中国の若者が目指す職業とその変遷

    1. 中国経済・社会

    日本ではよく「ゆとり世代」「さとり世代」という言葉が聞かれます。昔と比べて若者たちの思想や目標も変わってきています。

    中国も以前より裕福となり、若者たちの考え方に変化が生じてきており、それは特に就職活動に現れます。

    中国の若者が目指す職業とその変遷

    中国の若者がなりたい職業

    今の中国人の若者たちがなりたい職業は何でしょうか?次の3つからお選びください。

    dàqǐyè shàngbān

    1、大企业上班

    大企業に就職する

    gōngwùyuán shàngbān

    2、公务员上班

    公務員の仕事に就く

    zìjǐ dāng lǎobǎn

    3、自己当老板

    自分が経営者になる

    日本なら今の若者でも1番の大企業に就職したいという人が多いでしょう。将来が安定しているからです。自分が経営者になりたいという人もいますが多くはありません。

    公務員は安定していますが、特別給料が良いわけでなく、日本では人気は高くありません。

    答えは年代別に違います。

    1970年代世代

    中国で70后(qīlínghòu)と言われる1970年代世代の方は、1番の「大企業」を選んでいました。給料が安定しているからです。

    しかし今中国で大企業で働きたいという若者は以前ほど多くありません。給料は良いのですが、残業も多く肉体的にも身体的にも疲れるからです。

    それでも親のコネで大企業に就職するのですが、無理をしたくない現代人の本音は大企業で働きたくないのです。

    中国を代表する空の椅子に座る漫画のビジネスマン。

    1980年代世代

    80后(bālínghòu)つまり1980年代世代となると、文化大革命も終わった世代となり、2番の「公務員」つまり、政府の仕事に就くことが安定した仕事と見なされるようになりました。なぜですか?

    政府の仕事は大企業より楽で、かつ倒産することがないからです。権力もありますしお給料も高いと見なされています。

    ですが公務員も誰かの下で働かないといけないという点は変わりません。公務員になって悠々自適に生活できるのは10年20年誰かの下で働いて出世してからのことです。

    1990年代世代

    よって90后(jiǔlínghòu)と言われる現代の若者は、できれば公務員にもなりたくありません。すぐに楽してお金を稼げる立場、つまり3番の「経営者」になりたいのです。

    今の多くの若者は中国の経営者が新しいものを開発し大金持ちになっているのを見ています。

    自分も会社を開いて一発当てれば、10,20年もの下積みはいらずに、お金持ちにもなれますし、名声も得られると思っています。

    一昔前の若者は経営者になりたいという考えは抱けませんでした。なぜなら会社を開くには資金が必要だからです。

    ですが今の若者は自分の会社を立ち上げるだけのお金が親にあるので、会社を立ち上げることが可能です。

    中国で起業の敷居は高くない

    日本では自分で開業して仕事を始めるというのは簡単ではありません。しかし中国で起業することは敷居が高くないのです。

    中国ではいたるところで、自分で作った野菜やネットで安く仕入れたパソコン用品などを人通りの多い道端に風呂敷広げて商売開始なんてことは至るところで見られます。

    起業は簡単なことだと思われているのです。

    中国の階段に立つ、スーツとネクタイを着た男性。

    自分で起業したい、その結果

    自分で起業をしたい場合、資金は親に出してもらうので、起業したいと親に相談します。結果はどうなりますか?

    残念ながら親は70后80后世代です。「大企業や公務員の仕事に就くことがもっとも安定している。若いときの苦労は買ってでもしなさい!」説教を食らうことになり、たいていは普通に就職することになるのです。

    結論

    無理をせずに楽してお金を稼ぎたいというのは、日本でも中国でも若者に共通して見られる傾向です。

    日本のようなニートは多くありませんが、若いうちに親から借金をして起業を試みて失敗している若者はたくさんいます。

    そう。楽してお金は稼げないのです。やっぱり親が言うとおり、若いときの苦労は買ってでもしないといけないのかもしれませんね。

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