中国の各地方による味覚の違い-酸っぱい味が好き?

    1. 中国歴史・民族

    中国の各地方による味覚の違い-酸っぱい味が好き?

    地方による味覚の違い

    国土が広いこと、気候や地方色、習慣、文化などの影響により、中国の料理にはさまざまな特色があります。

    また、地方によって好まれる味も異なります。今回は「」( 黒酢)をこよなく愛する地方のお話です。

    Zhōngguó mínzú zhòngduō,yóuyú qìhòu、wùchǎn hé shēnghuó xíguàn de chābié,

    中 国 民 族 众 多,由 于 气 候、物 产 和 生 活 习 惯 的 差 别,

    rénmen de kǒuwèi jiù bù xiāngtóng le。

    人 们 的 口 味 就 不 相 同 了。

    Yībān lái shuō,nánfāng rén ài chī tián de,zuò cài fàng táng bǐjiào duō;

    一 般 来 说,南 方 人 爱 吃 甜 的,做 菜 放 糖 比 较 多;

    bǎifāng rén ài chī xián de,zuò cài shǎo bu liǎo yán;

    北 方 人 爱 吃 咸 的,做 菜 少 不 了 盐 ;

    Shāndōng、Sìchuān、Húnán rén ài chī là de,cài lǐ cháng yǒu làjiāo;

    山 东、四 川、湖 南 人 爱 吃 辣 的,菜 里 常 有 辣 椒 ;

    Shānxī rén ài chī suān de,zuò cài lí bu kāi cù。

    山 西 人 爱 吃 酸 的,做 菜 离 不 开 醋。

    Suǒyǐ,Zhōngguó lìlái yǒu“nán tián、bǎi xián、dōng là、xī suān”de shuō fa。

    所 以,中 国 历 来 有“南 甜、北 咸、东 辣、西 酸”的 说 法。

    中国は民族が非常に多く、気候や物産、生活習慣の違いにより人々の味の嗜好が異なります。

    一般的に言えば南方の人々は甘い味を好み、料理の際、大目に砂糖を加えます。北方の人々は塩からい味を好むので、料理に入れる塩はかなりのものです。

    山東省、四川省、湖南省の人々は辛い味を好むので、料理にはいつも唐辛子が入っています。山西省の人は酸っぱい味が好きです。料理に酢を入れないことなど考えられません。

    それで、中国ではこれまでずっと「南方の人は甘口、北方の人は辛口、山東の人は生姜・大蒜などが好きで、山西の人は酢が好き」という言いかたがあります。

    これは誇張ではなくきちんとした調査結果にも表れています。

    華北地方の諸都市を対象に、一年間に一人の人がどのくらいの量の「」を消費するかという調査が行われました。

    結果は、北京市約4.2kg、天津市約2.5kg、石家庄市約4kg、呼和浩特市5kg、そして堂々の一位が山西省の省都太原市約9kgだったのでした。

    山西省の人々は年間平均5kg以上の「」を消費しており、確かに中国最大の「」の生産地かつ消費地なのです。

    山西が酢好きの理由

    土壌と気候

    中国の山の中の橋を走る電車。

    「山西の人は酢が好き」なのにはいくつかの理由があり、その一つは土壌と気候です。

    山西の地域は中国四大高原の一つ「黄土高原」(huángtǔ gāoyuán)に位置しています。気候は大変乾燥していて、温度差が激しく、土壌と水質は高アルカリ性です。

    そこで彼らが好んで料理に使う「」の酸性が、うまく中和の働きを発揮します。体内のアルカリ性と酸性とのバランスを保ち、健康を維持できるようにしてくれるのです。

    食べ物

    もう一つの理由は、山西省の人が毎日のように麺をよく食べることにあります。

    彼らの言い分では山西省は麺の発祥地です。原料は小麦に限らず、そばやその他の雑穀、あらゆる豆類のひき粉です。

    こうして作られた麺自体がもともと強いアルカリ性であるため、黒酢を加えることで胃液の酸の度合いを強くし、消化吸収しやすいようにしているのです。

    こうした科学的分析がされていなかった時代から、既に体の健康維持に役立つ食べ方をしていたという事になりますね。

    山西に欠かせない醋

    中国の木製テーブルの上に塩コショウ入れのセット。

    この地域ではどの食堂に入っても必ずテーブルに「」が置かれています。

    人々は麺「面食 miàn shí」を食べるにしても丼もの「盖饭  gài fàn」を食べるにしても、その他どんなおかずを食べるにしても、さっと醤油をかけるがごとく、「」を料理にかけてから食します。

    ほかの都市に移動するとしても「」は必ず持っていく、もしくは実家から送ってもらうという学生までいるほど、彼らにとって「」のない食生活は考えられないのです。

    山西老陈醋

    そんな山西省で最も有名な「」は「山西老陈醋」(Shānxī lǎo chén cù)です。山西省だけでなく中国四大酢の最高峰とも言われています。

    材料と酸度

    優れた品質のトウモロコシ、大麦、えんどう豆、穀類を原料に、蒸し、発酵、燻し等の複雑な工程を経て醸造させますが、2014年10月にそのブランド維持のために新たな基準が設定されました。

    酸性度数がそれまでの4.5%から6%に引き上げられ、いかなる防腐剤も含まない事が条件になったのです。

    逆に瓶には品質保証期限を書かなくてもよくなりました。なぜなら長期保存しても本当に良質な「山西老陈醋」なら決して腐らないからなのです。

    効果

    この「山西老陈醋」、慣れない人にとってはかなり酢の匂いと味がきついと思われるかもしれません。

    でも便秘や高脂血症をはじめ、様々な症状に効果があると言われています。

    また解毒作用や抗菌作用もあるので、夏の蒸し暑い、料理が傷みやすい時期に、腐敗防止のためにほんの一滴加えるだけでも効果があるそうです。

    機会があればぜひ一度ご賞味ください。

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