「昨日のことだから、動詞に“了”を付ければよい」「日本語の『~している』は“着”で表せばよい」と覚えたものの、実際の会話ではうまく当てはまらない。中国語を学び始めると、多くの人がこの壁にぶつかります。

中国語では、過去・現在・未来によって動詞の形が変わりません。その代わりに、時間を示す語と、“了・过・在・正在・着・呢”などを組み合わせて、出来事の時間や進み具合を伝えます。

この記事を読み進めると、「いつの話か」と「動作がどの段階にあるか」を分けて考えられるようになります。例文を声に出しながら確認したい場合は、中国語教室で講師に発音や場面ごとの自然さを確認する方法もあります。

目次 [ close ]
  1. 中国語では動詞を過去形や現在形に変化させない
    1. 時制とアスペクトを分けて考える
  2. 時間詞と文脈で過去・現在・未来を示す
    1. 会話では前の発言が時間詞の役割を果たす
  3. 「了」は過去形ではなく実現・完了・変化を表す
    1. 未来の文にも動詞後の「了」を使える
    2. 文末の「了」は以前との違いを伝える
  4. 「过」は過去の経験を表す
    1. 「了」と「过」を選ぶ小さな判断法
  5. 現在の習慣と進行中の動作を区別する
    1. 「在」「正」「正在」の違い
    2. 「在」が二つの役割を持つ文
    3. 文末の「呢」で進行する様子を示す
  6. 「着」は動作よりも状態の持続を描く
    1. 服を「着ている」にも二つの場面がある
    2. 「~しながら」「~したまま」を表す
    3. 場所に存在する人や物を描写する
    4. 「着」の読み方を区別する
  7. 否定文は「不」と「没・没有」を使い分ける
    1. 完了を否定すると通常は「了」を外す
    2. 進行中の否定と持続状態の否定
  8. 疑問文と場面別会話で使い分けを定着させる
    1. 食事の完了を確認する会話
  9. 誤用を直すための日本語から中国語への変換手順
    1. 誤用例1:過去なら必ず「了」を付ける
    2. 誤用例2:「~している」をすべて「着」にする
    3. 誤用例3:過去の否定に「不」を使う
    4. その場で選ぶための早見表
  10. 音読・作文・復習で使える形にする実践メニュー
    1. 練習1:「去」で時間と経験を変える
    2. 練習2:「開けている」と「開いている」を演じ分ける
    3. 練習3:一日の出来事を三段階で話す
    4. 七日間の復習例
  11. 中国語の過去形・現在形に関するQ&A
  12. 時間と動作の段階を分ければ文を組み立てやすい

中国語では動詞を過去形や現在形に変化させない

この章の要点
  • 中国語の動詞は時間によって形を変えない
  • 時間詞・文脈・アスペクト表現を組み合わせて意味を伝える

最初に押さえたいのは、中国語の動詞は時制で活用しないという点です。「行く」を表す“去(qù)”は、昨日の出来事でも、今日の予定でも、明日の計画でも同じ形を保ちます。

フレーズ
我昨天去上海。
Wǒ zuótiān qù Shànghǎi.
日本語訳
私は昨日、上海へ行きました。
使う場面
昨日の行動を簡潔に伝える場面です。“昨天”があるため、動詞に特別な変化がなくても過去だと分かります。
注意点・誤用例
“昨天”を使ったら必ず“了”を付ける、という規則はありません。特定の動作が完了した点をはっきり示すなら“我昨天去了上海”とも言えますが、伝えたい焦点が異なります。
発音・ニュアンス
“昨天”はzuótiān、“去”は第4声のqùです。時間を対比したいときは“昨天”を少しはっきり発音します。

今日なら“我今天去上海(Wǒ jīntiān qù Shànghǎi)”、明日なら“我明天去上海(Wǒ míngtiān qù Shànghǎi)”です。変わるのは“昨天・今天・明天”であり、“去”ではありません。

ここで大切なのは、時間と動作の状態を別々に見ることです。「昨日」という時間を伝える役割と、「完了した」「経験がある」「進行している」という段階を伝える役割は同じではありません。

