中国語の「都」と「也」は、短くて覚えやすそうに見える一方、文を作ろうとすると迷いやすい副詞です。「私も」と言いたいのに、どこへ「也」を置けばよいのか分からない。「全員行かない」と「全員が行くわけではない」の違いを、中国語でどう表すのか不安になる。そんな悩みを持つ学習者は少なくありません。
最初に押さえたい判断基準はシンプルです。同じ内容を追加するなら「也」、複数の人・物・回数などを漏れなくまとめるなら「都」を選びます。両方を使って「~もみな」と表すときは「也都」の順です。
この記事では、基本語順から「都不」と「不都」の違い、疑問詞、全面否定、「连~都/也」「不管~都」「即使~也」まで、実際に口から出せる形で確認します。独学で整理しにくい部分を対面で確認したい場合は、中国語教室で自分の例文を添削してもらう方法もあります。
大切なのは、日本語訳だけを暗記しないことです。「何を追加しているか」「どの範囲をまとめているか」「否定語がどこにあるか」を順番に見れば、長い文でも判断しやすくなります。まずは二つの副詞の中心的な役割から見ていきましょう。
「也」と「都」の違いを一目でつかむ
- 「也」は、前に出た内容と同じものを追加する副詞
- 「都」は、複数の対象や反復される回をまとめる副詞
- どちらも原則として動詞・形容詞・助動詞などの述語より前に置く
「也」の中心は「同じことをもう一つ加える」という働きです。誰かが行くと分かった後で「私も行く」と加える、相手が好きだと言った後で「私も好き」と応じる、といった場面で使います。日本語では多くの場合「~も」「~もまた」と訳せます。
一方、「都」の中心はある範囲をひとまとめにすることです。「彼ら全員」「これらの料理すべて」「毎回」のように、複数の構成員や、一つ一つの回を漏れなく扱います。
| 副詞 | ピンイン | 中心的な意味 | 基本形 |
|---|---|---|---|
| 也 | yě | ~も、~もまた | 主語+也+述語 |
| 都 | dōu | みな、すべて、いつも | 範囲を示す語+都+述語 |
| 也都 | yě dōu | ~もみな、~もすべて | 主語+也+都+述語 |
- フレーズ
- 他是学生,我也是学生。
Tā shì xuésheng, wǒ yě shì xuésheng. - 日本語訳
- 彼は学生で、私も学生です。
- 使う場面
- 先に出た「彼は学生だ」という情報へ、自分も同じだと付け加える場面です。
- 注意点・誤用例
- 「× 我是也学生」のように「也」を「是」の後ろへ置きません。「也」は述語を作る「是」の前です。
- 発音・ニュアンス
- 「也」は第三声の yě です。単独練習では低く抑えてから上げますが、会話では後続音の影響を受け、上昇部分が弱くなることもあります。
- フレーズ
- 他们都是学生。
Tāmen dōu shì xuésheng. - 日本語訳
- 彼らはみな学生です。
- 使う場面
- 複数の人からなる「他们」について、全員が学生だと述べる場面です。
- 注意点・誤用例
- 「都是」を分離できない一語だと考える必要はありません。構造は「他们+都+是+学生」で、「都」が「他们」全体を受けています。
- 発音・ニュアンス
- 「都」は第一声の dōu です。高く平らに保ち、「豆」の dòu のように下降させないよう意識します。
二つの役割を比べると、「也」は横に仲間を加え、「都」はその仲間を上から囲むような感覚だと分かります。では、この二つを文のどこへ置けば自然になるのでしょうか。

基本語順は「述語の前」と覚える
- 「也」と「都」は原則として述語の前に置く
- 時間表現は通常、「也」「都」より前に置く
- 介詞句や助動詞がある場合は、そのまとまりの前に置く
語順で迷ったら、まず文の中心となる動詞・形容詞・助動詞を探してください。その直前付近が「也」と「都」の基本位置です。日本語の「も」が名詞の後ろに付くからといって、中国語でも目的語の後ろへ置くわけではありません。
基本の型は「主語+也/都+述語」です。たとえば「私も行きます」は「我也去」、「彼らは全員行きます」は「他们都去」となります。日本語の助詞の位置を写さないことが、最初の重要点です。
時間を表す語がある場合
「今日」「明日」「毎日」「今回」のような時間表現は、一般に副詞「也」「都」より前に置きます。「彼は明日も来ます」なら「他明天也来」です。「他也明天来」は、通常の文脈では不自然になりやすい並びです。
