【中国語最大の壁】「的・地・得」の使い分けに終止符!例文で学ぶ完全ガイド
中国語の学習を進める中で、誰もが一度は大きな壁にぶつかるであろう、あの忌まわしき(?)三兄弟…そう、「的」「地」「得」です。すべて発音は “de” なのに、使い方は全く違う。作文でどれを使えばいいか分からず、手が止まってしまう。会話では気にせず話しているけど、実は間違っているかもしれない…。そんな不安や悩みを抱えていませんか?
もしあなたが一つでも頷いたなら、この記事はあなたのためのものです。この記事は、単なる文法ルールの解説書ではありません。3つの”de”を、その核心的なイメージから理解し、二度と迷わないレベルまで引き上げるための完全攻略ガイドです。この記事では、以下の3ステップで、あなたの悩みに終止符を打ちます。
- ステップ1:最も多機能な「的」を、4つの用法と省略ルールまで徹底的に解剖します。
- ステップ2:次に、「地」と「得」それぞれの役割を、豊富な例文でマスターします。
- ステップ3:最後に、3つの”de”を同じ単語で比較し、クイズで実践力を試すことで、知識を完全に定着させます。
本気でこの壁を乗り越えたいなら、中国語教室でネイティブの講師から直接指導を受けることが、最も確実なブレークスルーへの道です。
目次
ステップ1:万能選手「的」を徹底攻略する
まずは、最も登場頻度が高く、用法も多彩な「的」から見ていきましょう。「的」の核心的なイメージは、後ろに来る名詞に「これは誰々のものだよ」「これはこういう性質のものだよ」という『ラベル』をペタッと貼り付ける役割だと考えてください。
用法1&2:「〜の」「〜な」で名詞を修飾する
「的」の最も基本的な用法です。所有・所属の「〜の」と、属性・描写の「〜な」という2つの意味で、後ろに来る名詞を詳しく説明します。
这是我的书。 (Zhè shì wǒ de shū.) – これは私の本です。【所有】
她是一个漂亮的人。 (Tā shì yí ge piàoliang de rén.) – 彼女はきれいな人です。【属性】

「的」は、人(私)と物(本)を繋ぎ、「私のもの」というラベルを貼る橋渡し役です。
用法3:「〜するもの/こと」便利な名詞化
動詞や形容詞、文の後ろに「的」をつけることで、そのかたまり全体を名詞のように扱うことができます。日本語の「〜の」や「〜こと」「〜もの」に似ており、非常に便利な用法です。
例:吃的(食べるもの), 红色的(赤いもの), 妈妈做的(お母さんが作ったもの)
用法4:【最難関】「是~的」構文の謎を解く
「是~的」は、すでに行われた過去の出来事について、その「いつ・どこで・誰が・どのように」といった特定の情報を強調して述べたいときに使う構文です。
「是~的」構文 Q&A
Q1. 未来のことには使えますか?
A1. いいえ、使えません。必ず過去に完了した事柄に対して使います。「的」がない`你什么时候来日本?`は未来の予定を尋ねる文になります。
Q2. 「是」は省略できますか?
A2. はい、肯定文ではよく省略されます。ただし、否定文の`不是~的`の`不`は省略できません。
Q3. `了`と一緒に使えますか?
A3. 基本的に一緒に使いません。「是~的」も「了」も完了を表すため、意味が重複して不自然になります。
ネイティブに近づく!「的」の省略ルール
便利な「的」ですが、使いすぎるとリズムが悪くなります。ネイティブは、省略できる場面では自然に省略します。
- ルール1:親密な人間関係や所属団体 → 例:我妈妈 (私の母), 我们学校 (私たちの学校)
- ルール2:単音節の形容詞+名詞 → 例:好人 (良い人), 新书 (新しい本)
- ルール3:熟語化した名詞修飾 → 例:中国朋友 (中国人の友達), 英语老师 (英語の先生)
ステップ2:動作の彩り「地」と評価の物差し「得」をマスターする
「的」のテリトリーを理解したところで、残る2つの”de”を攻略しましょう。これらは「的」よりも役割が限定的なので、ポイントを絞って覚えられます。
「地」の核心:動詞を飾る「どのように」のリボン
「地」の役割は一つだけです。それは、形容詞やフレーズを副詞に変え、「どのように」動作をするのかを説明すること。常に動詞の前に置かれ、動詞を美しく(あるいは詳しく)飾るリボンのような存在です。
【構造】 形容詞/フレーズ + 地 + 動詞
他高兴地笑了。 (Tā gāoxìng de xiào le.) – 彼は嬉しそうに笑った。
请慢慢地说。 (Qǐng mànman de shuō.) – ゆっくりと話してください。
★注意点
現代中国語の口語では、特に簡単な修飾の場合、「地」が省略されることも増えています。しかし、文章を書く際や、複雑な修飾をする際は、正しく使うのが基本です。