カレンダーと時計を使って中国語の昨日・今日・明日の表現を学ぶ教材
動詞を変化させるのではなく、時間を示す語を組み合わせます。

時制とアスペクトを分けて考える

時制は、出来事が過去・現在・未来のどこに位置するかを示します。アスペクトは、動作が始まったのか、進行中なのか、完了したのか、結果の状態が続いているのかといった見方です。

たとえば「食べる」には、「毎日食べる」「今食べている」「食べ終えた」「食べた経験がある」という違いがあります。中国語では、これらを一つの過去形や現在形に押し込まず、必要な表現を選びます。

  • 時間を示す:昨天、现在、明天、以前、下个月
  • 実現・完了を示す:了
  • 経験を示す:过
  • 進行を示す:在、正、正在、呢
  • 状態の持続を示す:着

では、時間を示す語は文のどこに置けばよいのでしょうか。次の章で、迷いやすい語順を整理しましょう。

時間詞と文脈で過去・現在・未来を示す

この章の要点
  • 時間を示す語は基本的に述語より前に置く
  • 会話で時間が共有されていれば繰り返さなくてもよい

中国語では、時間詞を動詞より前に置くのが基本です。初心者は、まず主語+時間+場所+動詞+目的語の順で組み立てると安定します。

フレーズ
我昨天在公司见客户。
Wǒ zuótiān zài gōngsī jiàn kèhù.
日本語訳
私は昨日、会社で顧客に会いました。
使う場面
仕事の報告や昨日の行動を話す場面です。主語、時間、場所、動作の順になっています。
注意点・誤用例
日本語の語順につられて、時間詞を文末へ機械的に置かないようにします。“我见客户昨天”は基本の語順として不自然です。
発音・ニュアンス
“客户”はkèhùで、どちらも第4声です。“在公司”は場所を表し、ここでの“在”は進行表現ではありません。

時間詞は主語の前にも置けます。“我昨天去了银行”と“昨天我去了银行”はどちらも使えます。文頭に置くと、「昨日について話す」という時間の枠を先に提示できます。

複数の行動を順番に話す場合は、“昨天上午我开会,下午去见客户,晚上和同事一起吃饭”のように、各時間帯を先に示すと流れが明確です。すべての動詞に“了”を付けなくても、昨日の出来事だと理解されます。

会話では前の発言が時間詞の役割を果たす

質問ですでに「昨日」と示されていれば、返答で毎回“昨天”を繰り返す必要はありません。文脈も時間を伝える手段だからです。

フレーズ
学習者:你昨天做什么了? Nǐ zuótiān zuò shénme le?
相手:我去商场看电影,还和朋友吃了饭。 Wǒ qù shāngchǎng kàn diànyǐng, hái hé péngyou chī le fàn.
日本語訳
学習者:昨日は何をしましたか。
相手:商業施設へ映画を見に行き、友人とも食事をしました。
使う場面
昨日の過ごし方について話す日常会話です。返答では質問によって時間が共有されています。
注意点・誤用例
前後関係がないまま“我去北京”だけを言うと、行ったのか、これから行くのかが曖昧になる場合があります。そのときは“上个星期”や“明天”を加えます。
発音・ニュアンス
“什么”の“么”と“朋友”の“友”は会話で軽く発音されます。返答では行動を列挙するように、短く区切って読むと伝わりやすくなります。

時間の置き方が分かったら、次は“了”です。“了”を過去の印だと思い込むと、未来の文や変化を表す文で混乱します。

「了」は過去形ではなく実現・完了・変化を表す

この章の要点
  • 動詞の後ろの“了”は動作の実現や完了を示す
  • 文末の“了”は新しい状況や変化を示す

“了(le)”の中心は、単純な過去ではありません。動詞の後ろでは動作が実現したことを示し、文末では状況が変わったことを伝えます。

フレーズ
我吃了午饭。
Wǒ chī le wǔfàn.
日本語訳
私は昼食を食べました。
使う場面
昼食を取るという一まとまりの動作が実現したことを伝えます。「昼食は済んだ」と報告する場面にも使えます。
注意点・誤用例
“了”があるという理由だけで過去と判断しません。“明天我吃了饭就去公司”では、明日の予定の中で食事が完了した後を表します。
発音・ニュアンス
助詞の“了”は軽声で短く読みます。“吃了”を一続きにし、leを強く発音しすぎないのが自然です。