- フレーズ
- 她昨天来了,今天也来。
Tā zuótiān lái le, jīntiān yě lái. - 日本語訳
- 彼女は昨日来て、今日も来ます。
- 使う場面
- 昨日に続き、今日も同じ行為が行われると伝える場面です。追加されているのは「今日」という時間です。
- 注意点・誤用例
- 「× 今天来她也」のように日本語順で並べません。「今天+也+来」というまとまりを作ります。
- 発音・ニュアンス
- 「今天也来」を一息で読み、jīntiān の後でわずかに意味のまとまりを意識すると、語順を定着させやすくなります。
場所・介詞句・助動詞がある場合
「北京で働く」は「在北京工作」、「友達と行く」は「跟朋友一起去」です。「也」はこうした介詞句の前に置き、「我也在北京工作」「她也跟朋友一起去」とできます。能力を示す「会」、可能を示す「能」、希望を示す「想」などがある場合も、その前に置くのが基本です。
- 我也会说中文。Wǒ yě huì shuō Zhōngwén./私も中国語を話せます。
- 我们都能参加。Wǒmen dōu néng cānjiā./私たちは全員参加できます。
- 他也想去北京。Tā yě xiǎng qù Běijīng./彼も北京へ行きたがっています。
- 这些菜我都想尝尝。Zhèxiē cài wǒ dōu xiǎng chángchang./これらの料理を私は全部味見してみたいです。
「也」が何を追加するかは、前後の文脈によって変わることがあります。「我也想吃拉面」は、通常「私もラーメンを食べたい」と受け取れますが、前に別の料理を挙げていれば「私はラーメンも食べたい」という解釈も可能です。
目的語の追加を明確にしたいなら、「我想吃饺子,也想吃拉面。Wǒ xiǎng chī jiǎozi, yě xiǎng chī lāmiàn.」のように述語を繰り返します。日本語訳だけではなく、直前に何と何を比べているかを確認することが大切です。
「也」と「都」を一緒に使うなら「也都」
- 「~もみな」は「也都」の順に置く
- 「也」が追加し、その後の「都」が追加された範囲をまとめる
- 基本練習では「都也」と入れ替えない
「別の集団も、その全員が参加する」と言いたいときは「也都」を使います。先に「也」で別の集団を話題へ加え、その後の「都」で集団全体をまとめるため、追加してから全体化するという順序になります。
- フレーズ
- 我们都参加,他们也都参加。
Wǒmen dōu cānjiā, tāmen yě dōu cānjiā. - 日本語訳
- 私たちは全員参加し、彼らも全員参加します。
- 使う場面
- 自分たちの参加に加え、別のグループも一人残らず参加すると伝える場面です。
- 注意点・誤用例
- 「× 他们都也参加」ではなく「他们也都参加」とします。「也=彼らも」「都=彼ら全員」と分けて考えます。
- 発音・ニュアンス
- yě dōu を切り離しすぎず、一まとまりで音読します。「也」で追加、「都」で全員という意味の流れを意識してください。
「这些问题我也都明白了。Zhèxiē wèntí wǒ yě dōu míngbai le.」なら、「これらの問題は、私もすべて分かりました」という意味です。「也」は別の理解者に自分を加え、「都」は文頭の「这些问题」をすべて含めています。
ここまでの語順は、肯定文なら比較的整理しやすい部分です。次に、多くの学習者が意味を取り違えやすい否定文を確認しましょう。
「都不」と「不都」は否定する範囲が違う
- 「都不」は対象を一つずつ否定する全体否定
- 「不都」は「全部がそうとは限らない」という部分否定
- 順番を入れ替えると、参加者や数量について異なる事実を伝えることになる
「都不」と「不都」は、使われている字が同じでも意味が異なります。「都不」は「全員が~しない」「どれも~ではない」という全体否定です。「不都」は「全員が~するわけではない」「全部が~とは限らない」という部分否定です。
比べるときは、否定語「不」がどこまでを否定しているかに注目します。「都不去」では「行く」という動作が全員について否定されます。「不都去」では「全員行く」というまとまりが否定されるため、行く人が一部いる可能性が残ります。
| 語順 | 意味 | 残る可能性 |
|---|---|---|
| 他们都不去 | 彼らは全員行かない | 行く人はいない |