「地」は、動作(走る)を「どのように」行うか(嬉しそうに)を飾るリボンのようなものです。
「得」の核心:行為の「結果・レベル」を判定する物差し
「得」は、動詞や形容詞の後に置かれ、その行為の結果どうだったか、どのくらいのレベルだったかを評価・説明します。行為を客観的に判定する「物差し」のような役割です。
【構造】 動詞/形容詞 + 得 + 説明(補語)
他汉语说得很好。 (Tā Hànyǔ shuō de hěn hǎo.) – 彼は中国語を話すのがとても上手だ。
我累得走不动了。 (Wǒ lèi de zǒu bu dòng le.) – 私は疲れて歩けなくなった。
★重要ルール
目的語がある場合は`動詞+目的語+動詞+得+補語`の形になること、そして「できる/できない」を表す可能補語(`V+得/不+C`)という重要用法があることを思い出しましょう。

「得」は、動作(歌う)の結果を「とても上手」と評価する物差しです。
【最終決戦】「的・地・得」世紀の使い分け対決!
ここまでの知識を総動員して、3つの”de”の違いを決定的にしましょう。
同じ言葉で比較!文脈で変わる”de”の魔法
同じ「高兴(嬉しい)」という言葉を使っても、3つの”de”を使い分けることで意味が全く変わります。
- 高兴的人 (gāoxìng de rén)
「的」は後ろの名詞「人」にかかるラベル。→ 「嬉しい人」という意味になります。 - 高兴地说 (gāoxìng de shuō)
「地」は後ろの動詞「言う」にかかる飾り。→ 「嬉しそうに言う」という意味になります。 - 高兴得跳了起来 (gāoxìng de tiào le qǐlai)
「得」は前の形容詞「嬉しい」の程度を説明。→ 「嬉しくて飛び上がった」という意味になります。
【挑戦状】あなたはもう迷わないはず!「的・地・得」最終確認クイズ
最後の腕試しです!空欄には「的」「地」「得」のどれが入るでしょうか?
【問題】
彼の作った美味しい料理は、私を食べさせるのがあまりに速く、話すのがはっきりしなくなった。
他做( )好吃( )菜,让我吃( )太快,说话也说( )不清楚了。
正解: 他做(的)好吃(的)菜,让我吃(得)太快,说话也说(得)不清楚了。
解説: ①彼が作った(もの)→名詞化の「的」。②美味しい(という属性の)料理→属性の「的」。③食べる(という行為の)レベルが速い→様態補語の「得」。④話す(という行為の)結果がはっきりしない→様態補語の「得」。
まとめ:3つの「de」を制する者が、中国語を制する!
今回は、中国語学習最大の壁、「的・地・得」の完全攻略法について解説しました。最後に、それぞれの核心イメージをもう一度確認し、記憶に刻み込みましょう。
3つの”de”の核心イメージ
- 「的」 → 後ろの名詞にペタッと貼る「〜の」「〜な」というラベル。
- 「地」 → 後ろの動詞に「どのように」という情報を与える飾り。
- 「得」 → 前の動詞・形容詞が「どうだったか」を評価する物差し。
これらのイメージを頭に置きながら、たくさんの例文に触れ、実際に自分で文章を作ってみることが、マスターへの一番の近道です。最初は間違えても構いません。意識して使い続けることで、感覚は必ず磨かれていきます。「的・地・得」を自在に操れるようになったとき、あなたの中国語はより論理的で、より感情豊かになり、コミュニケーションはもっと楽しくなるはずです。さあ、今日からあなたの中国語に、正しい”de”を加えていきましょう!