炎や喘息の症状を悪化させる危険な要因となります。大気質が悪い日はマスク等で防護することが必須です。
上海で街中に舞っている白い綿毛は花粉ですか?
「飛絮」と呼ばれるポプラやヤナギの種子についた綿毛であり、微小な花粉そのものとは異なります。しかし、目や鼻に入ると物理的な刺激を引き起こし、かゆみやくしゃみの原因となります。
現地の薬局で薬を買っても安全ですか?
中国の薬局でも抗アレルギー薬は購入可能ですが、成分量や副作用(眠気の強さなど)が日本のものと異なる場合があります。薬剤師に症状と希望を中国語で正確に伝え、不安な場合は持参した常備薬を見せて確認をとる行動が安全性を高めます。
帰国直後の空港ですぐに再発することはありますか?
十分にあり得ます。日本の空港に降り立った直後から花粉の曝露は始まるため、機内持ち込みの手荷物にマスクや薬を準備しておき、到着した瞬間から防護策を講じることが重要です。