| 他们不都去 | 彼ら全員が行くわけではない | 一部の人は行く可能性がある |
「我们都不参加」は全員不参加ですが、「我们不都参加」は一部が参加しないという意味です。出欠や人数を伝える場面では、語順の違いが実際の予定に影響するため、発話前に確認しましょう。
- フレーズ
- 这些菜都不好吃。/这些菜不都好吃。
Zhèxiē cài dōu bù hǎochī./Zhèxiē cài bù dōu hǎochī. - 日本語訳
- これらの料理はどれもおいしくありません。/これらの料理が全部おいしいわけではありません。
- 使う場面
- 複数の料理を評価するとき、全品を否定するのか、一部だけを否定するのかを区別します。
- 注意点・誤用例
- 一部だけ好みに合わないなら「都不好吃」と言い切らないようにします。「不都好吃」なら、おいしい料理が含まれる余地があります。
- 発音・ニュアンス
- 対比練習では「dōu bù」と「bù dōu」を交互に読みます。「都」または「不」をやや意識して読むと、否定範囲の違いを体感できます。
「都没」と「没都」も同じ考え方
過去の出来事では「没」が使われます。「学生都没来。Xuésheng dōu méi lái.」は「学生は一人も来なかった」です。「学生没都来。Xuésheng méi dōu lái.」は「学生が全員来たわけではない」で、来た学生もいる可能性があります。
なお、「也」を使った否定の基本形は「也不」または「也没」です。「我也不想买」は「私も買いたくない」、「我也没看过」は「私も見たことがない」です。通常は「也」を否定語の前へ置きます。
否定文の語順が分かったら、次は「一人もいない」「少しも寒くない」のように、ゼロを強く示す表現へ進みましょう。
「一つもない」「少しもない」を表す全面否定
- 「一+量詞+也/都+否定」で最小単位さえないことを示す
- 「一点儿也/都+否定」で量や程度を全面的に否定する
- この構文では「也」と「都」のどちらも使える場合が多い
「一人もいない」「一度も行っていない」のように、数量がゼロであることを強調する場合は「一+量詞+名詞+也/都+不/没+述語」を使います。最小単位として「一人」「一回」「一冊」を示し、それさえ該当しないと否定する構造です。
- フレーズ
- 办公室一个人也没有。
Bàngōngshì yí ge rén yě méiyǒu. - 日本語訳
- オフィスには一人もいません。
- 使う場面
- 人がゼロであることを、単なる「没有人」より明確に強調したい場面です。「一个人都没有」も使えます。
- 注意点・誤用例
- 「一个人」は「一人の人」という肯定的な数量ではなく、この構文では否定される最小単位です。後ろに必ず否定表現を伴います。
- 発音・ニュアンス
- 「一个」の「一」は、後ろが軽声の「个」を伴うまとまりでは yí ge と発音されます。文全体では「一个人」を軽くまとめ、「也没有」でゼロを示します。
- 我一次也没去过。Wǒ yí cì yě méi qùguo./私は一度も行ったことがありません。
- 他一本书都没带。Tā yì běn shū dōu méi dài./彼は本を一冊も持ってきませんでした。
- 我一个苹果也没买。Wǒ yí ge píngguǒ yě méi mǎi./私はリンゴを一つも買いませんでした。
- 今天一辆出租车都没有。Jīntiān yí liàng chūzūchē dōu méiyǒu./今日はタクシーが一台もありません。
「一点儿也不」と「有一点儿」を混同しない
「一点儿也不累」は「少しも疲れていない」という全面否定です。反対に「有一点儿累」は「少し疲れている」と、疲労がわずかに存在することを示します。形が似ていますが、意味は反対方向です。
- フレーズ
- 这道菜一点儿都不辣。
Zhè dào cài yìdiǎnr dōu bú là. - 日本語訳
- この料理はまったく辛くありません。
- 使う場面
- 料理の辛さがゼロに近いと強く伝える場面です。「一点儿也不辣」も同様に使えます。
- 注意点・誤用例
- 「有一点儿辣」は「少し辛い」です。「一点儿都不辣」と取り違えると、相手へ伝わる味の評価が逆になります。
- 発音・ニュアンス
- 「不」は第四声の「辣」の前で第二声に変わり、bú là と発音します。「一点儿都不」を滑らかにつなげると自然です。
