中国人の友人や同僚から「今度、うちで一緒にご飯を食べよう」と誘われたとき、嬉しさと同時に「何か特別なマナーはあるのかな」「手土産は何がいいのだろう」と戸惑うことはありませんか。日本の家庭訪問とは異なる習慣や作法を知っておくことで、当日は不安なく心から楽しい時間を過ごせるようになります。
中国の家庭訪問では、到着してから料理を作り始めたり、食べきれないほどのごちそうが並んだりと、日本人にとって新鮮な驚きがたくさんあります。文化の違いを事前に理解しておけば、相手の温かいもてなしを素直に受け止め、より深い信頼関係を築くことができます。
この記事では、訪問前の準備から手土産の選び方、当日の挨拶、食卓での作法、すぐに使える実用的なフレーズまでを分かりやすく整理しました。自然なコミュニケーションを学びたい方は、あわせて中国語教室での実践レッスンも活用しながら、自信を持って当日を迎えましょう。
中国人の家に招待されることの意味と基本姿勢
- 家庭に招くことは客としてだけでなく「身内や親しい仲間の輪」に迎える意図がある
- 知らない親族や友人が同席しても慌てず、大勢で賑やかに楽しむ文化を受け止める
- 地域や家庭による違いが大きいため、分からないことは素直に質問するのが礼儀
中国文化において、自宅に他人を招いて手料理を振る舞うという行為には特別な意味があります。単に外でお酒を飲むのとは異なり、あなたを大切な友人として「自分の内側のコミュニティ」に迎え入れた証しだからです。
賑やかさを楽しむ「熱鬧(ルエナオ)」の価値観
日本では、家に招く相手を少人数に絞り、落ち着いた空間で静かにもてなすことが好まれる傾向があります。しかし中国では、賑やかで活気がある状態を「熱鬧(rènào)」と呼び、非常に好ましいことと捉えます。そのため、「せっかく美味い料理を作るのだから」と、近所に住む親族や別の友人を同時に呼び寄せることも珍しくありません。
事前には聞いていなかった親戚やお隣さんが食卓に座っていても、「軽視されている」と感じる必要は全くありません。むしろ「大勢で楽しく食事を分かち合いたい」というホストの厚意の表れです。自分だけが主賓として特別扱いされるのを期待するのではなく、輪の一員として大勢で賑やかに食卓を囲む姿勢を持つと、一気に場になじみやすくなります。
「中国人はこうする」と決めつけない姿勢
中国は国土が広大であり、北方と南方では主食や生活習慣が異なります。さらに年代、都市部か地方か、住環境によってもマナーの細部は変化します。インターネット上の情報を鵜呑みにして「中国人だから絶対にこうしなければならない」と思い込むのは危険です。
基本的には、そのご家庭のルールやホストの案内に柔軟に合わせるのが一番の作法です。靴の脱ぎ方や座る位置など、迷ったときは「勝手に判断して動く」よりも、「これ we 可以(~してもいいですか)?」と直接尋ねる方が、誠実で好印象を与えます。
訪問前の準備と事前確認の手順
- 指定の時刻は「食事開始」ではなく「集合・調理開始」の目安である場合がある
- アレルギーや食べられない食材(豚肉・辛味など)は招待時に必ず伝える
- 食後の歓談や引き留めを考慮し、スケジュールには十分な時間を確保しておく
当日のすれ違いを防ぐためには、訪問前のやり取りが重要になります。日本の感覚とは異なる時間の捉え方や、事前の意思表示についてポイントを押さえておきましょう。
食事開始時刻と集合時刻の捉え方
「夕方5時に来てください」と言われた場合、日本人は5時に食卓へ料理が完成して並んでいる状態をイメージしがちです。しかし中国の家庭では、指定時刻はあくまで「家に入る時刻」であり、そこから一緒に食材を切ったり餃子を包んだりし始めるケースが多々あります。
空腹の状態で何時間も待つことになると辛いため、事前に食事の予定をそれとなく確認しておくと安心です。
- フレーズ
- 我们几点开始吃饭?
