多彩な中国の切り絵細工:伝統技法とその多様性

    1. 中国歴史・民族

    中国の切り絵細工で一番よく見かける種類は台紙が赤い紙のものかもしれません。でも実は台紙の色、彫り方、デザイン、形、流派など、様々な技法と種類の切り絵があるのをご存知ですか?

    今回はその中から代表的なものをご紹介しましょう。

    多彩な中国の切り絵細工:伝統技法とその多様性

    色、形式、表現方法の違い

    单色剪纸

    dānsèjiǎnzhǐ 単色切り絵)

    最も基本的な形式で赤、緑、褐色、黒、金色などの色の紙で作ります。主に壁や窓に貼る「窗花」(chuānghuā)や刺繍の下地に使われます。

    折叠剪纸

    zhédiéjiǎnzhǐ 折り畳み切り絵)

    この形式は民間切り絵細工で最もよく見られる制作表現法の一つです。

    剪影剪纸

    jiǎnyǐng jiǎnzhǐ 影絵切り絵)

    昔からある技法で、人物や動植物などのモチーフを外郭線で表現する方法です。

    撕纸剪纸

    sī zhǐjiǎnzhǐ ちぎり紙切り絵)

    比較的新しい手法で、異なる種類の紙を手で裂いて造形します。細やかな表現には不向きですが、素朴、かつ大胆で豪放な表現に向いているようです。

    彩色剪纸

    cǎisèjiǎnzhǐ 多色切り絵)

    切り絵細工の表現方法を模索し発展させていく過程で、実に様々な技法が編み出されていきました。

    点染」(diǎnrǎn)、「套色」(tàoshǎi)、「分色」(fēn sè)、「填色」(tiánsè)、「木印」(mùyìn)、

    喷绘」(pēn huì)、「勾绘」(gōu huì)そして「彩编」(cǎi biān)という形式があり、それぞれに特色と良さがあり、独特の趣をもっています。

    中国の提灯を掲げる男性。

    立体剪纸

    lìtǐjiǎnzhǐ 立体切り絵)

    Lìtǐ jiǎnzhǐ jì kě shì dānsè,yě kě shì cǎisè de。Tā cǎiyòng le huìhuà、jiǎnkè、

    立体 剪纸 既可是 单色,也可 是 彩色的。它 采用 了 绘画、剪 刻、

    zhédié、niánhé děng zōnghéshǒufǎ chǎnshēng de yì zhǒng jìnyú diāosù、

    折叠、黏合 等 综合 手法 产生 的一 种 近于 雕塑、

    fúdiāo de xīnxíng jiǎnzhǐ,tā xīqǔ le xiàndài měishù de jìqiǎo,

    浮雕 的 新型 剪纸,它吸取了 现代 美术的 技巧,

    shǐ jiǎnzhǐ yóu píngmiàn gǎn biàn wéi lìtǐ huà。

    使 剪纸 由 平面 感 变 为 立体 化。

    立体切り絵細工は単色でも多色でもよく、絵画、彫刻、折り畳み、貼り合わせなどの総合手法を採用して生まれた、彫塑や浮き彫りに近い新形式の切り絵細工である。

    現代美術の技法を取り入れ、切り絵細工を平面的なものから立体的なものに変化させた。

    この技法は観賞用の造形物や児童の手作り工作などにも生かされています。

    地域性と流派

    南方派

    nánfāng pài

    佛山剪纸

    fóshān jiǎnzhǐ

    広東省の佛山剪纸は宋時代に始まり明時代、清時代に最盛期を誇り、専門職人をたくさん排出しました。その題材の大半は花鳥虫魚、戯曲、民間故事です。

    湖北沔阳剪纸

    húběi miǎnyángjiǎnzhǐ

    蜡盘」(làpán)と呼ばれる板の上で彫刻刀を使い、10-20枚ほど重ねた白い紙に模様を彫っていきます。吉祥の意味を持つ題材が好まれ、非常に細かく精緻な細工が特徴です。

    福建剪纸

    fíjiànjiǎnzhǐ

    福建各地の切り絵細工はそれぞれに異なる特徴があります。沿海地域の題材は水生動物が多く、精緻で生き生きとした造形が特徴です。

    山岳地域では家畜や山岳動物が多く題材に取り入れられ、技巧はどちらかというと素朴で粗いものの、その表現には大変力強いものがあります。

    福建で最も有名なのは真っ赤な色の紙で作られる「莆田礼品花」(pútián lǐpǐnhuā)です。

    子供の誕生、結婚、祖父母の誕生日祝い、祝祭などの際に、贈り物にせよ供え物にせよ必ず添えられます。

    お互いに親指を立て合う2人の中国人ビジネスマン。

    江浙派

    jiāngzhè pài

    扬州剪纸

    yángzhōu jiǎnzhǐ

    扬州は切り絵細工が最も早くから流行した地域の一つで、唐時代には既に新年を迎える風習で用いられていました。

    モチーフは人物、植物、動物、虫類、名所旧跡、山などの風景と広範に及びます。

    浙江剪纸

    zhèjiāng jiǎnzhǐ

    地域ごとにそれぞれの特色がありますが、共通しているのは京劇の典型的な場面を題材に取り入れ、人物の体の美しさを表現するのに秀でているところです。

    北方派

    běifāng pài

    蔚县剪纸

    yùxiànjiǎnzhǐ

    明時代に始まったとされますが、中国各地の切り絵細工とは一線を画し、その独自性を保っています。

    通常、書画用として珍重される大変薄い「宣纸」(xuānzhǐ)を小さく鋭利な彫刻刀を用い、六つの行程を経て製作します。

    山西剪纸

    shānxī jiǎnzhǐ

    環境、生活習慣、美的感覚の違いから各地の細工にはかなりの違いがあります。総じて簡潔、純朴ながらも力強い表現が特徴です。

    陕西剪纸

    shǎnxī jiǎnzhǐ

    「生きる化石」とも称され、周時代からすでに題材になっていた伝統的な中国陰陽思想と生殖繁栄を崇拝する意識を継承しています。素朴で線はくっきりとしており、力強さが特徴です。

    山东剪纸

    shāndōng jiǎnzhǐ

    大きく二つの種類に分類されます。一つは渤海湾地域の豪放な風格で、黄河流域や他省の切り絵技法を受け継いでいます。

    もう一つは青島などの沿海地域で線を結合させて精巧な切り絵細工を制作する技法です。

    中国各地の切り絵細工が、これほど奥の深いものだったとは…!ぜひ習ってみたいものです。

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