全面否定では「也」と「都」が近い意味になるため、選択に迷うことがあります。ただし、中心的な感覚は残ります。「也」は最小の対象さえ同様に該当しないという追加、「都」は想定範囲を余さず否定する感覚を持ちます。実際の強調度は文脈や声の調子にも左右されます。
疑問詞と組み合わせると「誰も・誰でも」に変わる
- 疑問詞+也/都+否定は「誰も・何も・どこにも」
- 疑問詞+都+肯定は「誰でも・何でも・どこでも」
- 疑問文の「都」は、複数の該当項目を求めることがある
「谁」「什么」「哪儿」「怎么」は、いつも質問を作るとは限りません。「也」や「都」と述語の肯定・否定を組み合わせると、不特定の範囲を例外なく含める表現になります。疑問符の有無だけでなく、後ろの述語まで見ることが必要です。
否定文なら「谁也不知道」は「誰も知らない」、「什么都不想吃」は「何も食べたくない」です。肯定文なら「谁都可以参加」は「誰でも参加できる」、「什么都喜欢」は「何でも好きだ」となります。
- フレーズ
- 今天我哪儿也不去。
Jīntiān wǒ nǎr yě bú qù. - 日本語訳
- 今日はどこにも行きません。
- 使う場面
- 外出先を質問しているのではなく、考えられる行き先をすべて否定して、自宅などにとどまる意思を伝える場面です。
- 注意点・誤用例
- 「哪儿」があるからといって疑問文だと判断しません。「也不去」が続くため、「どこにも行かない」という全面否定です。
- 発音・ニュアンス
- 「哪儿」は nǎr と一音節に近く発音します。「也不去」は yě bú qù となり、「不」は第四声の「去」の前で第二声になります。
選択場面で便利な「都可以」
複数の選択肢を示されたときの「都可以」は、「どれでも大丈夫」「どちらでも構わない」という便利な返答です。何が「都」の範囲に含まれるかは、直前に示された選択肢から判断されます。
- フレーズ
- 店員:您想喝咖啡还是茶?
Nín xiǎng hē kāfēi háishi chá?
学習者:都可以。
Dōu kěyǐ. - 日本語訳
- 店員:コーヒーとお茶のどちらを飲みたいですか。
学習者:どちらでも大丈夫です。 - 使う場面
- 提示された選択肢のどれを選んでも問題がないと伝える場面です。
- 注意点・誤用例
- 希望があるなら、曖昧に「都可以」と返さず、「我想喝茶」のように伝えます。「都可以」は候補をすべて受け入れる返答です。
- 発音・ニュアンス
- dōu kěyǐ の「可以」は第三声が続き、実際の発音では最初の kě が第二声に近く変化します。穏やかな語調なら柔らかな返答になります。

疑問文に入る「都」は複数回答を促す
「你都去过哪些城市?Nǐ dōu qùguo nǎxiē chéngshì?」は、行った都市を一つだけでなく、該当する範囲について挙げてほしい質問です。「昨天都有谁来了?Zuótiān dōu yǒu shéi lái le?」なら、「昨日は誰と誰が来たのか」という意味合いになります。
つまり、疑問詞を見つけたら、すぐに「質問」と決めないことが重要です。肯定か否定か、文末に疑問の語気があるか、「都」がどの範囲をまとめているかを順番に見ます。
「连~都/也」と条件表現を使い分ける
- 「连~都/也」は意外な対象を取り上げて「~さえ」と強調する
- 「不管/无论~都」は条件の範囲を漏れなく含める
- 「即使~也」は厳しい条件を認めても結果が変わらないことを示す
「连+対象+都/也+述語」は、普通なら範囲に入らないと思われる極端な対象を取り上げ、「~さえも」と強調する構文です。「连小孩子都知道」は「子どもでさえ知っている」となります。
- フレーズ
- 他连看都没看。
Tā lián kàn dōu méi kàn. - 日本語訳
- 彼は見ようとさえしませんでした。
- 使う場面
- 最低限期待される「見る」という動作すら行われなかったことを強調する場面です。
- 注意点・誤用例
- 動作を取り立てる場合は「连+動詞+都/也+否定+同じ動詞」の形になります。「连看都没看」のように「看」を繰り返します。
- 発音・ニュアンス
- 「连看」を少し意識して読むと、「見ることさえ」という取り立てが伝わります。不満や驚きを含みやすい表現です。
「你连这个都不会?」は「こんなことさえできないのですか」という非難や見下しに聞こえる可能性があります。文法的に作れる文でも、相手との関係や声の調子に配慮してください。
「不管/无论~都」は条件を全部まとめる