- 日本語訳
- 何時ごろ食事を始めますか。
- 使う場面
- 訪問時刻を決めた後、当日のスケジュール感をすり合わせたい時。
- 注意点・誤用例
- 詰問するような強い口調にならないよう、笑顔で軽やかに質問しましょう。
- 発音・ニュアンス
- ピンイン:Wǒmen jǐ diǎn kāishǐ chīfàn?(ウォーメン ジージエン カイシー チーファン)。「几点(jǐ diǎn)」をやや高めに発音します。
食べられない食材の事前申告
「せっかく作ってもらうのに好き嫌いを言うのは申し訳ない」と黙っているのは逆効果です。中国の家庭料理は品数が多く、一度に多量の食材を買い込んで仕込みを行います。作ってもらった後に手を出せない方が、かえってホストを気まずくさせてしまいます。
食物アレルギーはもちろん、宗教上の理由、激しい辛味が苦手なことなどは、招待された段階で速やかに伝えましょう。
- フレーズ
- 我对花生过敏。 / 我不太能吃辣。
- 日本語訳
- 私はピーナッツアレルギーがあります。 / 私は辛いものがあまり食べられません。
- 使う場面
- 招待を受けた際、メニューの相談やアレルギーの有無を聞かれた時。
- 注意点・誤用例
- 「不吃(食わない)」と短く言うと不和を生みやすいため、「不太能吃(あまり食べられない)」など柔らかい表現を心がけましょう。
- 発音・ニュアンス
- Wǒ duì huāshēng guòmǐn.(ウォードゥイ ファーシェン グオミン) / Wǒ bú tài néng chī là.(ウォー ブータイ ネン チー ラー)。「辣(là)」は下がる音(四声)です。
手土産の選び方とタブーな品物
- 旬の果物や個包装のお菓子など「家族で分けられる消えもの」が最適
- 時計・傘・梨・刃物など語呂合わせで不吉とされる品物は避けるのが無難
- 手土産を受け取ったその場で開封しないのは文化的な配慮であり無関心ではない

訪問時の手土産は、相手への感謝を表す大切な手段です。高価すぎる品物はかえって相手にお返しの負担(お返しをしなければならない心理的プレッシャー)を感じさせるため、気軽に消費できる品物が好まれます。
喜ばれるおすすめの手土産
最も安全で喜ばれるのは「季節の高級果物」や「日本のお菓子」です。中国では果物を手土産にする習慣が根強く、箱に入ったリンゴやさくらんぼ、メロンなどは家族全員で味わうことができます。
- 季節の果物:見栄えが良く、食後のデザートとしてその場ですぐ出せる利点もあります。
- 日本の和菓子・洋菓子:個包装になっていて、パッケージが綺麗なものが特に評判です。
- 地域の名産品:自分の出身地や旅行先のお土産は、会話のきっかけとして非常に優秀です。
- 高級茶葉やコーヒー:お茶を飲む習慣のあるご家庭には安心して贈れます。
贈り物の文化的なタブーと注意点
中国語の発音や漢字の意味合いから、縁起が悪いとされる品物があります。年配の方が同席する場では特に気を配りましょう。
| 品物 | 忌み嫌われる理由・語源 |
|---|---|
| 置き時計・掛け時計 | 「送钟(sòng zhōng)」の発音が、臨終を見送る「送终」と同じため。 |
| 傘(かさ) | 「伞(sǎn)」の発音が、離散や別れを意味する「散(sàn)」に通じるため。 |
| 梨(なし) | 「梨(lí)」の発音が、別れや分離を意味する「离(lí)」と同じため。 |
| 緑色の帽子 | 配偶者に浮気をされている人物を指す俗用表現があるため厳禁。 |
また、包装紙の色にも気を配りましょう。お祝いや訪問には赤色や金色などの華やかな色が好まれます。白や黒一色の包装は弔事を連想させるため避けるのがマナーです。
到着時の挨拶と玄関での振る舞い
- 友人の両親には「叔叔(おじさん)」「阿姨(おばさん)」と親しみ込めて呼びかける
- 靴の扱い(スリッパかそのままか)は自分の判断ではなくホストの指示に従う
- 室内や家族の写真撮影は必ず一言許可を取ってから行う
家に到着したら、笑顔で挨拶を交わしましょう。友人の家族が出迎えてくれた場合の呼びかけ方を知っておくと、一気に距離を縮めることができます。
