中国での赴任や留学、ご家族の帯同が決まった際、誰もが不安に感じるのが「現地での毎日の食生活」ではないでしょうか。新しい環境での暮らしが始まると、現地の豊かな食文化を楽しむ一方で、ふとした瞬間に慣れ親しんだ和食の味が恋しくなるものです。ホッとする日本の味が手軽に再現できれば、慣れない海外生活の大きな心の支えになります。
しかし、日本からあらゆる食品を持ち込もうとすると、荷物の重量オーバーや厳しい検疫ルールに直面してしまいます。実は現在の中国、特に都市部では多くの食材や調味料が現地調達可能です。大切なのは、「現地で買えるもの」「日本から持ち込むべきもの」「法律や規定で持ち込めないもの」を正しく整理し、現地の食材を賢く活用する工夫を身につけることです。また、現地のスーパーや通販でスムーズに買い物をするための基本的な言葉を覚えておくと、日常生活がぐっと快適になります。買い物や日常会話に自信をつけたい方は、マンツーマンで実践的に学べる中国語教室を活用してみるのも心強い選択肢の一つです。
この記事では、中国赴任前に知っておきたい食生活の準備ガイドとして、現地調達しやすい食材から持参におすすめの食品、代用アイデア、買い物で使える中国語フレーズ、そして絶対に押さえておくべき持ち込み規制までを詳しく見ていきましょう。
中国で日本食材はどのくらい手に入るのか
- 大都市やネット通販(淘宝・京東など)を活用すれば、多くの日本食材が現地で入手可能。
- 輸入品は日本で購入するよりも価格が高く、味付けが現地向けに調整されている場合がある。
- お住まいの地域(都市部か地方都市か)によって食材の品ぞろえや入手環境が大きく異なる。
海外への赴任が決まった際、真っ先に「現地のスーパーで和食の材料が買えるのだろうか」と心配になるかもしれません。結論からお伝えすると、現在の中国では基本的な食材や調味料の大半を現地で調達することができます。特に北京、上海、広州、深圳、蘇州、大連といった日本人が多く居住する大都市では、日系スーパーや輸入食品店、大型会員制スーパーなどが充実しており、日本でおなじみの商品が店頭に並んでいます。
さらに、中国全域で非常に発達しているオンラインショッピングモール(淘宝/Taobaoや京東/JD.comなど)を利用すれば、実店舗が近くにない場合でも全国から日本製品や輸入食品を取り寄せることが可能です。大手メーカーが現地工場で製造している「中国現地版」の日本ブランド調味料や即席麺も多く販売されています。
ただし、現地の調達環境にはいくつか注意すべき特徴が存在します。1つ目は価格の高さです。日本からの輸入品は、輸送コストや関税の影響により、日本の店頭価格の1.5倍から3倍近い価格で販売されているケースが珍しくありません。2つ目は風味の違いです。同じメーカー・パッケージの商品であっても、現地の消費者の好みに合わせて塩分や甘み、香辛料の配合が微調整されている場合があります。そして3つ目は地域差です。大都市の中心部と地方都市や郊外では、手に入る食品のバリエーションに大きな開きがあります。
そのため、渡航前には勤務先の先輩や現地の知人に、「どのスーパーが近くにあるか」「通販の配送はスムーズか」といった実際の買い出し環境を確認しておくことをおすすめします。渡航予定地の住所が分かっている場合は、地図アプリで周辺の状況を調べておくだけでも安心感が大きく変わります。
中国で現地調達しやすい食材
- 加工度の低い生の野菜、豆腐、肉、乾物(シイタケ・昆布など)は現地で安価に購入可能。
- 醤油は「生抽」と「老抽」の特徴を理解し、和食には「日式酱油」を選ぶと失敗しにくい。
- お米は東北産の「東北大米」を選ぶことで、日本の米に近い食感を再現できる。
中国のローカルスーパーや新鮮な食材が並ぶ市場(菜市場)に足を運ぶと、加工されていない基本の食材が驚くほど豊富に手に入ります。和食のベースとなる原材料を現地で揃えることができれば、日本から重い荷物を運ぶ必要がなくなり、毎日の食費も大幅に抑えることができます。ここでは、現地で容易に入手できる代表的な食材とその選び方のコツをごお伝えします。

1. 醤油(酱油)