「不管」「无论」「不论」は、条件がどうであっても後半の結果が変わらないことを表します。基本形は「不管/无论/不论+条件、主語+都+述語」です。「都」が考えられる条件を例外なくまとめます。
- フレーズ
- 不管天气好不好,我们明天都去。
Bùguǎn tiānqì hǎo bu hǎo, wǒmen míngtiān dōu qù. - 日本語訳
- 天気が良くても悪くても、私たちは明日行きます。
- 使う場面
- 天候について考えられる複数の状態にかかわらず、行く予定が変わらないと伝える場面です。
- 注意点・誤用例
- 学習段階では「不管~都」を基本の組み合わせとして覚えると安定します。「都」は後半の述語より前に置きます。
- 発音・ニュアンス
- 前半の条件の後で軽く区切り、「我们明天都去」を一まとまりで読みます。条件に左右されない意志が伝わります。
「即使~也」は「たとえ~でも」
「即使明天下雨,我们也要去。Jíshǐ míngtiān xiàyǔ, wǒmen yě yào qù.」は「たとえ明日雨が降っても、私たちは行きます」です。雨という不利な仮定を認め、その条件でもなお結果が変わらないという譲歩を「也」が支えています。
「不管~都」は複数の可能性を全部含める感覚、「即使~也」は仮定した条件を認めてもなお、という感覚が中心です。「都のほうが必ず強い」と機械的に決めず、範囲をまとめるのか、譲歩を示すのかで選びます。
会話で見かける「都」と「也」の広がった用法
- 「都~了」は予想した段階をすでに越えた感覚を表す
- 「再也不/没」は「もう二度と~ない」という定型表現
- 「比谁都」「比什么都」は最上級に近い比較を作る
「都~了」で「もう~だ」
会話の「都」は「すべて」と訳せない場合があります。「都十二点了。Dōu shí’èr diǎn le.」は「もう十二時です」、「天都黑了。Tiān dōu hēi le.」は「もう暗くなりました」です。話し手が想定していた段階をすでに越えたという驚きや焦りが含まれます。
- フレーズ
- 天都黑了,我们回去吧。
Tiān dōu hēi le, wǒmen huíqù ba. - 日本語訳
- もう暗くなったので、帰りましょう。
- 使う場面
- 時間の経過や状態変化が、帰宅など次の行動を促す段階に達した場面です。
- 注意点・誤用例
- この「都」を「空が全部暗い」とだけ捉えると、会話上の焦りが見えません。「もう暗い」という段階到達の感覚を読み取ります。
- 発音・ニュアンス
- 「都」をやや強く読むと、「もうこんな状態だ」という驚きや促しが表れます。強く言いすぎると焦りや不満が増します。
「都是~」で原因や責任を集約する
「都是我的错。Dōu shì wǒ de cuò.」は「すべて私の責任です」です。「都是因为下雨,比赛才取消了」は、試合中止の原因を雨へ集約しています。「都」の全体化する働きが、原因や責任にも広がった形です。
「都是你,害得我迟到了」は「全部あなたのせいで遅刻した」という強い責め方です。身近な相手にも対立を招く可能性があるため、単なる原因説明として安易に使わないようにします。
「再也不/再也没」で「もう二度と~ない」
「再也不+動詞」は、今後その行為を二度としないという強い意思を示します。「我再也不喝酒了。Wǒ zài yě bù hē jiǔ le.」なら「私はもう二度と酒を飲みません」です。
過去から現在まで一度も起きていない場合は「再也没」を使えます。「从那以后,我再也没见过他。Cóng nà yǐhòu, wǒ zài yě méi jiànguo tā.」は「それ以来、私は彼に二度と会っていません」です。
「比谁都」「比什么都」で強い比較を作る
「他比谁都努力。Tā bǐ shéi dōu nǔlì.」は「彼は誰よりも努力している」、「健康比什么都重要。Jiànkāng bǐ shénme dōu zhòngyào.」は「健康は何よりも大切だ」です。「誰と比べても」「何と比べても」という範囲を「都」がまとめ、最上級に近い意味を作ります。
間違いやすい語順を短時間で修正する
- 誤文を見たら、述語と「都」が受ける範囲を先に探す
- 「日本語の語順を写した誤り」と「否定範囲の誤り」を分ける
- 正しい文を声に出し、意味の違いと一緒に覚える
誤り1:「也」を目的語の後ろへ置く