ご両親・年長者への呼びかけ方
友人のご両親に対して、名前ではなく「叔叔(shūshu)」「阿姨(āyí)」と呼びかけるのが中国では一般的です。これは日本語の「お父さん」「お母さん」や親しいおじさん・おばさんを指す敬意と親しみがこもった表現です。
- フレーズ
- 叔叔、阿姨,你们好!这是给你们的一点儿心意。
- 日本語訳
- お父様、お母様、こんにちは!これはほんの気持ちです。
- 使う場面
- 玄関口で友人のご両親に挨拶し、手土産を両手で手渡す時。
- 注意点・誤用例
- 品物を片手で突き出すのは不作法です。必ず両手を添えて渡しましょう。
- 発音・ニュアンス
- Shūshu, āyí, nǐmen hǎo! Zhè shì gěi nǐmen de yìdiǎnr xīnyì.(シューシュー、アーイー、ニーメンハオ!ジェーシー ゲイ ニーメンダ イーディアルバル シンイー)。
室内でのマナーと靴の扱い
玄関で靴を脱ぐかどうかも家によって異なります。室内スリッパに履き替えるスタイルが一般的ですが、床の素材や地域によっては「そのままで入って」と言われることもあります。案内を待ち、「需要换鞋吗?(靴を履き替えますか?)」と確認するとスムーズです。
また、許可なく別の部屋に入り込んだり、家族や部屋の写真を勝手に撮影してSNSに投稿したりするのは控えましょう。撮影したい場合は必ず事前に「我可以拍照吗?(写真を撮ってもいいですか?)」と尋ねるのがマナーです。
料理ができるまでの過ごし方と手伝い
- 料理ができていなくても「歓迎されていない」わけではなく出来たてを出す文化
- 餃子包みや野菜の下ごしらえに誘われたらコミュニケーションとして楽しむ
- 手伝いを断られた場合は無理にキッチンに入らずお茶を飲んで寛ぐ

家に到着したとき、キッチンから良い匂いはするものの食卓には何も並んでいないという状況に出会うことがあります。「まだ何も準備できていないの?」と心配する必要はありません。中国では「熱々の出来立てを出すこと」が最高の客へのおもてなしとされるからです。
調理そのものが交流のアクティビティ
特に北方エリアの家庭では、訪問客と一緒に水餃子を包むことが定番のイベントになっています。餡(あん)を皮で包む作業を教わりながら談笑するのは、単なる「お手伝い」を超えた素晴らしい文化体験です。
- フレーズ
- 需要我帮忙吗? / 我来包饺子吧。
- 日本語訳
- 何か手伝いましょうか。 / 私も餃子を包みますね。
- 使う場面
- ホストが台所で忙しく準備をしている時や、餃子の準備が始まった時。
- 注意点・誤用例
- 「不用不用(いいよいいよ、座ってて)」と断られたら、客として大切にしようとしてくれている証拠なので、素直にリビングでお茶をいただきましょう。
- 発音・ニュアンス
- Xūyào wǒ bāngmáng ma?(シューヤオ ウォー バンマン マ?) / Wǒ lái bāo jiǎozi ba.(ウォー ライ バオ ジ アオズ バ)。
食卓での座り方と食事中のマナー
- 上座や座る位置はホストに案内されるまで待つのが無難
- ご飯に箸を立てる・大皿を探るなどの箸のタブーは絶対に行わない
- 公筷(取り箸)がある場合は必ず使用し、回転台の扱いに気を配る
料理が揃い、いよいよ食事を開始する際にも知っておきたい作法があります。特に箸の使い方や座る位置については、日本と共通する部分と異なる部分が存在します。
着席の位置と食事開始のタイミング
円卓やテーブルでは、部屋の入口から遠い奥の席が上座とされることが一般的です。年長者や主賓が座る位置が決まっている場合が多いため、自分から適当な席に座るのではなく、「我坐哪儿?(どこに座ればいいですか?)」と確認して案内された場所に座りましょう。
また、ホストや年長者が「吃吧!(食べましょう!)」と声を発し、箸をつけてから一口目を運ぶのが礼儀正しい振る舞いです。
箸と共有皿(公筷)の取り扱いタブー
・ご飯の茶碗に箸を垂直に突き立てる(仏教の供え物を連想させるため極めて不吉)
・大皿の中で自分の好きな具材を箸で探し回る(迷い箸・探り箸)