未来の文にも動詞後の「了」を使える

“你到了车站以后给我打电话(Nǐ dào le chēzhàn yǐhòu gěi wǒ dǎ diànhuà)”は、「駅に着いたら電話してください」という未来の指示です。“了”は、駅へ到着する動作が成立した後に次の行動へ移ることを示します。

時間を判断するときは、“了”だけを見ず、“明天・以后・下个月”なども確認します。文全体の時間と、個々の動作の完了は別の層にあります。

文末の「了」は以前との違いを伝える

フレーズ
天冷了。
Tiān lěng le.
日本語訳
寒くなりました。
使う場面
気温が下がり、先ほどまでとは違う状態になったと感じた場面です。
注意点・誤用例
“天冷”なら「天気が寒い」という状態描写です。“天冷了”は「寒くなった」という変化を含みます。
発音・ニュアンス
“冷”は第3声のlěngです。会話では完全な低い谷を作るより、低く抑えてから文末の軽いleへつなげます。

“下雨了”は雨が降り始めた変化、“我饿了”は空腹になった変化です。“我明天不去了”も未来の文で、「行く予定だったが、行かないことになった」という予定の変更を表します。

注意点

“了”を見ただけで過去と決めないでください。時間詞を確認し、動詞後の完了なのか、文末の変化なのかを文全体から判断します。

「过」は過去の経験を表す

この章の要点
  • “过”は「経験したことがある」という見方を示す
  • 経験の否定では“没・没有”を前に置き、“过”を残す

“过(guo)”は、過去のある期間にその行為を経験したことがあると伝える表現です。特定の日の出来事を報告する“了”とは、話し手が見ている角度が違います。

フレーズ
我去过中国。
Wǒ qùguo Zhōngguó.
日本語訳
私は中国へ行ったことがあります。
使う場面
旅行歴や人生経験について尋ねられた場面です。訪問した日よりも、経験の有無が中心です。
注意点・誤用例
“我去了中国”は、ある具体的な機会に中国へ行った出来事を述べます。“我去过中国”とは完全に置き換えられません。
発音・ニュアンス
助詞の“过”は通常、軽声でguoと読みます。“去过”をqùguoと一つのまとまりにして練習します。

否定は“我没去过北京”のように作ります。ここでは没+動詞+过の形になり、“过”を取り除きません。“我从来没有吃过这个菜”とすれば、「これまで一度もこの料理を食べたことがない」と強く示せます。

疑問文は“你去过上海吗?”、または“你去过上海没有?”です。旅行、料理、映画、道具の使用歴など、経験の有無を知りたい場面で応用できます。

「了」と「过」を選ぶ小さな判断法

  • 昨日の食事を報告する:我吃了北京烤鸭。
  • 北京ダックの経験を伝える:我吃过北京烤鸭。
  • その映画を昨日見た:我昨天看了那部电影。
  • その映画を見た経験がある:我看过那部电影。

「いつ、何をしたか」が中心なら“了”が候補になり、「これまでに経験したか」が中心なら“过”が候補になります。続いて、現在の習慣と今まさに進行する動作を区別しましょう。

現在の習慣と進行中の動作を区別する

この章の要点
  • 単純な動詞文は習慣・事実・予定などを表せる
  • 今まさに進行中なら“在・正・正在”を動詞の前に置く

日本語の「~している」には、日常的な習慣と、その瞬間に進んでいる行動があります。中国語では、この違いを文脈や進行表現で示します。

“我每天学中文”は「私は毎日中国語を勉強します」という習慣です。“他在银行工作”は「彼は銀行で働いています」という勤務先の説明であり、発言した瞬間に仕事をしているとは限りません。

フレーズ
他正在开会。
Tā zhèngzài kāihuì.
日本語訳
彼は今、会議中です。
使う場面
電話を受けた際に、相手が現在会議をしている最中だと伝える場面です。
注意点・誤用例
“他开会”だけでは、予定や習慣として受け取られる可能性があります。今この瞬間を明確にしたいなら“正在”が役立ちます。
発音・ニュアンス
“正在”はzhèngzàiです。“正”には「ちょうど」という強調があり、“正在”は進行中であることを明確にします。