中国料理でも必須の調味料である醤油は、どのスーパーでも多種多様な商品が売られています。しかし、中国の一般的な醤油は用途別に大きく2つに分かれている点に注意が必要です。1つは塩味が強くサラッとした「生抽(shēngchōu)」で、炒め物やつけダレに使われます。もう1つはとろみがあり色が非常に濃い「老抽(lǎochōu)」で、角煮などの煮込み料理に着色目的で使われます。
日本の濃口醤油と同じ感覚で調理したい場合は、パッケージに「日式酱油」と記載されているものか、日系メーカーの現地生産品を選ぶのが最も確実です。生抽でも代用は可能ですが、日本の醤油よりも塩分を強く感じることがあるため、使用量を控えめにして味見をしながら調整しましょう。
2. 砂糖と塩
砂糖(白砂糖)や塩(盐)はどこでも安価で購入できます。これらは重量があるため、日本から持参するメリットはほとんどありません。中国では料理に氷砂糖(冰糖)を使う文化も盛んで、煮物などに使用するとまろやかでツヤのある上品な甘みに仕上がります。
3. 乾物類(昆布・干しシイタケ・あずき・わかめ)
出汁(だし)の基本となる乾物類は、中国の日常的な食生活でも頻繁に使われているため、非常に入手しやすい食材です。
- 干しシイタケ(干香菇): 非常にポピュラーで品質の高いものが安価で手に入ります。戻し汁は上質な精進出汁として活用できます。
- 昆布(海带): 乾燥昆布が広く流通しています。スープやあえ物用の味付け品ではなく、シンプルな乾燥品を選ぶことで和風出汁が取れます。
- あずき(红豆): 雑穀コーナーで売られており、砂糖と一緒に煮るだけで自家製のあんこやぜんざいが作れます。
- 乾燥わかめ(裙带菜): みそ汁の具材として便利な乾燥わかめも、大型スーパーや通販で簡単に購入可能です。
4. お米(大米)
中国のお米にはタイ米のような長粒米(インディカ米)から短粒米(ジャポニカ米)まで多くの種類があります。日本のコシヒカリのようなモチモチとした粘りと甘みのあるお米を食べたい場合は、中国北東部で生産されている「東北大米(dōngběi dàmǐ)」または「珍珠米(zhēnzhūmǐ)」を選ぶのがポイントです。水加減をやや多めにして炊くと、日本の食卓と変わらない美味しいご飯が炊き上がります。
5. 野菜・豆腐・肉類
白菜、キャベツ、大根、にんじん、じゃがいも、長ねぎなどの基本野菜は新鮮なものが安く買えます。豆腐(豆腐)も木綿に近い硬めのものから絹ごしのように柔らかいものまで種類が豊富です。肉類に関しては、鶏肉や豚肉が一般的ですが、精肉の切り分け方が日本と異なります。塊肉や骨付き肉が多いですが、薄切り肉が必要な場合は「火鍋用のお肉(火锅肉片)」を購入すると、豚しゃぶ、牛丼、肉じゃがなどにそのまま活用できて非常に便利です。
6. 粉類(小麦粉・でんぷん粉)
小麦粉(面粉)はグルテンの含有量によって明確に区別されています。お好み焼きや天ぷらには薄力粉に近い「低筋面粉」、うどんや餃子の皮には中力粉に近い「中筋面粉」、パン作りには強力粉に近い「高筋面粉」を選びます。片栗粉の代用としては、ジャガイモでんぷんである「土豆淀粉」を探すと、日本と同じようなとろみ付けや揚げ物の衣に使えます。
日本から持参すると便利な日本食材
- 軽くて保存が効き、少量で和食の味付けが決まる調味料や乾物が持参に最適。
- だしの素、めんつゆ、カレールーなどは成分(動物性エキス)の検疫基準に注意して選ぶ。
- 七味唐辛子、柚子こしょう、乾麺など、現地で入手しにくいこだわり品は満足度が高い。
現地調達が難しいものや、現地で買えると高額になってしまう食品は、日本から持参するのが賢明です。持参品を選ぶ際のポイントは「軽量であること」「長期間常温保存できること」「少量で料理の味が決まること」の3点です。ただし、食品に含まれる成分によっては持ち込み制限の対象となる場合があるため、原材料表示をしっかり確認することが前提となります。
| 食品カテゴリ | 持参するメリット | 選ぶ際の注意点 |
|---|---|---|
| 和風粉末だし | 軽量でみそ汁や煮物が一瞬で完成する | 畜肉エキス(牛・豚・鶏)不使用のものを選ぶ |