・箸を使って人や料理を指さす
・他人が料理を取っている最中に回転台を回す
大皿料理には「公筷(gōngkuài)」と呼ばれる専用の取り箸が添えられていることがあります。取り箸がある場合は自分の直箸を使わず、必ず公筷を使って自分の器に取り分けてからいただきましょう。
料理を残すべき?勧められたときの対処法
- 現代中国では「必ず残す」は絶対ルールではなく無駄にしない意識も定着している
- 自分の取皿のものは完食し、大皿には無理に手を付けすぎず満足感を伝える
- 満腹で断る際は「料理の味を褒めた上で、本当にお腹いっぱい」と感謝を伝える
昔からよく聞く「中国では料理を少し残すのがマナー」という説。残さず食べ切ると「足りなかったのかな」とホストが心配して追加の料理を作り始めてしまう、という話に基づいたものです。
現代における「残す・残さない」の実情
結論から言うと、現代の家庭訪問では無理に料理を残す必要はありません。近年では食品ロスを削減する運動(光盤行動)も浸透しており、「作ってくれた料理を残さず美味しく食べる」ことを素直に喜ぶご家庭も増えています。
一番自然な振る舞いは、自分の小皿に取り分けた料理は綺麗に食べ切り、お腹が膨れたら「美味しくてすっかり満腹になりました」と伝えることです。
次々に料理を勧められたときの断り方
ホストは親切心から「もっと食べて!これも美味しいよ」とあなたの器にどんどん料理を取り分けてくれます。本当に食べられない時は、器の上を手で軽く覆うようにしながら、笑顔で丁寧に辞退しましょう。
- フレーズ
- 太好吃了,不过我已经吃饱了。 / 谢谢,够了够了!
- 日本語訳
- とても美味しいですが、本当にお腹がいっぱいです。 / ありがとうございます、もう十分いただきました!
- 使う場面
- 満腹の状態でさらに料理を勧められた時。
- 注意点・誤用例
- ただ「不要(いらない)」と突っぱねるのではなく、「美味しかった」という感謝の言葉を先につけるのがポイントです。
- 発音・ニュアンス
- Tài hǎochī le, búguò wǒ yǐjīng chībǎo le.(タイ ハオチー レ、ブーグオ ウォー イージン チーバオ レ) / Xièxie, gòu le gòu le!(シェシェ、ゴウレゴウレ)。
お酒や乾杯を勧められた際のスマートな対応
- お酒が飲めない場合は最初の乾杯の前に「お茶で乾杯」を宣言しておく
- 無理に飲んで体調を崩す必要は全くなく、体質や運転などの理由を伝える
- グラスを合わせる際は年長者のグラスよりやや低めの位置に当てるのが敬意
中国の宴席では白酒(パイチュウ)やビールでの乾杯(干杯 / gānbēi)が名物ですが、家庭訪問の席で体質に合わないお酒を無理に飲む必要は一切ありません。
「以茶代酒」を使った上手な断り方
お酒が飲めない、あるいは控えたい場合は、食事や乾杯が始まる一番最初のタイミングで「お酒が飲めないのでお茶で乾杯させてください」と伝えておくのが一番スマートです。
- フレーズ
- 我不喝酒,以茶代酒吧。
- 日本語訳
- お酒が飲めませんので、お茶で乾杯させてください。
- 使う場面
- グラスにお酒を注がれそうになった時や、最初の乾杯の時。
- 注意点・誤用例
- 「以茶代酒(yǐ chá dài jiǔ)」は中国で非常に親しまれている風流で礼儀正しい定型表現ですので、安心して使ってください。
- 発音・ニュアンス
- Wǒ bù hē jiǔ, yǐ chá dài jiǔ ba.(ウォー ブー ホー ジウ、イー チャー ダイ ジウ バ)。
料理や家庭を具体的に褒める表現
- 単に「好吃」というだけでなく気に入った特定の料理名を挙げて褒める
- 家について褒める場合は広さや価格ではなく「居心地の良さや温かさ」に触れる
- 作ったご両親やホストへの感謝を言葉でストレートに伝えることが一番の喜ばせ方
手料理を振る舞ってくれたホストにとって、一番嬉しいのはゲストが喜んで食べてくれることです。美味しいと感じた料理には、具体的に感想を伝えましょう。
食卓を盛り上げる褒め言葉フレーズ
料理を褒める:阿姨做的菜太好吃啦!