「在」「正」「正在」の違い

“在”は動作が進行していることを示します。“我在做饭”なら「料理をしているところ」です。“正”は「ちょうどそのとき」を強調し、“他正吃饭呢”のように“呢”と組み合わせられます。

“正在”は、進行中であることを明確に示す表現です。“老师正在给学生上课”なら、先生が学生に授業をしている最中です。

これらは現在だけに限られません。“昨天晚上八点,我正在看电视”と言えば、「昨夜8時にはテレビを見ていた」となります。過去を示すのは“昨天晚上八点”、その時点での進行を示すのが“正在”です。

「在」が二つの役割を持つ文

“他在办公室工作”の“在”は、オフィスでという場所を示します。一方、“他正在办公室工作”の“正在”は進行を示し、“办公室”の前に場所を示す“在”が含まれる構造として理解できます。

“他在办公室”だけなら、「彼はオフィスにいます」です。動詞の直前か、場所の前かを確認すると、役割を判断しやすくなります。

文末の「呢」で進行する様子を示す

会話では“他看书呢”のように、文末の“呢(ne)”で進行中の様子を示せます。“他在看书呢”“他正看书呢”“他正在看书呢”も可能で、後者ほど「今まさに」という感覚が明確になります。

ただし、“呢”には話題を継続する役割もあります。“你呢?”は「あなたは?」という意味で、進行とは限りません。必ず文全体と会話の流れを見ます。

「着」は動作よりも状態の持続を描く

この章の要点
  • “動詞+着”は状態や付帯状況が続く様子を表す
  • “在+動詞”は動作中、“動詞+着”は状態の持続が中心

“着(zhe)”は、動作の結果として生じた状態や、ある姿勢・様子が保たれていることを表します。日本語では同じ「~している」でも、“正在”とは見ている対象が異なります。

フレーズ
门开着。
Mén kāizhe.
日本語訳
ドアが開いています。
使う場面
ドアを開ける動作ではなく、開いた状態が保たれていることを伝える場面です。
注意点・誤用例
人が今ドアを開けている途中なら“他在开门”です。“门开着”は開ける動きの途中を表しません。
発音・ニュアンス
助詞の“着”は軽声のzheです。“开着”をkāizheと滑らかにつなげ、zheを強く読まないようにします。
ドアを開けている動作とドアが開いた状態を左右で比較する場面
動作の途中なら“在开门”、開いた状態なら“开着”です。

服を「着ている」にも二つの場面がある

“她在穿衣服”は、服を身に着ける動作の途中です。“她穿着红色的衣服”は、赤い服を着用した状態を描写しています。

日本語だけを見て置き換えるのではなく、頭の中に場面を描きます。手を動かして着替えているなら“在”、着替えが終わり、その服装でいるなら状態を示す“着”です。

「~しながら」「~したまま」を表す

フレーズ
她听着音乐做作业。
Tā tīngzhe yīnyuè zuò zuòyè.
日本語訳
彼女は音楽を聴きながら宿題をします。
使う場面
音楽を聴く状態を保ちながら、宿題という中心動作を行う様子を伝えます。
注意点・誤用例
“動詞1+着+動詞2”では、一般に動詞2が中心です。“他笑着说”も、中心は「言う」であり、“笑着”はその様子です。
発音・ニュアンス
“听着音乐”を一つの付帯状況として読み、その後の“做作业”をややはっきり発音すると中心動作が伝わります。

場所に存在する人や物を描写する

“場所+動詞+着+人・物”の形では、その場所に何がどのような状態で存在するかを示します。“桌子上放着一本词典”は「机の上に辞書が1冊置いてあります」です。

同じ形で、“墙上挂着一张地图(壁に地図が1枚掛かっている)”“门口站着一个人(入り口に人が1人立っている)”と言えます。場所を先に示す点が日本語と異なるため、語順ごと覚えると便利です。

