何分で逮捕?中国のカメラ監視システム

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世界で一番のハイテク先進国、それは中国かもしれません。

中国にはいたるところに監視カメラが備え付けており、2015年以降、中国国内のすべての人の動きは見張られています。その威力がいかなるものかを紹介しましょう。

何分で逮捕?中国のカメラ監視システム

中国の監視カメラの数

中国国内には1億7000万台のAI搭載の監視カメラが設置されています。 

中国国民の人口が約13~17億であることを考えると、国民10人毎に1台以上の監視カメラが備えられている計算になるわけですから、その力の入れようが分かります。

監視カメラでできる3つの事柄

中国政府が町中の監視カメラで何を行っているのか見ていきましょう。今日はたくさんある監視カメラの機能のうち、3つほど紹介します。

tèdìngguómínsuǒzài de dìfang

1,特定国民所在的地方

国民がどこにいるか特定する

 

dàibǔxiányírén

2,逮捕嫌疑人

容疑者を逮捕する

 

zàixuéxiàojiānshìxuésheng

3,在学校监视学生

学校で生徒を監視する

国民の所在地を把握

中国は広いので、昔は誰がどこにいるのか特定するのは大変でした。

外国人はいったん国内に入る税関(海关:hǎiguān)を超えてしまえば、北京(北京:běijīng)にいるのか、2000㎞以上離れた深セン(深圳:shēnzhèn)にいるのか、はたまた遠い内陸都市のラサ(拉萨lāsà)にいるのか特定できなかったのです。

しかし現在は入国時に顔写真を撮られるので、中国警察はその気になれば、監視カメラの顔認識システムを使って、特定の外国人がどこにいるのかすぐに調べることができます。

中国国民の場合、以前から国内移動の際に身分証明書(身份证shēnfenzhèng)のICカードをタッチさせていたので、「どこの都市にいるのか」を特定できていました。

しかし監視カメラの顔認識システム導入によって「その都市のどこにいるのか」まで詳細につかめるようになったのです。

では具体的に顔認識システムの威力を見ていきましょう。中国警察はどれほどの時間で犯人を逮捕できるのでしょうか。

中国の国旗の背景に 2 つの手錠。

7分以内で逮捕

顔認識システムが一番力を発揮するのは容疑者(嫌疑人xiányírén)を逮捕するときです。

ある人を逮捕すると警察が決めたら、「7分以内に逮捕できる!」と中国警察は豪語しています。本当でしょうか?実際の例をいくつか紹介しましょう。

ある外国人は優雅にスターバックスで朝食をとっているところ、急にやってきた警察官に逮捕されました。なぜですしょう?

それはビザで許されている以外の活動をしていた彼が運悪くスターバックスにあった監視カメラに映し出されていたからです。

中国国内に潜む逃亡犯たちは、通常カメラのないところで隠遁生活を送ります。

ある逃亡犯も監視カメラに一度でも映り込めば逮捕されることを知っていましたが、香港の大スタージャッキー・チュン(张学友:zhāngxuéyǒu)の国内コンサート会場にどうしても行きたくなりました。

コンサート会場のカメラに映り込んでからまさに7分以内に、彼は逮捕されました。

本人の言葉を借りると「危ないと分かっていたが、どうしてもコンサートが見たかった」ようです。国内でこのニュースは大々的に知らされ、中国国民は監視カメラの威力を改めて認識することとなります。

なぜ逮捕可能?

なぜ7分以内に逮捕できるのでしょうか?

容疑者が監視カメラに映り込むと、顔識別システムによって、たちまち警察の中央監視センターに容疑者の顔写真が大きく映りだされます。

前もって取っていた容疑者の写真と監視カメラ上の画像が並んで映し出され、「合致率92%!」などという風にたちまち本人特定がされます。輪郭の形や顔のパーツの位置や大きさで本人確定するようです。

授業態度をカメラで監視

学校の教室にも監視カメラが備えられています。テストのカンニング(作弊zuòbì)防止のためでもありますが、監視カメラの性能があまりに素晴らしく、教室の中で何人が寝ているのか、何人がスマホをこっそりいじくっているのかなども把握できてしまいます。

学校の中には監視カメラでデータ化される授業態度を成績に反映させるところもあります。生徒としては全く自由がないキャンパスライフでしょう。

中国の教室には一台の電子ビデオがあり、子供たちは机の上に座っています。

中国国民を治めるために

常にカメラで行動を監視する中国政府の方法を、批判したくなる日本人もいるかもしれませんが、しかし、当の中国国民は受け入れています。

13~17億もいる自由の国民を治めあげるためには、反対する気も起こさせないほど徹底的な管理が必要のようです。中国国内に備え付けられた監視カメラは国民をまとめ上げるために確かな効果を上げていると言えるでしょう。

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ヤン・ファン (楊芳) この記事を書いた人

講師育成で知られる中国・東北師範大学卒業。講師歴は14年に及び、特に日系企業の駐在員やビジネスパーソン向けの指導経験が豊富です。現役の日中医療通訳士としても活動し同行・商談通訳等にも対応可能です
基礎からの正確な発音指導、ビジネス中国語、赴任前短期集中レッスン、HSK・中国語検定対策、日中医療通訳トレーニング。クイック・レスポンス、シャドウイング等の通訳訓練法をレッスンに導入し、実践的なコミュニケーション能力の効率的な習得をサポートします。企業研修(対面・リモート)、個人・グループレッスン、同行・商談通訳等にも対応可能で教材作成、レッスンカリキュラム、講師育成など幅広い分野で活躍。

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