「× 我喜欢拉面也」は、日本語の「ラーメンも」の位置をそのまま写した形です。「私もラーメンが好き」なら「我也喜欢拉面。Wǒ yě xǐhuan lāmiàn.」とします。
ギョーザに加えてラーメンも好きだと明示するなら、「我喜欢饺子,也喜欢拉面。Wǒ xǐhuan jiǎozi, yě xǐhuan lāmiàn.」と述語を並べます。何を追加する「也」なのかが明確になります。
誤り2:「也都」を「都也」にする
「× 他们都也来了」ではなく、「○ 他们也都来了。Tāmen yě dōu lái le.」です。「彼らも」と追加してから、「彼ら全員」とまとめる意味の順番を思い出してください。
誤り3:単数主語では「都」を使えないと思う
「都」がまとめるのは、必ずしも主語の人数ではありません。「我每天都学习中文」は、主語は一人でも、「每天」に含まれる一日一日をまとめています。「这些问题我都懂」では、文頭の複数の問題が「都」の範囲です。
誤り4:疑問詞をすべて質問と考える
「谁都知道」は「誰でも知っている」、「谁都不知道」は「誰も知らない」です。質問ではありません。疑問詞の後ろにある「都」と、述語が肯定か否定かを確認します。
誤り5:「也不」と「也没」を区別しない
習慣・性質・意思・これからの行為なら「也不」が基本です。「我也不想买」は「私も買いたくない」です。過去の行為が起きなかったことや経験の不成立なら「也没」を使い、「我也没看过」は「私も見たことがない」となります。
誤りを見つけるときは、①述語は何か、②追加なら「也」か、範囲なら「都」か、③否定語は何を否定するか、の三段階で確認します。この順番なら、長い文でも一度にすべてを判断する必要がありません。
場面別会話で「也」と「都」を口から出す
- 「也」は相手への共感や同意に使いやすい
- 「都」は参加者・候補・経験をまとめる会話で役立つ
- 短い返答から練習し、少しずつ理由や条件を加える
自分も同じだと伝える
- フレーズ
- 学習者A:我喜欢看中国电影。
Wǒ xǐhuan kàn Zhōngguó diànyǐng.
学習者B:我也喜欢。你喜欢哪一部?
Wǒ yě xǐhuan. Nǐ xǐhuan nǎ yí bù? - 日本語訳
- 学習者A:中国映画を見るのが好きです。
学習者B:私も好きです。どの作品が好きですか。 - 使う場面
- 相手と同じ好みを持つと伝え、そこから会話を広げる場面です。
- 注意点・誤用例
- 返答を「我喜欢也」にしません。短く返す場合でも「我也喜欢」と、述語の前に置きます。
- 発音・ニュアンス
- 「我也喜欢」を明るい調子で言うと、共感が伝わりやすくなります。短い文なので、声調を一音ずつ切らず自然につなげます。
別のグループも全員参加すると伝える
- フレーズ
- 担当者:你们部门的人都参加吗?
Nǐmen bùmén de rén dōu cānjiā ma?
学習者:对,我们都参加。他们也都参加。
Duì, wǒmen dōu cānjiā. Tāmen yě dōu cānjiā. - 日本語訳
- 担当者:あなたの部署の人は全員参加しますか。
学習者:はい、私たちは全員参加します。彼らも全員参加します。 - 使う場面
- 複数のグループについて、各グループの全員が参加すると説明する場面です。
- 注意点・誤用例
- 一部だけ参加する場合は「我们不都参加」など別の表現が必要です。事実に合わせて全体否定・部分否定を区別します。
- 発音・ニュアンス
- 「我们都参加」と「他们也都参加」を対にして読むと、「都」と「也都」の違いが定着します。
食欲がないことを伝える
- フレーズ
- 店員:您想吃什么?
Nín xiǎng chī shénme?
学習者:我有点儿累,现在什么都不想吃。
Wǒ yǒudiǎnr lèi, xiànzài shénme dōu bù xiǎng chī. - 日本語訳
- 店員:何を召し上がりたいですか。
学習者:少し疲れていて、今は何も食べたくありません。 - 使う場面
- 候補の料理を問われたものの、食べたい物が一つもないと伝える場面です。
- 注意点・誤用例
- 「什么」を疑問語として訳して「何を食べたくないですか」としません。「什么都不想吃」全体で全面否定です。
- 発音・ニュアンス
- 「什么都」を一まとまりで読み、「不想吃」で否定を完成させます。丁寧に断るなら、理由を添えると唐突さが和らぎます。
経験が一度もないと伝える
- フレーズ
- 学習者A:你去过中国吗?