「着」の読み方を区別する

  • zhe:状態の持続を示す助詞。开着、坐着、等着など
  • zháo:到達や結果を表す。睡着了、睡不着など
  • zhuó:語彙の一部として使う。着陆、着装、附着など

“他睡着了”の“着”はzháoで、「寝ついた」という結果です。“门开着”の軽声zheとは読み方も働きも異なります。漢字の形だけでなく、単語単位で音を確認しましょう。

否定文は「不」と「没・没有」を使い分ける

この章の要点
  • 予定・意思・習慣の否定には“不”を使う
  • 実現しなかった動作や経験の否定には“没・没有”を使う

“不”と“没”は、日本語ではどちらも「~しない・しなかった」と訳されます。しかし、“不”は意思・予定・習慣などを否定し、“没・没有”は動作が実現しなかったことを示します。

フレーズ
我昨天没去公司。
Wǒ zuótiān méi qù gōngsī.
日本語訳
私は昨日、会社へ行きませんでした。
使う場面
昨日、会社へ行くという動作が実際には行われなかったことを報告します。
注意点・誤用例
“我昨天不去公司”は、昨日の時点で「行かないつもりだった」という意思として解釈される場合があります。起きた事実を否定するなら“没去”が基本です。
発音・ニュアンス
“没”は第2声のméiです。“没去”ではméiから第4声のqùへ、音の高低を意識します。

未来の予定なら“我明天不去公司”です。昨日の不実現なら“没去”、明日の予定否定なら“不去”と、時間と否定の種類を組み合わせて考えます。

完了を否定すると通常は「了」を外す

肯定文“我吃了早饭”を否定するなら、“我没吃早饭”です。動作が実現していないため、完了を示す動詞後の“了”は通常使いません。“我没吃了早饭”とは一般的に言いません。

進行中の否定と持続状態の否定

「彼は寝ていません」は“他没在睡觉”と言えます。対比するなら、“我没看电视,我在看书(テレビを見ているのではなく、本を読んでいます)”のように続けられます。

持続状態を否定するときは、“门没有开着”のように“着”を残せます。これは「開いた状態にはなっていない」という描写です。会話では、より簡潔な“门没开”もよく使われます。

注意点

過去の文だから常に“没”、未来の文だから常に“不”とだけ覚えるのも不十分です。“他以前不喝咖啡”のように、過去の習慣や好みを否定する場合は“不”を使えます。

疑問文と場面別会話で使い分けを定着させる

この章の要点
  • 基本的な疑問文は文末に“吗”を置いて作れる
  • 質問の目的が完了・経験・進行・状態のどれかを確認する

疑問文でも、考え方は肯定文と同じです。何を知りたいのかを先に決め、その意味に合う“了・过・正在・着”を選びます。

  • 完了:你吃饭了吗? 食事は済みましたか。
  • 経験:你去过上海吗? 上海へ行ったことがありますか。
  • 進行:他正在开会吗? 彼は会議中ですか。
  • 持続状態:门开着吗? ドアは開いていますか。
フレーズ
学習者:负责人正在开会吗? Fùzérén zhèngzài kāihuì ma?
受付:是的,他正在开会。您可以等一下。 Shì de, tā zhèngzài kāihuì. Nín kěyǐ děng yíxià.
日本語訳
学習者:担当者は会議中ですか。
受付:はい、会議中です。少しお待ちいただけます。
使う場面
訪問先や電話で、担当者が現在対応可能か確認する場面です。
注意点・誤用例
“负责人开会吗?”でも予定を尋ねる文になり得ます。現在進行中かを聞くなら“正在”を入れると意図が明確です。
発音・ニュアンス
“您”は丁寧な「あなた」でnínと読みます。仕事の場面では“你”より配慮のある響きになります。

食事の完了を確認する会話

フレーズ
学習者:你吃饭了吗? Nǐ chīfàn le ma?
相手:还没吃。我正准备去吃。 Hái méi chī. Wǒ zhèng zhǔnbèi qù chī.
日本語訳
学習者:食事は済みましたか。
相手:まだです。ちょうど食べに行く準備をしています。
使う場面
食事が完了しているか確認し、まだなら現在の予定を伝える会話です。
注意点・誤用例
否定の返答では“还没吃了”とせず、“还没吃”とします。“还没”は「まだ~していない」です。
発音・ニュアンス
疑問の“吗”は軽く添えます。“还没吃”は会話でよく使う短い返答なので、まとまりごと音読すると実用的です。