| 濃縮めんつゆ・白だし | これ1本でうどんつゆ、煮物、丼物が作れる | 液体のため重い。小分けポーションやプラ容器を推奨 |
| 七味・一味・柚子こしょう | 日本特有の風味が楽しめ、場所を取らない | ペースト状のものは手荷物でなく預け入れ荷物へ |
| 日本式の乾麺(そば・そうめん) | 喉越しや食感が現地麺とは異なり重宝する | スープ付属の場合はスープの原材料も確認が必要 |
| 和風乾物(ひじき・切り干し大根) | 非常に軽く、野菜不足の時の副菜作りに役立つ | 完全に乾燥・パッケージ化された市販品を選ぶ |
特に、小分けされた粉末の和風だしや、濃縮タイプのめんつゆポーションは、赴任直後の忙しい時期に重宝します。また、七味唐辛子や柚子こしょうなどの薬味類は、現地の料理やシンプルなスープに少しかけるだけで一気に和風の味わいに変えてくれるため、スーツケースの隙間に入れて持参する価値が非常に高いアイテムです。
持参を避けた方がよい食品(持ち込み規制と検疫ルール)
- 肉類(加工品・エキス含む)、乳製品、卵製品、生野菜・果物は検疫により持ち込み禁止。
- 未開封のレトルト食品や市販品であっても、原材料に肉や卵が含まれていれば没収対象。
- 自家製のお惣菜や手作り調味料は説明が難しくリスクが高いため持参を避ける。
どれほど日本から持参したくても、中国の動植物検疫および税関規則によって持ち込みが固く禁止されている食品があります。知らずに手荷物やスーツケースに入れて入国しようとすると、手荷物検査で没収されたり処分されたりするだけでなく、罰金の対象となる可能性もあります。「市販品だから」「真空パックだから」「自分で食べる分だけだから」という理由は一切通用しませんので、必ず事前にチェックしてください。
1. 肉類および肉加工品全般: 生肉、ハム、ソーセージ、サラミ、ビーフジャーキー、肉入りレトルトカレー、肉そぼろ、肉エキス入りカップ麺・スープの素
2. 乳製品全般: 牛乳、生クリーム、チーズ、バター、粉チーズ、ヨーグルト
3. 卵および卵製品: 生卵、ゆで卵、マヨネーズ、卵入り加工品
4. 生の果物・野菜・植物: みかんやリンゴなどの果物全般、生の野菜、種子、苗
5. 自家製食品: 手作りの漬物、惣菜、タレ類
特に注意が必要なのがマヨネーズや粉チーズ、コンソメ(ポーク・チキンエキス入り)です。これらは日本の家庭で頻繁に使われるため持ち込みたくなりますが、卵や乳製品、肉エキスが含まれるため検疫で引きかかる可能性が非常に高い食品です。これらは無理に日本から持ち込もうとせず、現地の日系スーパーや輸入食品店で購入するか、現地で代替できる食材を活用するのが最も安心・安全な方法です。
荷造りで失敗しないための確認事項
- 持参品は「現地購入するもの」「通販で買うもの」「持参するもの」の3つに仕分ける。
- 液体調味料は航空保安上のルールに基づき、必ず預け入れ荷物(スーツケース)へ入れる。
- 渡航直後の1〜3ヶ月分を目安にし、大量持ち込みによる賞味期限切れを防ぐ。
食品の荷造りを行う際は、やみくもにスーツケースへ詰め込むのではなく、計画的な分類を行うことが成功の鍵となります。まずは手元にある持参候補の食品を、以下の3つのグループに整理してみましょう。
- 現地の一般スーパーや市場で買うもの: 醤油、砂糖、塩、米、新鮮な野菜、豆腐、肉、魚、生姜、にんにくなど
- 現地の日系スーパーやネット通販(淘宝など)で買うもの: みそ、カレールー、マヨネーズ、日本ブランドのソース、米酢など
- 規定を確認した上で日本から持参するもの: 粉末出汁(植物性)、乾燥わかめ、七味唐辛子、柚子こしょう、特定の乾麺など
また、飛行機へ乗り込む際の荷物ルールにも十分注意してください。国際線では、100mlを超える液体物は機内持ち込みが禁止されています。めんつゆ、醤油、みりん、ペースト状調味料などは必ずスーツケースなどの預け入れ荷物に収納する必要があります。気圧の変化による漏れを防ぐため、キャップ部分をテープでしっかりと固定し、1本ずつ気密性の高いビニール袋(ジップロック等)に入れた上で、衣類などクッションとなるものの中心に配置すると安全です。