Nǐ qùguo Zhōngguó ma?
学習者B:还没有,我一次也没去过。
Hái méiyǒu, wǒ yí cì yě méi qùguo. - 日本語訳
- 学習者A:中国へ行ったことがありますか。
学習者B:まだありません。一度も行ったことがありません。 - 使う場面
- 訪問経験がゼロであることを明確に答える場面です。
- 注意点・誤用例
- 過去の経験がないため「不去过」ではなく「没去过」を使います。「一次都没去过」も可能です。
- 発音・ニュアンス
- 「一次」は yí cì です。「也没去过」を続け、経験を示す「过」を落とさないように音読します。
発音練習と復習メニューで使える形にする
- 「也」は第三声、「都」は第一声として単語から練習する
- 似た文を対にし、語順と意味の違いを同時に音読する
- 短い復習を複数回行い、自分の生活に置き換えた文を作る
文法を理解しても、会話中に語順を一から組み立てていると発話が止まりやすくなります。そこで、「我也~」「我们都~」「他们也都~」という短い骨組みを音のまとまりとして練習します。
第一段階:単語と短文をゆっくり読む
- 也 yě
- 都 dōu
- 我也去。Wǒ yě qù.
- 我们都去。Wǒmen dōu qù.
- 他们也都去。Tāmen yě dōu qù.
「也」は第三声ですが、実際の文では教科書的な下降・上昇を毎回大きく付けるとは限りません。まずは低く抑える感覚を保ちます。「都」は高く平らな第一声です。二つの音を「yě dōu」と続け、声調の高さの違いを確認してください。
第二段階:意味が変わる対を読む
- 他们都不去。Tāmen dōu bú qù./彼らは全員行きません。
- 他们不都去。Tāmen bù dōu qù./彼ら全員が行くわけではありません。
- 学生都没来。Xuésheng dōu méi lái./学生は一人も来ませんでした。
- 学生没都来。Xuésheng méi dōu lái./学生が全員来たわけではありません。
一文ずつ読むだけでなく、二文を交互に読みます。その際、「ゼロなのか」「一部は該当するのか」を頭の中で映像化します。意味の差と音の順番が結びつくと、会話中の取り違えを減らしやすくなります。
第三段階:自分の情報へ置き換える
次の空欄へ、自分の生活に合う語を入れてください。事実と違う内容を無理に作る必要はありません。身近な行動ほど、次の会話で再利用しやすくなります。
- 我也喜欢__。/私も__が好きです。
- 我每天都__。/私は毎日__します。
- 这些__我都喜欢。/これらの__を私はどれも好きです。
- 我一次也没__过。/私は一度も__したことがありません。
- 今天我哪儿也不__。/今日はどこにも__しません。
- 不管多忙,我都__。/どれほど忙しくても、私は__します。
無理なく続ける復習例
- 最初の学習日:基本文を五回ずつ音読し、「追加」と「全体」の違いを確認する。
- 翌日:「也」「都」「也都」を隠して空欄補充を行う。
- 数日後:「都不」と「不都」の二文を日本語から中国語へ戻す。
- その後:疑問詞、全面否定、条件表現から各一文を選び、自分の内容に変える。
- 週の終わり:会話例を役割別に読み、見ずに一往復だけ再現する。
一度にすべてを暗記するより、短い文を繰り返し取り出すほうが実践につながります。特に「也都」「都不」「不都」は、意味を言ってから中国語を発音する練習と、中国語を聞いて意味を答える練習の両方を行うと整理しやすくなります。

練習問題で「也」「都」「也都」を確認する
- 最初に「追加」か「範囲」かを判断する
- 全面否定では「也」と「都」の両方が使える場合がある
- 解答後は、正しい文を日本語訳と一緒に音読する
空欄に「也」「都」「也都」のいずれかを入れてください。複数の答えが可能な問題もあります。答えを見る前に、「同じ内容の追加」「範囲の全体化」「追加された集団の全体化」のどれかを声に出して判断してみましょう。
- 我是学生,他( )是学生。
- 我们( )喜欢学中文。
- 我们参加,他们( )参加。
- 这些电影我( )看过。
- 我一点儿( )不累。
- 连小孩子( )知道。
- 不管多忙,我( )会给你打电话。
- 她昨天没来,今天( )没来。