ピンイン:Āyí zuò de cài tài hǎochī la!(アーイー ズオ ダ ツァイ タイ ハオチー ラ!)
意味:お母さんの作る料理は本当に美味しいですね!特定の料理を指して「这个红烧肉真香!(この豚の角煮、本当に香ばしくて美味しい!)」などと言うとさらに喜ばれます。
おうちを褒める:你们家真温馨。
ピンイン:Nǐmen jiā zhēn wēnxīn.(ニーメン ジ ア ジエン ウェンシン)
意味:とても温かみのある素敵なお宅ですね。家の豪華さや値段を聞くのではなく、日当たりや清潔感、居心地の良さを褒めるのが品のあるマナーです。
地域で異なる冬の室温とおすすめの服装
- 北方エリア:セントラルヒーティング(暖気)で室内は半袖で過ごせるほど暖かい
- 南方エリア:集中暖房がない家が多く室内でもコートやダウンを着て過ごす場合がある
- 着脱しやすい重ね着(脱ぎ着できる上着や厚手靴下)で訪問するのがベスト
冬場に中国人のご自宅を訪問する場合、地域による「室温の違い」に驚く日本人が多くいます。中国は国家の規定により、地域によって暖房システムが大きく分かれているためです。
北方(暖気あり)と南方(暖気なし)の違い
北京や瀋陽などの北方都市では、街全体に集中暖房(暖气 / nuǎnqì)が張り巡らされています。外が氷点下であっても室内は20度前後に保たれており、家の中ではTシャツ一枚でアイスを食べることもあるほどです。厚手のセーターを一枚着込んでいくと、室内で暑すぎて困ることがあります。
一方、上海や杭州、広州などの南方エリアでは集中暖房がない住宅が主流です。エアコンやヒーターをつけますが、日本人が想像するよりも室内の温度が低く、家の中でもダウンジャケットを着たまま食卓を囲むことが一般的です。寒さに備えて、カーディガンやヒートテックインナー、厚手の靴下などで温度調節ができる服装をして行きましょう。
帰宅の切り出し方と訪問後のお礼
- 引き留められるのは社交辞令かつ歓迎の意なので感謝を込めつつお暇する
- 帰らなければならない予定時刻(終電等)は訪問時にあらかじめ伝えておく
- 帰宅後または翌日に特においしかった料理名を添えてお礼メッセージを送る

楽しい食事と会話が終わったら、適切なタイミングで帰宅を切り出します。中国の家庭では「再坐一会儿吧!(もう少しゆっくりしていって!)」と引き留められるのがお決まりの流れですが、これはホストの温かい社交辞令ですので心配いりません。
角を立てずに帰宅を伝えるフレーズ
- フレーズ
- 时间不早了,今天太打扰你们了,我差不多该回去了。
- 日本語訳
- もう時間も遅くなりましたし、今日はすっかり長居してしまいましたので、そろそろ失礼します。
- 使う場面
- 食後の果物やお茶をいただき、キリが良いところで帰宅を切り出したい時。
- 注意点・誤用例
- 急に立ち上がって帰り始めるのではなく、「そろそろ…」とワンテンポ置いてから荷物をまとめるのがスムーズです。
- 発音・ニュアンス
- Shíjiān bù zǎo le, jīntiān tài dǎrǎo nǐmen le, wǒ chàbuduō gāi huíqù le.(シージエン ブー ザオ レ、ジーンティエン タイ ダラオ ニーメン レ、ウォー チャブドワー ガイ フイチュー レ)。
帰宅後の心温まるお礼メッセージ
無事に家に到着したら、または翌日の朝にメッセージアプリ(WeChatなど)でお礼を送ると非常に好印象です。
「我到家了,谢谢今天的招待!今天的水饺特别好吃。(無事につきました、今日はおもてなしありがとうございました!水餃子が本当に美味しかったです)」のように、具体的な料理名や楽しかった思い出を添えるのがポイントです。
独学者がつまずきやすいコミュニケーションの壁
- テキストで文法を知っていてもネイティブの発音やスピードに圧倒されやすい
- 個人的な質問(年齢・結婚・仕事など)にも笑顔で柔軟にかわす度量を身につける
- 実際の生の会話練習を積み重ねることで文化背景を含めた語学力が身につく