持参する量は、渡航直後の生活が落ち着くまでの「最初の1〜3ヶ月分」を目安にすると、スーツケースの重量オーバーを防ぎつつ無駄なく使い切ることができます。
中国の買い物で役立つ食材名単語帳
- 現地のスーパーや店頭で目的の食材を探すための基本中国語単語を網羅。
- ネット通販(淘宝等)での検索時には「日本」「进口」「日式」を組み合わせると効果的。
- 店頭での「〜はありますか?」という基本フレーズを覚えて買い物をスムーズに。
現地のスーパーマーケットや市場、オンライン通販で和食に使える食材を探す際、中国語での表記と読み方(ピンイン)を知っておくと探すスピードが格段に上がります。以下の対照表を保存し、買い物の際に役立ててください。
| 日本語 | 中国語(簡体字) | 読み方(ピンイン) |
|---|---|---|
| 醤油 | 酱油 | jiàngyóu |
| 日本風醤油 | 日式酱油 | rìshì jiàngyóu |
| 砂糖 | 白砂糖 | báishātáng |
| 塩 | 盐 | yán |
| 東北産のお米 | 东北大米 | dōngběi dàmǐ |
| 昆布 | 海带 | hǎidài |
| 干しシイタケ | 干香菇 | gānxiānggū |
| あずき | 红豆 | hóngdòu |
| 薄力粉(菓子・天ぷら用) | 低筋面粉 | dījīn miànfěn |
| ジャガイモでんぷん(片栗粉代用) | 土豆淀粉 | tǔdòu diànfěn |
| 火鍋用薄切り肉 | 火锅肉片 | huǒguō ròupiàn |
| 輸入食品 | 进口食品 | jìnkǒu shípǐn |
店頭で商品が見当たらないときは、店員さんに「请问,有○○吗?(qǐngwèn, yǒu ○○ ma? / すみません、○○はありますか?)」と尋ねてみましょう。スマートフォンの画面で欲しい食材の中国語を見せるだけでもスムーズに案内してもらえます。
現地食材で日本の味を作る実践アイデア
- 昆布と干しシイタケを水に浸けておく「水出し精進だし」で優しい和食の味を再現。
- 火鍋用の薄切り肉(豚・牛)を活用して、肉じゃがや牛丼などの定番おかずを作る。
- みりんがない場合は、砂糖+中国の料理酒(料酒)を少量ずつ合わせて代用する。
日本から特別な調味料を大量に持ち込まなくても、現地の基本食材を組み合わせるだけで、十分に美味しい和風料理を作ることができます。ここでは、赴任者が現地で日常的に実践している簡単な代用アイデアをごお伝えします。

- アイデア1:自家製「昆布とシイタケの水出し精進だし」
- ピッチャーや麦茶ポットに水1リットルを注ぎ、乾燥昆布10gと干しシイタケ2〜3個を入れて冷蔵庫で一晩(6〜8時間)置くだけ。
- 使い方とコツ
- みそ汁、煮物、炊き込みご飯のベースとして使用します。かつお節がなくても上品で深い旨味が広がります。戻したシイタケは具材として煮物やスープに活用できます。
- アイデア2:みりんを使わない「照り焼き風甘辛タレ」
- 現地調達した醤油(日式酱油)、白砂糖(または氷砂糖)、少量の中国の料理酒(料酒)を「2 : 1 : 1」の割合で混ぜ合わせます。
- 使い方とコツ
- 鶏肉の照り焼き、ブリやサバの煮付け、豚の生姜焼きに使えます。中国の料酒は香りが独特な場合があるため、最初は少なめに入れ、砂糖で甘みとツヤを補うのがコツです。
買い物をスムーズにする中国語会話トレーニング
- スーパーや市場での実用的な会話パターンを学習し、現地買い出しの不安を解消。
- 目的の品物の有無、売り場の場所、賞味期限の確認など、実際のやり取りを網羅。
- 直訳だけでなく、実際の接客でよく使われる言い回しやニュアンスを理解する。
店頭で探している食材が見つからない場合や、量り売りの売り場で注文する際、簡単な中国語フレーズが話せると買い物が一気に楽しくスムーズになります。実際の店舗で起こり得る会話形式で練習してみましょう。
- 場面1:日本風の醤油を探しているとき
-
買い物客:请问,日式酱油在哪个柜台?(qǐngwèn, rìshì jiàngyóu zài nǎge guìtái? / すみません、日本風の醤油はどのコーナーにありますか?)