- 我的朋友( )是中国人。
- 办公室一个人( )没有。
解答と判断理由
- 也:我是学生,他也是学生。前に出た「学生」という属性へ「彼」を追加します。
- 都:我们都喜欢学中文。「我们」に含まれる全員をまとめます。
- 也都:我们参加,他们也都参加。別の集団を追加し、その全員が参加すると示します。
- 都:这些电影我都看过。文頭に出た複数の映画をすべてまとめます。
- 也/都:我一点儿也不累。/我一点儿都不累。どちらも「少しも疲れていない」という全面否定になります。
- 也/都:连小孩子也知道。/连小孩子都知道。「子どもでさえ知っている」という強調です。
- 都:不管多忙,我都会给你打电话。考えられる忙しさの程度にかかわらず、結果が変わりません。
- 也:她昨天没来,今天也没来。昨日に加えて今日も来なかったと述べます。
- 都:我的朋友都是中国人。複数の友人全員をまとめます。
- 也/都:办公室一个人也没有。/办公室一个人都没有。一人という最小単位さえ存在しないことを示します。
間違えた問題は、答えだけを書き直さず、「なぜ也なのか」「都は何を受けているのか」を一言添えてください。理由を説明できれば、別の単語を使った文にも応用しやすくなります。
中国語の「都」と「也」に関するQ&A
- 迷いやすい語順を質問ごとに再確認できる
- 日本語訳が似る表現も、追加・範囲・否定の位置で判断する
- 回答にある短文をそのまま音読練習に使える
「也」と「都」の最も簡単な見分け方は何ですか?
前に出た人・物・行為と同じ内容を追加するなら「也」、複数の人・物・日・回数などを漏れなくまとめるなら「都」と考えます。「私も行く」は「我也去」、「彼らは全員行く」は「他们都去」です。
「也」と「都」は文のどこに置きますか?
原則として動詞・形容詞・助動詞などの述語より前に置きます。「我也去」「他们都很忙」「我也会说中文」のような語順です。時間表現がある場合は「他明天也来」のように、時間を「也」より前に置くのが基本です。
「也都」と「都也」はどちらが自然ですか?
「~もみな」「~もすべて」という通常の意味では「也都」が基本です。「他们也都来了」は「彼らもみな来た」という意味です。「也」で別の集団を追加し、「都」でその集団全体をまとめる順番だと考えます。
「都不」と「不都」はどう違いますか?
「都不」は「全員が~しない」「どれも~ではない」という全体否定です。「不都」は「全員が~するわけではない」という部分否定です。「他们都不去」では行く人がいませんが、「他们不都去」では一部の人が行く可能性があります。
「一点儿也不」と「一点儿都不」は同じ意味ですか?
どちらも「少しも~ない」「まったく~ない」という全面否定に使えます。「一点儿也不累」と「一点儿都不累」は、どちらも「少しも疲れていない」です。ただし、「有一点儿累」は「少し疲れている」なので区別が必要です。
疑問詞があるのに質問にならないのはなぜですか?
疑問詞が「也」「都」と組み合わさると、不特定の範囲を例外なく含めることがあるからです。「谁都知道」は「誰でも知っている」、「谁都不知道」は「誰も知らない」です。述語が肯定か否定かまで見て判断します。
一人が主語でも「都」を使えますか?
使えます。「我每天都学习中文」では、主語は一人ですが、「每天」に含まれる一日一日を「都」がまとめています。「这些书我都喜欢」では、文頭に出た複数の本が「都」の対象です。
「不管~都」と「即使~也」はどう使い分けますか?
「不管~都」は複数の条件をすべて含め、どの条件でも結果が変わらないことを示します。「即使~也」は、仮定した不利な条件を認めても、なお結果が変わらないという譲歩を示します。学習時はこの基本の組み合わせで覚えると整理しやすくなります。
最後に、判断の順番をもう一度確認します。同じ内容を加えるなら「也」、複数の対象や回数をまとめるなら「都」、「~もみな」なら「也都」です。否定文では、「都不」が全体否定、「不都」が部分否定になります。
すぐに会話へつなげるなら、「我也喜欢」「我们都参加」「他们也都参加」「我一点儿也不累」「什么都可以」の五つを声に出してください。その後、名詞や動詞を自分の生活に合わせて入れ替えると、暗記した文から使える文へ変わっていきます。

