中国の麺料理深掘り!湖北の热干面、河南の烩面、山西の刀削面

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    これまで日本ではあまり知られてこなかったものの、最近町の看板や、食関連のWebサイトで見かけるようになった中国各地の特色豊かな麺料理があります。

    今回は北京の炸酱面、四川の担担面と並び、中国五大麺料理と称される麺料理をご紹介しましょう。

    中国の麺料理深掘り!湖北の热干面、河南の烩面、山西の刀削面

    湖北热干面

    (Húběirè gān miàn)

    湖北省の省都、武漢が発祥地の麺料理で、武漢人にとって热干面は欠かせない食文化です。

    歴史

    夏は高温の日が長く続くため、昔から麺料理に食用アルカリを入れて変質を防ぐという知恵がありました。

    20世紀初めごろまでには考案されていた「切面」(qiē miàn)を更に改良したのが「蔡明伟」(CàiMíngwéi)です。

    彼が「汤面」(tāng miàn)を販売していた店は、いつもお客が行列を作るほど流行っていました。

    でも長くは待てないお客があきらめて帰ってしまうのを見て、何とかもっと早く料理を提供できないかと彼は思案しました。そこで試行錯誤の末に思いついたのが热干面だったのです。

    基本の作り方

    さまざまな作り方がある热干面ですが、基本調味料として欠かせないのが胡麻ペーストと胡麻油です。

    胡麻ペーストをあらかじめぬるま湯で溶かし、塩、醤油、砂糖、ニンニク、ラー油、ブレンドスパイスや唐辛子などを好みで入れ、先に調味料を作っておきます。

    食用アルカリを入れた水を沸騰させ、麺を入れて7-8割まで火を通して取り出し、さっと水で冷やします。冷ました麺全体に胡麻油をなじませます。

    食べる直前にもう一度ゆで、ザルにあげたら調味料を全体にからませます。具材は好みでインゲン、ねぎ、トマト、ひき肉などを入れます。

    中国のテーブルの上で女性が鍋で料理を作っている。

    おいしく食べるコツ

    Chī rè gān miàn shí,zuìhǎo shì chōng yì wǎn dànjiǔ huòzhě lái yí dàiniúnǎi,

    吃热 干 面 时,最好 是 冲 一 碗 蛋酒 或者 来一 袋 牛奶,

    yòu huòzhě yì bēi dòujiāng huò yì wǎn suān tián de mǐjiǔ,yìbiān chī yìbiān hē。

    又 或者一 杯 豆浆 或 一 碗 酸 甜 的 米酒,一边 吃 一边 喝。

    Zhǐ chī bù hē,jiù juéde zuǐba gān gān de,

    只 吃 不喝,就 觉得 嘴巴 干 干的,

    yě jiù chī buchū rè gān miàn de jípǐn wèidao le。

    也 就 吃不 出热 干 面 的 极品 味道 了。

    热干面を食べる時にはできることなら一杯のエッグノッグか牛乳、もしくは豆乳か甘酸っぱい酒を飲みながら食べるのが良い。

    ただ热干面を食べるだけでは口の中が乾いてしまい、その極上の味わいを感じる事ができない。

    河南烩面

    (Hénán huì miàn)

    烩面は新鮮な羊肉とその骨を少なくとも5時間以上煮込んで作るスープ「白汤」(báitāng)が命です。

    麺は良質な強力粉を原料に作られ、きしめんに似た幅と厚みがあり、牛乳のような白色をしたスープがよくからみます。

    麺の上に載せる具材は羊肉、チンゲンサイ、キクラゲ、ウズラ卵、香菜、ワカメの細切り、中国版湯葉の細切りなどです。

    歴史はそれほど古くありませんが、その味は中国全土に広まっています。

    山西刀削面

    (Shānxī dāo xiāo miàn)

    特徴

    山西省の大同という町の刀削面が最も有名です。こねた麺の原料をかたまりにして左肩に載せ、右手に持った包丁で削りながら湯に投入して湯がくのでこの名がついています。

    最近では刀削面制作ロボットが麺を削る店もあります。削り出される麺の形は柳の葉に似ており、端は薄く、中央が少し厚めです。

    大同では麺のみならず、その具材になる「臊子」(sàozi)と呼ばれる肉のみじん切りの醤油炒めの出来が商売繁盛の要だそうです。

    とはいえ町の食堂や学校食堂などでは「羊汤」(yáng tāng「羊肉の煮込みスープ」)と合わせたり、「トマトと卵の炒め物」や「牛肉とジャガイモの煮込み」などの好みの具材を麺の上からかけたりと幅広く応用されています。

    黄色の布の上に麺。

    歴史

    伝説によると、刀削面の起源はモンゴル族が元を興した時代にまでさかのぼります。

    漢民族が造反するのを防ぐため、すべての家から金属が没収されてしまいました。

    何と十軒の家でたった一本の包丁を交代に使うように、そして使い終わった包丁はモンゴル人に返すようにというお触れが出ていたのです。

    包丁の変わりに…?

    ある日の昼ごろ、包丁を使おうとしたものの別の人に先を越されていたあるおじいさんは、帰り道に落ちていた一枚の薄い金属片を拾い、こっそりと懐に入れて家に持ち帰りました。

    手打ち麺を用意し、後は切るだけと湯を沸かして今か今かとおじいさんの帰りを待っていたおばあさんは、おじいさんが包丁を持って帰れなかったと聞きがっかり。

    「それならこれで切ればいい」とおじいさんは金属片を取り出しました。ところが包丁ではないので麺を細く切る事ができません。

    文句を言われたおじいさんは不機嫌そうに言いました。「切れないならたたき切ればいいじゃないか!」

    おばあさんの知恵の勝利

    おじいさんのこの一言におばあさんはひらめきました。こねた麺のかたまりを乗せたまな板を左肩に載せ、右手に金属片をもって麺を削って鍋の中に落とし入れたのです。

    火が通った一片一片を碗に盛り食べてみるとどうでしょう、その美味しい事といったら!

    「これはうまい!うまいじゃないか!もう麺づくりに包丁なんかいらないぞ。これからはこの方法で麺を作ろう。」こうして刀削面は広まったのでした。

    今度「热干面」「烩面」「刀削面」という看板を見つけたら、ぜひ食べてみてくださいね。

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