中国語の「わかりました」は「知道了」だけじゃない!ネイティブが使い分ける12の神フレーズ【完全版】
中国語でのコミュニケーションで、「わかりました」と返事をする場面は数多くあります。しかし、毎回「知道了 (zhīdào le)」だけで済ませていませんか?実は、ネイティブスピーカーは場面や気持ちのニュアンスによって、驚くほど多彩な「わかりました」を使い分けています。
この使い分けができるかどうかは、あなたの中国語が「学習者レベル」から「ネイティブレベル」へと飛躍するための重要な鍵となります。この記事では、単純な「知っている」という返事から、心から「理解した」という納得の返事、さらには「OK!」という快諾の返事まで、12の重要表現を徹底的に解説します。この記事をマスターすれば、あなたの中国語表現はより豊かで、より正確になるでしょう。こうした繊細なニュアンスを掴むには、プロの指導が一番の近道です。ぜひ一度中国語教室の体験レッスンなどで、ネイティブの感覚に触れてみることをお勧めします。
目次
なぜ中国語の「わかりました」は使い分けが必要なのか?
日本語なら「了解しました」の一言で済むような場面でも、中国語では複数の選択肢があります。なぜなら、それぞれの言葉が持つ「理解の深さ」や「気持ち」が異なるからです。
場面やニュアンスで変わる中国語の返事
例えば、会議の時間変更を知らされただけの時と、複雑なシステムの仕組みを説明されて納得した時では、「わかった」の質が全く違いますよね。中国語では、この違いを言葉で明確に表現する文化があります。「ただ情報をインプットした」のか、「理由や背景まで含めて腑に落ちた」のかを使い分けることで、コミュニケーションがよりスムーズになります。
使い分けができないと起きるコミュニケーションの誤解
もし常に「知道了」だけを使っていると、場面によっては「はいはい、わかったからもういいよ」というような、少し冷たく突き放した印象を与えかねません。逆に、簡単な依頼に「明白了 (míngbai le)」と返すと、「そんなに難しい話だった?」と相手を困惑させてしまうかもしれません。適切な言葉を選ぶことは、相手への配慮であり、円滑な人間関係を築くための第一歩なのです。
【レベル1】情報を受け取った時の「わかりました」
まずは基本中の基本。相手から伝えられた情報や事実に対して、「受け取りました」「認識しました」と伝えるための表現です。
1. 知道了 (zhīdào le) – 基本の「了解しました」
「知る」を意味する「知道」に、変化や完了を表す「了」がついた形。事実や情報を受け取ったことを示す、最もスタンダードな「わかりました」です。ビジネスの連絡から日常の伝言まで、幅広く使えます。
A: 明天的会议取消了。
(Míngtiān de huìyì qǔxiāo le.)
明日の会議は中止になりました。
B: 知道了,谢谢。
(Zhīdào le, xièxie.)
承知しました、ありがとう。
💡 ポイント
事実や情報を「知った」というニュアンス。目上の人にも使える丁寧な表現ですが、多用すると機械的な印象を与えることも。
2. 好的 (hǎo de) – 快諾の気持ちを込めた「OK!」
「良い」を意味する「好」に「的」がついた形で、提案や誘い、依頼に対して「いいよ!」「OK!」と快く同意する気持ちを表します。「知道了」よりもポジティブで、親しみやすいニュアンスが加わります。
A: 等一下帮我买一杯咖啡吧。
(Děng yíxià bāng wǒ mǎi yì bēi kāfēi ba.)
後でコーヒーを一杯買ってきてくれないかな。
B: 好的,没问题。
(Hǎo de, méi wèntí.)
いいですよ、問題ありません。
💡 ポイント
承諾や同意の気持ちが強い「わかった」。日常会話で非常によく使われる便利な表現です。
【レベル2】内容を理解した時の「わかりました」
単に情報を知っただけでなく、その理由や仕組み、話のロジックなどを頭で理解し、納得した状態を表す表現です。

「なるほど、そういうことか!」という腑に落ちた感覚が「明白」です。
3. 明白了 (míngbai le) – 腑に落ちた時の「なるほど、理解しました」
「明らか」という意味を持つ「明白」を使った表現。今までわからなかったことや、疑問に思っていたことの説明を受け、霧が晴れるように「なるほど、そういうことか」と理解できた時の気持ちにぴったりです。
A: 这个按钮要先长按三秒,然后再点击。
(Zhège ànniǔ yào xiān cháng àn sān miǎo, rán hòu zài diǎnjī.)
このボタンはまず3秒長押しして、それからクリックするんですよ。
B: 啊,明白了!谢谢您。
(À, míngbai le! Xièxie nín.)
ああ、なるほど理解しました!ありがとうございます。
💡 ポイント
理由や方法、理屈がわかった時に使う。「知道了」よりも主体的に理解したというニュアンスが強いです。
4. 懂了 (dǒng le) – 本質を掴んだ時の「わかった!」
「懂」は、「わかる、理解する」という意味ですが、「明白」よりもさらに深いレベルでの理解を表します。表面的な知識だけでなく、物事の本質や仕組み、技術などを習得し、「自分のものにした」という感覚です。
A: 老师,您刚才教的太极拳的动作,我好像有点懂了。
(Lǎoshī, nín gāngcái jiāo de tàijíquán de dòngzuò, wǒ hǎoxiàng yǒudiǎn dǒng le.)
先生、先ほど教えてくださった太極拳の動き、少しわかったような気がします。
B: 很好,多练习就完全懂了。
(Hěn hǎo, duō liànxí jiù wánquán dǒng le.)
素晴らしい、たくさん練習すれば完全にわかりますよ。
💡 ポイント
スキルや知識、人の気持ちなど、深く本質的な理解を示す時に使います。
【レベル3】許可・同意を示す時の「いいですよ」
相手からの依頼や提案に対して、許可や同意の意思を示す表現です。日本語の「わかりました」が持つ「承認」のニュアンスに近いものたちです。