店員:在进口食品区,第三排货架。(zài jìnkǒu shípǐnqū, dì-sān pái huòjià. / 輸入食品エリアの、3番目の棚にありますよ。) - 発音・ニュアンスのポイント
- 「请问(qǐngwèn)」は人に尋ねる際の丁寧な「すみません」です。頭につけるだけで一気に印象が良くなります。「柜台(guìtái)」はコーナーや売り場を指します。
- 場面2:火鍋用の薄切り肉を一定量買いたいとき
-
買い物客:你好,我要一斤猪肉片。(nǐhǎo, wǒ yào yìjīn zhūròupiàn. / こんにちは、豚肉の薄切りを1斤(500g)ください。)
店員:好的,请稍等。(hǎode, qǐng shāoděng. / かしこまりました、少々お待ちください。) - 発音・ニュアンスのポイント
- 中国の市量単位「斤(jīn)」は500グラムを意味します(kg指定の場合は「公斤/gōngjīn」)。お肉や野菜の量り売りで頻繁に使う単位なので覚えておくと便利です。
居住地域別の食材準備・買い物方針
- 上海・北京などの大都市滞在者は持参品を最小限にし、現地購入を中心に組み立てる。
- 地方都市や日本人居住者の少ない地域へ行く方は、通販が整うまでの乾物をやや多めに準備。
- 滞在期間(短期留学か長期帯同か)に応じて購入ボリュームと持参計画を最適化する。
中国での食材準備は、赴任先の「地域」と「生活形態」によって最適なバランスが変わります。ご自身の滞在スタイルに合わせて準備計画を立ててみましょう。
1. 上海・北京・広州などの大都市圏
日系スーパー(APITA、高島屋、イオンなど)や輸入食品店が充実しているため、ほぼ全ての日本食材が買えます。重い液体調味料や大容量の米などを日本から運ぶ必要性は低く、持参品は「お気に入りの薬味」や「使い慣れた小袋だし」程度に留め、現地での購入をメインにするのが賢明です。
2. 地方都市・日本人の少ない地域
ローカル食材は豊富ですが、日系店舗がない場合があります。現地に到着してからスマホでのネット通販(淘宝)のアカウントを開設し、操作に慣れるまでに1〜2週間かかることがあるため、その期間をしのげる日持ちする乾麺や乾物、粉末調味料をやや多めに持参すると心強いでしょう。
3. 家族帯同での長期滞在
お子様の好き嫌いやアレルギー対応など、家庭ごとのニーズが多様になります。現地で購入できる代替品(現地産のマヨネーズやケチャップ、お肉の切り分け方など)を少しずつ試しながら、家庭ごとの新しい定番料理パターンを築いていく姿勢が、ストレスなく長引く海外生活を乗り切るコツです。
中国への食品持ち込みで必ず確認したいこと
- 他人の体験談だけでなく、必ず最新の公的機関(大使館・税関)情報を事前に確認する。
- 判断に迷う成分が含まれる食品は、現地でのトラブルを防ぐため持参を控える。
- 航空会社の預け入れ荷物上限重量と液体物持ち込みルールをダブルチェックする。
国境を越える際の食品持ち込みルールは、情勢や衛生管理の観点から変更されることがあります。「知人が以前持ち込めたから大丈夫」という個人的な体験談だけを頼りにするのは非常に危険です。渡航前には必ず以下の手順で確認を行ってください。

- 持参したいパッケージ食品の「原材料表示」を隅々まで確認する
- 在中国日本国大使館のWebサイトや、中国税関の最新案内を確認する
- 利用する航空会社の手荷物重量・液体物規定を確認する
- グレーゾーン(持ち込めるか判断がつかないもの)は荷物から外す
安全でスムーズな入国を最優先にし、現地で買えるものは現地で揃えるという柔軟な姿勢を持つことが、海外生活のスタートを成功させる秘訣です。
よくある質問(Q&A)
Q1. 中国のスーパーで売られている「生抽」と「老抽」の違いは何ですか?