完了を尋ねる反復疑問文には“你吃饭了没有?”、経験なら“你看过这部电影没有?”があります。“吗”と“没有”を同時に機械的に重ねず、まず一つの疑問形式を選びましょう。

誤用を直すための日本語から中国語への変換手順

この章の要点
  • 日本語の語尾を直接置き換えず、場面を四段階で分析する
  • 時間、動作の段階、肯定・否定、話し手の焦点を順に確認する

日本語の「た」を見て“了”、「ている」を見て“着”と置き換えると誤りやすくなります。次の四段階で考えると、必要な表現を選びやすくなります。

  1. 昨日・今・明日など、いつの話かを決める
  2. 完了・経験・進行・状態の持続のどれを伝えるか決める
  3. 肯定か否定かを確認する
  4. 実際の場面を映像のように思い浮かべる

誤用例1:過去なら必ず「了」を付ける

“昨天我很忙”は「昨日は忙しかった」です。“忙”を過去形に変える必要はなく、“昨天”が時間を示します。“我小时候住在大阪”も、「子どもの頃」という枠によって過去だと分かります。

誤用例2:「~している」をすべて「着」にする

「テレビを見ている」は動作の進行なので、“我在看电视”です。“我着看电视”とは言いません。「ドアが開いている」は状態なので、“门开着”が合います。

誤用例3:過去の否定に「不」を使う

「昨日は会社へ行かなかった」は“我昨天没去公司”です。一方、「明日は会社へ行かない」は“我明天不去公司”です。実現しなかった事実と、これからの意思を区別します。

その場で選ぶための早見表

伝えたいこと 基本表現 短い例
具体的な動作の実現 動詞+了 我买了票。
経験 動詞+过 我去过上海。
動作の進行 在・正・正在+動詞 我正在学习。
状態の持続 動詞+着 灯亮着。
状況の変化 文末の了 下雨了。
不実現・経験の否定 没・没有 我没去过。

この表は機械的な置換表ではなく、最初の判断を助けるものです。実際には時間詞、目的語、数量、文脈によって自然な形が変わります。迷ったら、まず何を相手に知らせたいかへ戻りましょう。

音読・作文・復習で使える形にする実践メニュー

この章の要点
  • 同じ動詞を使って時間と段階だけを変える練習が効果的
  • 目で理解した後に、音読・置換・短文作成へ進む

理解した内容を会話で使うには、同じ語彙を使って形を変える練習が役立ちます。新しい単語を大量に増やすより、“吃・去・看・做”など知っている動詞で違いを作り分けます。

練習1:「去」で時間と経験を変える

  • 昨日の出来事:我昨天去了上海。
  • 訪問経験:我去过上海。
  • 明日の予定:我明天去上海。
  • 行かなかった事実:我昨天没去上海。
  • 行かない予定:我明天不去上海。

最初は中国語を見ながら読み、次に日本語だけを見て再現します。最後に“上海”を“北京・公司・医院”へ置き換えると、同じ構造を別の場面でも使えます。

練習2:「開けている」と「開いている」を演じ分ける

手でドアを開ける動作をしながら“我在开门”と言います。ドアが開いた状態を指して“门开着”と言います。体の動きと文を結び付けると、“在”と“着”の差を思い出しやすくなります。

練習3:一日の出来事を三段階で話す

フレーズ
昨天我去了医院。现在我正在家休息。明天我不去公司。
Zuótiān wǒ qù le yīyuàn. Xiànzài wǒ zhèngzài jiā xiūxi. Míngtiān wǒ bú qù gōngsī.
日本語訳
昨日は病院へ行きました。今は家で休んでいます。明日は会社へ行きません。
使う場面
過去の出来事、現在の状況、未来の予定を続けて報告する練習です。
注意点・誤用例
すべての文に“了”を付けません。それぞれの時間と伝えたい段階に合う表現を選びます。
発音・ニュアンス
“昨天・现在・明天”を文頭で明瞭に発音し、時間が切り替わることを声でも示します。