教科書や単語帳で中国語を独学している方が、実際の家庭訪問の場で一番戸惑うのが「ネイティブのネイティブたる会話スピードと独特の間隔」です。大勢が同時に話す賑やかな食卓では、知っている単語であっても聞き取るのが難しく感じることがあります。
また、中国の親戚からは「お給料はいくら?」「結婚はしないの?」といった踏み込んだ質問を受けることもあります。悪気はなく親しみやすさの裏返しですので、「秘密です!」と笑ってかわせるフレーズを用意しておくと気が楽になります。
継続しやすい訪問マナー&会話の学習計画
- 1週間前からフレーズの丸暗記ではなく声に出す音読練習を始める
- 声調(四声)を意識して、相手に伝わりやすい正しい発音の癖をつける
- 訪問前日に手土産・服装・フレーズの最終チェックを行う
訪問当日までに無理なく準備を進めるための、1週間ステップアップ計画です。毎日少しずつ声を出すことで、緊張せずに自然なフレーズが出てくるようになります。
| 日程 | 実践内容・目標 |
|---|---|
| 1~2日前 | 挨拶(叔叔、阿姨)と手土産を渡すフレーズを声に出して10回音読。 |
| 3~4日前 | アレルギーや辛味の好みの伝え方、満腹の際の断り方を練習。 |
| 5~6日前 | 手土産(果物や和菓子)の調達と、タブーな品物が含まれていないか確認。 |
| 前日 | 室温に合わせた脱ぎ着しやすい服装の準備と、集合時間の最終確認。 |
よくある質問(Q&A)
Q1. 食事代やお礼のお金をその場で払う必要はありますか?
ご家庭での食事に招かれた場合、その場で現金を渡すのは不作法にあたります。おもてなしの気持ちとして受け取り、丁寧な手土産を用意するか、後日別の機会に食事に招待してお返しをするのが好ましいやり方です。
Q2. 手土産を渡したのにその場で開けてくれませんでした。失礼だったのでしょうか?
全く失礼ではありません。中国では客の前で贈り物をすぐに開けると「品物の値段や質を値踏みしている」ように見えて不躾とされる文化があるためです。後から家族で大切に開けるのが礼儀ですので安心してください。
Q3. 子どもを連れて訪問しても問題ありませんか?
中国では子どもを連れての訪問は非常に歓迎されます。大勢で賑やかに過ごすことを好むためです。ただし、事前に「子どもも一緒に行っていいですか?」と人数を共有し、アレルギーや食事の時間をすり合わせておきましょう。
Q4. 中国語が上手く話せなくても大丈夫でしょうか?
完璧に話せなくても全く問題ありません。笑顔で「你好」と挨拶し、美味しそうに料理を食べる姿を見せるだけで気持ちは十分に伝わります。「我的中文还不太好(私の中国語はまだ下手です)」と一言添えると温かく見守ってくれます。
Q5. 家族以外(近所の人や他の親戚)が居たらどう挨拶すればいいですか?
ホストから「こちらは〇〇さんです」と紹介されたら、笑顔で「您好!很高兴认识您(こんにちは!お会いできて嬉しいです)」と握手や一礼を交わせば十分です。深い会話を繋ごうと気負う必要はありません。
自信を持って生きたコミュニケーションを楽しむために
独学で基礎知識やマナーをマスターすることは十分に可能です。一方で、実際の会話における声調のクセや、自然な相槌の打ち方は自分一人では気づきにくい側面もあります。
ネイティブ講師との対話を通じて文化背景を含めた実践的な発音や表現力を磨いておくと、突然の家庭訪問や宴席でも焦らずにネイティブとの会話を楽しめるようになります。自分に合った学習環境を選びながら、一歩ずつレベルアップを目指してみませんか。
まとめと次に行うこと
中国人の家庭に招かれたときは、完璧な作法を目指すこと以上に、相手が心から準備してくれたもてなしを一緒に楽しむ姿勢が最も大切です。
- 旬の果物や日本の個包装お菓子など、タブーを避けた手土産を用意する
- アレルギーや辛味の苦手意識は訪問前に素直に伝える
- 当日は「叔叔」「阿姨」と笑顔で挨拶し、美味しい料理と会話を存分に楽しむ
まずは今日学んだフレーズを一つ口に出して練習し、当日の素敵な交流への第一歩を踏み出してみましょう。