「生抽」は色が比較的薄く塩味がしっかりした醤油で、炒め物やタレに使われます。「老抽」はカラメルが入っており、とろみと濃い色をつける煮込み料理用(角煮など)の醤油です。和食の濃口醤油に近い使い方をしたい場合は「日式酱油」を選ぶのがおすすめです。
Q2. 日本からカレールーやカップ麺を持ち込んでも大丈夫ですか?
原材料に「牛肉・豚肉・鶏肉のエキス」や「動物性油脂」が含まれている場合、中国の検疫規則により持ち込みが禁止されています。市販の一般的なカレールーや肉入りカップ麺にはこれらが含まれることが多いため、現地の日系スーパーや通販で購入するのが安全です。
Q3. 日本のお米に近い食感のものを中国で買うにはどうすればいいですか?
中国北東部で生産されている「東北大米(dōngběi dàmǐ)」や「珍珠米(zhēnzhūmǐ)」を選ぶのがポイントです。日本のジャポニカ米と同系統の品種で、甘みとモチモチ感があり、和食によく合います。
Q4. マヨネーズや粉チーズは日本から持って行けますか?
マヨネーズ(卵製品)や粉チーズ(乳製品)は、動物由来製品の輸入制限に該当するため、手荷物や預け入れ荷物での持ち込みは避けるのが無難です。中国国内のスーパーや輸入食品店、通販で現地生産品または輸入許可品を購入することができます。
Q5. 現地での買い物や生活に必要な中国語は独学でマスターできますか?
単語の暗記や基本的な挨拶は独学でも進められます。ただし、中国語は発音(声調)が非常に重要なため、通じない・聞き取れないという壁に直面することもあります。自分では気づきにくい発音の癖を修正したい場合や、買い出しの実践会話を効率よく身につけたい場合は、プロの講師によるオンラインマンツーマンレッスンなども選択肢の一つとして検討すると良いでしょう。
中国での生活がスタートすると、スーパーや市場での買い物、レストランでの注文など、日常のあらゆる場面で中国語を使う機会が訪れます。独学で基礎を学びつつ、実践的な通じる会話力を早く身につけたい方は、一人ひとりのレベルや赴任目的に合わせて学べるスクールを活用してみるのもおすすめです。自分のライフスタイルや学習スピードに合った方法を選び、無理なく準備を進めていきましょう。
記事のまとめと次に行うこと
中国赴任時の食生活を豊かで快適なものにする秘訣は、「日本のものをすべて運ぶ」ことではなく、「現地で買えるものを正しく把握し、持参品は本当に必要な軽量・高品質なものに絞る」ことです。
醤油、塩、砂糖、米、野菜、豆腐、昆布、シイタケといった基本の食材は、中国のローカルスーパーや通販で十分かつ安価に揃えられます。一方で、持ち込み禁止となる肉製品、乳製品、卵製品のルールをしっかりと遵守し、没収などのリスクを避けましょう。
まずは渡航前の準備として、持参したい食品の「原材料表示」をチェックすることから始めてみてください。そして、現地の買い物で使える簡単な中国語単語を少しずつ覚えて、前向きで楽しい海外生活の一歩を踏み出しましょう。