「可以」や「行」は、相手へのポジティブな承認を伝えます。
5. 可以 (kěyǐ) – 許可を与える「いいですよ」
「~してもよい」という許可を表す助動詞です。相手からの「~してもいいですか?」という質問に対する返答として、「いいですよ」「OKです」という意味で使われます。
A: 我可以用一下你的电脑吗?
(Wǒ kěyǐ yòng yíxià nǐ de diànnǎo ma?)
あなたのパソコンを少し使ってもいいですか?
B: 可以啊。
(Kěyǐ a.)
いいですよ。
6. 行 (xíng) – カジュアルな「OK、いけるよ」
「行く」という意味の他に、「よろしい」「大丈夫だ」という意味を持つ便利な言葉です。「可以」とほぼ同じ意味で使われますが、より口語的でカジュアルな響きがあります。「問題ないよ」「それでいこう」といったニュアンスです。
A: 我们周五去看电影,行吗?
(Wǒmen zhōu wǔ qù kàn diànyǐng, xíng ma?)
私たち金曜日に映画を見に行くの、どう?
B: 行!
(Xíng!)
いいね!
7. 同意 (tóngyì) – 意見に賛成する「同意します」
日本語の「同意」と同じで、相手の意見や提案、考え方に対して「賛成です」と明確に意思表示する際に使います。比較的フォーマルな言葉で、会議や議論の場でよく使われます。
A: 我认为这个计划的风险太高了。
(Wǒ rènwéi zhège jìhuà de fēngxiǎn tài gāo le.)
この計画はリスクが高すぎると私は考えます。
B: 我同意你的看法。
(Wǒ tóngyì nǐ de kànfǎ.)
あなたの見方に同意します。
【応用編】否定・反対を伝える「わかりません」「できません」
「わかる」と伝えることと同じくらい、「わからない」と正直に伝えることも大切です。それぞれの肯定形に対応する否定形を覚えましょう。

わからない時は、はっきりと丁寧に伝えることが大切です。
8. 不知道 (bù zhīdào) – 情報を「知りません」
「知道了」の否定形。「その情報は持っていません」という、単純な知識の欠如を表します。
9. 不明白 (bù míngbai) – 説明が「よくわかりません」
「明白了」の否定形。説明を聞いても、まだ疑問点が残っていたり、理屈が理解できなかったりする状態です。「もう一度説明してください」というニュアンスを含みます。
10. 不懂 (bù dǒng) – 内容が「理解できません」
「懂了」の否定形。専門的な内容や複雑な概念など、根本的に理解が及ばない時に使います。
11. 我不能同意 (wǒ bù néng tóngyì) – 丁寧な「同意できません」
「同意」の否定形。「できない」を意味する「不能」を使うことで、「同意することはできません」という丁寧で、やや間接的な反対の意思を示します。
12. 我反对 (wǒ fǎnduì) – 強い「反対です」
「反対する」という動詞を使った、直接的で強い反対の表現です。自分の立場を明確にする必要がある時に使います。
よくある質問 – 「知道了」と「明白了」の決定的な違いとは?
Q1. ビジネスメールで失礼にならない「了解しました」は?
A. 「知道了」または「明白了」が最も安全で一般的です。連絡事項の確認であれば「知道了,谢谢。」、指示内容を理解した旨を伝えるなら「明白了,我会尽快处理。」(理解しました、速やかに処理します) のように使い分けると、より丁寧な印象になります。
Q2. 「好的」と「行」はどう使い分ける?
A. どちらも「OK」という意味ですが、「好的」の方がより丁寧で広い場面で使えます。「行」は友人同士などで使われる、よりカジュアルで短い返事です。迷ったら「好的」を使うのが無難です。
Q3. 日本語の「了解」と同じ感覚で使える中国語は?
A. 最も近いのは「好的」かもしれません。依頼や提案に対して「OKです」とポジティブに返す感覚は、日本語の「了解です」と似ています。ただし、中国語の「了解 (liǎojiě)」という単語は、「詳しく知る、調査する」という硬い意味なので、日常の返事としては使わないように注意しましょう。
まとめ:場面に応じた「わかりました」で、あなたの中国語をネイティブレベルに
中国語の「わかりました」は、一つ覚えるだけでは不十分です。それぞれの言葉が持つ背景やニュアンスを理解し、的確に使い分けることが、真のコミュニケーション能力の証です。
- 情報を知った時: 知道了
- 理由や方法を理解した時: 明白了, 懂了
- 快く同意・承諾する時: 好的, 可以, 行
今日学んだ12の表現を意識して使うだけで、あなたの中国語はより自然で、生き生きとしたものに変わるはずです。間違いを恐れずに、実際の会話の中でどんどん試してみてください!