見た目はまるで蜂の巣?中国の栲栳老

    1. 中国語日常会話

    中国の地方都市にはその地ならではの名物料理が多数あります。その町を訪れるからこそ食べられる本場の味で、「厨师」(chúshī 料理人)が職人技を駆使して作ります。

    今回はその中から、見た目はまるで蜂の巣のような「栲栳老」をご紹介しましょう。

    「見た目はまるで蜂の巣?中国の栲栳老

    栲栳老」とは?

    栲栳老」(kǎolǎolao)は「莜面栲栳老」(yóumiànkǎolǎolao)や「莜面栲栳」(yóumiànkǎolǎo)とも呼ばれ、その名の通り「莜面」(yóumiàn 燕麦の粉)が原料の料理です。

    また「晋菜」(jìncài 現在の山西省付近を発祥地とする料理)の伝統料理で「山西十大面食」(Shānxīshídàmiànshí 山西十大麺料理)の一つに数えられています。

    晋菜は中国八大料理ではありませんが、地元の人はこれこそが本来の中国の伝統の味だと自負があります。

    というのも「」(Jìn)で表される現在の山西省一帯は歴史が古く、「华夏」(Huáxià 中国の古称)発祥の地と考えられているからです。栲栳老の始まりも隋時代の終わり頃とされています。

    熟練技が生み出す味

    栲栳老の作り方には決して欠かせない三つのコツがあります。

    Yīshìfèishuǐhuómiàn,èrshìkuàisùdājuàn,sānshìzhǎngwòhuǒhou。

    一是沸水和面,二是快速搭卷,三是掌握火候。

    一つ目にお湯で燕麦の粉を捏ねて生地を作り、二つ目に手際よく生地を巻き、三つ目に火加減を適切にコントロールすることです。

    材料の燕麦の粉とお湯を混ぜ、しっかりと捏ねて生地の粘りを出す工程を「和面」(huómiàn)といいます。これは一般的に体力のある若者が行います。

    Huóhǎomiàntuánhòu,zàiguānghuá de shíbǎnshàngjiāngxiǎomiàntuányīróuyīcuō,

    和好面团后,在光滑的石板上将小面团一揉一搓,

    ránhòujiùshízàishǒuzhǐshàngràochéngtǒngzhuàng,chángcūnxǔ,báorúyè,

    然后就势在手指上绕成筒状,长寸许,薄如叶,

    zhěngqí lìfàngzàilóngtì de shābùshàng。

    整齐立放在笼屉的纱布上。

    生地をしっかりと粘りが出るまで捏ねたら、つるつるした石板の上で小さな生地の塊を手でこすり、すぐさま勢いをつけて人差し指に筒状に巻き付けます。長さは約3cm、木の葉のように薄くしたものを蒸籠のガーゼの上に整然と並べていきます。

    これは一瞬の工程で熟練技が必要です。蒸籠にびっしりと栲栳老を並べたら約10分蒸します。最初は強火で蒸し、均等に蒸気が行きわたるようにします。

    蒸す時間が短いと粉っぽさが残りますし、時間が長すぎると柔らかくなってコシを失い、栲栳老の形が崩れてしまいます。

    蒸籠に並べると見た目は蜂の巣?

    蒸籠の大きさにもよりますが、およそ二人前の蒸籠には100個前後の栲栳老がびっしりと並べられます。その形はまるで蜂の巣のようです。

    Yóumiànkǎolǎolao,yīnxíngsì“fēngwō”,

    莜面栲栳老,因形似“蜂窝”,

    suǒyǐ dāngdìlǎobǎixìngyěchēngqíwéi“yóumiànwōwo”。

    所以当地老百姓也称其为“莜面窝窝”。

    莜面栲栳老はその形が蜂の巣に似ているため、現地の市民はそれを「莜面の巣」とも呼んでいます。

    滝の真ん中にかかる虹。

    雑穀で作るけど栄養は満点

    燕麦は栄養価の高い雑穀です。蒸しあがった栲栳老は主食としていろいろな食べ方ができます。

    そのままほかのおかずと一緒に食べてもいいですし、上から「卤汁」(lǔzhī)とも呼ばれる「老汤」(lǎotāng 鶏肉や豚肉を何度も煮出した濃いスープ)をかけて食べる人もいます。

    山西省はジャガイモを使った炒め料理が多いのでそれを合わせるのもいいですね。

    山西人」(Shānxīrén 山西省の人)の料理には「陈醋」(chéncù 粟を原料に作る長く保存した酢)が欠かせないので、上から2・3滴かけると風味がぐっと増しますよ。

    今も愛される特別料理

    山西省の北部や中西部で栲栳老は「牢靠」(láokào)、「和睦」(hémù)を表す料理とみなされています。それで日常的に食べるだけでなく、慶事や来客のおもてなし料理として今も愛され続けています。

    祖父母の誕生祝い、赤ちゃんの生誕満一か月のお祝い、祝日の来客へのもてなし、結婚式で新郎新婦が食べる料理などで欠かせない一品なのです。

    まとめ

    山西十大面食」の名の通り、さすがは麺料理発祥の地ならではの代表料理ですね。チャンスがあればぜひ食べてみてください。

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