七日間の復習例

  1. 初日:時間詞と動詞が変化しない仕組みを音読する
  2. 二日目:“了”の完了と文末の変化を各三文作る
  3. 三日目:“过”で経験と未経験を各三文作る
  4. 四日目:“在・正在”で今していることを説明する
  5. 五日目:“着”で部屋にある物や人の状態を描写する
  6. 六日目:“不・没”を使って予定と不実現を対比する
  7. 七日目:昨日・現在・明日の順で一分間話す
日本人の中国語学習者が単語カードとノートで音読と週間復習を行う様子
短い例文を毎日入れ替え、時間と動作の段階を声で区別します。

自分の例文が場面に合っているか、助詞の発音が弱く自然になっているかは、一人では判断しにくい部分です。必要に応じて、作成した短文を講師との会話で試してみると、理解と実際の用法のずれを見つけやすくなります。

中国語の過去形・現在形に関するQ&A

この章の要点
  • 迷いやすい疑問を短い判断基準で再確認する
  • 助詞一つではなく、時間と場面を含む文全体を見る

最後に、学習中に生じやすい疑問を確認します。答えを読む前に、自分ならどの時間詞や表現を選ぶか考えてみてください。

中国語には本当に過去形がないのですか?

中国語の動詞には、英語のような時制による形の変化が基本的にありません。ただし、過去を表せないわけではなく、“昨天・以前”などの時間詞、文脈、“了・过”などを組み合わせて伝えます。

過去の文には必ず「了」が必要ですか?

必要ではありません。時間詞や会話の流れで過去だと分かる場合は、“了”がなくても過去を表せます。“了”は主に動作の実現・完了や状況の変化を示します。

「了」と「过」はどう見分けますか?

具体的な機会に動作が実現したことを述べるなら“了”、これまでに経験したことがあるかを述べるなら“过”が基本です。“我去了北京”は出来事、“我去过北京”は経験です。

「在」と「正在」に大きな違いはありますか?

どちらも進行中の動作を表せます。“正在”は「ちょうど進行中だ」という意味をより明確にしやすい表現です。“正”は特定の時点でちょうど行われていることを強調します。

「着」は現在進行形ではないのですか?

“着”は主に状態や付帯状況の持続を表します。“他在开门”はドアを開ける動作の途中、“门开着”はドアが開いた状態です。日本語ではどちらも「~している」になるため、場面で区別します。

過去の否定では「不」と「没」のどちらを使いますか?

一度の動作が実現しなかったことを言うなら、通常は“没・没有”を使います。習慣、意思、予定、好みの否定では“不”を使うため、過去の習慣を表す文に“不”が現れることもあります。

未来の文で「了」を使ってもよいのですか?

使えます。“明天吃了饭再走”では、明日の食事が完了してから出発する順序を示します。“我明天不去了”では、明日の予定が変わったことを文末の“了”で伝えます。

時間と動作の段階を分ければ文を組み立てやすい

この章の要点
  • 動詞を過去形・現在形へ変えるという発想から離れる
  • いつの話かを決めた後、完了・経験・進行・持続を選ぶ

中国語では、過去・現在・未来によって動詞そのものを変化させません。“昨天・今天・明天”などの時間詞や会話の流れで時間を示し、そのうえで動作の段階に合う表現を選びます。

  • “了”:動作の実現・完了、または状況の変化
  • “过”:過去の経験
  • “在・正・正在”:動作の進行
  • “着”:状態や付帯状況の持続
  • “呢”:会話で進行中の様子を示す
  • “不”:意思・予定・習慣などの否定
  • “没・没有”:実現しなかった動作や経験の否定

特に避けたいのは、“了=過去”“着=現在進行”という一対一の暗記です。“明天我吃了饭就出发”は未来であり、“门开着”は動作中ではなく開いた状態を表します。

文を作る前に、「いつの話か」「動作は完了・経験・進行・持続のどれか」「肯定か否定か」の三点を確認してください。この順番を繰り返すと、日本語の語尾に引っ張られず、場面に合った中国語を選びやすくなります。