中国の社会

中国で加速する宗教弾圧

最近中国で宗教活動をしていた人が拘束されたというニュースが相次いでいます。近年、中国政府が宗教への弾圧を強めるのにはどんな背景があるのでしょうか?

宗教の自由

中国政府はこれまで他の国際社会の流れに沿って、中国国民の宗教の自由を認めていました。表向きは今でも宗教は自由となっているので、国民は個人として自分は仏教徒、イスラム教、キリスト教と公言することが許されています。

とくに胡錦涛(胡锦涛hújǐntāo)国家主席時代は、宗教に対して寛容でした。宗教には道徳的な生き方をするよう促す良い効果もあるため、外国の宗教思想なども比較的自由に取り入れようという考え方でした。

しかし習近平(习近平:xíjìnpíng)の時代に代わってから近年急に中国国内の宗教団体が弾圧を受けるようになったのです。どんな原因があるのでしょうか?

近年宗教弾圧が進む3つの原因

習近平体制になり、宗教が厳しく弾圧されるようになった原因は3つほどあると言われています。

zuìjìnzōngjiàoyǒuguān de shìjiànbǐjiàoduō

1,最近宗教有关的事件比较多

近年宗教関係の事件が増えていた

 

xìnyǎng de duìxiàngxiàndìngzhǐyǒuyíge

2,信仰的对象限定只有一个

信仰の対象を一つに絞った

 

shòuÉluósī de yǐngxiǎng

3,受俄罗斯的影响

ロシアの影響を受けている

一つ一つ見ていきましょう。

宗教がらみの事件

中国国家が宗教への警戒を強めている理由の一つは近年宗教がらみの事件が増えているからのようです。一例を上げましょう。

例えば2014年に山東省(山东省shāndōngshěng)のマクドナルド(麦当劳:màidāngláo)でキリスト教系の全能神(quánnéngshén)という宗教グループが自分たちの宗教勧誘に応じないという理由で、客を撲殺しました。

しかもこの全能神という宗教は中国内で100万の信者数に迫っています。国家転覆(颠覆国家:diānfù)をもっとも恐れる中国が弾圧するのも理解できます。

ほかにも日本でもよく見かける法輪功も声高に共産党への抗議をしているので、中国政府はこれらの宗教を邪教(邪教:xiéjiào)に指定し、表立った弾圧を行なっています。

信仰の対象は共産党

しかし、弾圧は中国政府が邪教に指定している宗教だけではなくなりました。なぜなら近年中国政府は方向転換を図り、中国国民が未来への希望として信仰を抱いていいのは共産党のみとしたからです。

もちろん個人としてはキリスト教でもイスラム教でも信じることができるのですが、組織としては宗教が許されない方針となりました。

以前は許されていた国家公認の教会(教堂:jiàotáng)までもが閉鎖されています。とくに共産党員への要求は厳しくなっています。

以前は前首相の温家宝(温家宝:wēnjiābǎo)さえも「自分はキリスト教徒だ」と公言できましたが、いまでは「共産党員は個人としての宗教を持ってはいけない」と明確に党則に記されてしまいました。

【共産党員は宗教を選べるの?】

では以前から自分はキリスト教で、なおかつ共産党員だった人は「では私は引き続きキリスト教を行ないたいので、共産党を脱党します」と言えるのでしょうか?

言えないようです。宗教を持っていた共産党員は「自分の宗教を捨てる」の一択です。もしも「宗教を選ぶので共産党を退団したい」と表明するとどうなるでしょうか?

今まで得ていた党員としての特権をすべて失うのみならず、その人とその親族は今後、国家暴動の種として監視下に置かれることになり、自分のネット上での発言や行動のすべてを見張られます。

ロシアの影響

専門家の中にはこうした宗教への弾圧を強める背景に、同じマルクス共産主義を国家として採用するロシア(俄罗斯Éluósī)の影響があるとする人もいるようです。

近年ロシアは一部のキリスト教徒への圧力を強めました。同時にロシア政府は中国政府にも圧力を強めるように要請しているようです。

中国に行く際の注意点

2017年に「宗教事务条例zōngjiàoshìwùtiáolì)」という新たな法律を発足させました。特に宗教を持つ外国人を取り締まる条例です。

外国人が中国国内で仕事したり、中国語を勉強したりするときはこうした宗教への中国政府の最近の考え方をよく理解する必要があるでしょう。

すべてのネットのやり取りを掴んでいる中国で、不用意にビジネス仲間や友人と宗教の会話をしていると、危険組織の一味として国外追放にもなりかねません。

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