中国の社会

三という数字にこだわって読む三国志

中国四大名作と言えば、「西游记」「三国志演義」「水浒传」「红罗梦」ですよね。その中でも日本人に愛されているのは三国志演義ではないでしょうか。

今回は三国志の中の「」という数字にこだわってみましょう。

三の意味

という数字は中国語の用法でも多くの意味を持つ点で独特です。「多い」「何度も」という意味を持つことがありますし、ある物事を強調する場合に用いられることもあります。

を含む「成语」も数多くあります。「三思而行」「三人行必有我师」「一岁三迁」「三番五次」などはそのうちのわずかな例に過ぎません。

三国志のなかの三

三国志演義は中国語では《三国演义》(sān guó yǎn yì)と言います。

中国古代の「三国」と呼ばれる時代、つまり後漢末期から魏・呉・蜀のの時代に至る背景や人々を取り扱った歴史小説です。

興味深いのは、よく知られるエピソードの中にも「」という数がよく出てくることです。

桃 园 三

táo yuán sān jié yì

後に蜀の国を興す「刘备」(Liú Bèi)と「关羽」(Guān Yú)、「张飞」(Zhāng Fēi)の三人が出逢って後、すっかり意気投合し、満開の桃園で義兄弟の契りを交わす有名な場面です。

Wǒ tèbié xǐhuan sān guó yǎnyì dāngzhōng de táo yuán sān jiéyì de nà jù huà,

我 特 别 喜 欢 三 国 演 义 当 中 的 桃 园 三 结 义 的 那 句 话,

“wǒmen bù qiú tóngnián tóngyuè tóngrì shēng,zhǐ yuàn tóngnián tóngyuè tóngrì sì。”

“ 我 们 不 求 同 年 同 月 同 日 生,只 愿 同 年 同 月 同 日 死。”

私は三国志演義の中で、桃園の誓いのあの言葉が大変好きです。「われら同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、同年、同月、同日に死せん事を願わん。」

sān gù máo lú

敗戦を繰り返してばかりの刘备が、我が陣営に是非とも迎え入れたいと願ってやまなかった「诸葛亮」(Zhūgě Liàng)を粘り強く訪ね続ける場面です。

日本語でも「三顧の礼」と言いますよね。「茅庐」とは草ぶきの庵の事で、「三顾」とあるように刘备は日を変え、季節を変えて三度、诸葛亮孔明のもとを訪れたのでした。

これは後世になって「礼を尽くして人を迎える」という意味を持つ成語となりました。

Zǒng jīnglǐ sān gù máo lú,tā cái dāying chūrèn jìshù gùwèn yì zhí。

总 经 理 三 顾 茅 庐,他 才 答 应 出 任 技 术 顾 问 一 职 。

社長が何度も礼を尽くして頼んでようやく彼は技術顧問の職を担うことに同意した。

“三 徐 州”

Liú Bèi “sān ràng Xúzhōu”

当初徐州を治めていた太守「陶谦」(Táo Qiān)が、病に侵され余命いくばくもないことを悟り、刘备徐州を任せようとするのですが、刘备がそれを三度断るというエピソードです。

断ったのは史実でも、三度断ったのは脚色だと言われています。

断った理由の一つは、自らが義と忠義を重んじる人物だという印象を人民に与えるためであり、刘备の本心ではなかったとするのが通説です。

葛 亮 三 气 周 瑜

Zhūgě Liàng sān qì Zhōu Yú

诸葛亮が、好敵手「周公瑾」(Zhōu Gōngjǐn)を三回にわたって怒らせた事件を指します。

物語では最終的に诸葛亮への怒りとねたみと憎しみに侵された周公瑾が、病を悪化させて亡くなってしまいます。

同 槽

sān mǎ tóng cáo

後漢の最後の皇帝「献帝」(Xiàn dì)を傀(かい)儡(らい)とし、実権を握り続けていた「曹操」(Cáo Cāo)がある日夢を見ました。

その中で三匹の馬が同じ飼い葉桶から飼葉を食べていたのですが、彼はそれを不吉な夢とみなしました。

というのも、「曹操」は大変疑り深い人間で、当時重用していた「司马懿」(Sīmǎ Yì)とその子の「司马昭」(Sīmǎ Zhāo)、司马昭の子「司马炎」(Sīmǎ Yán)の三人が「三马」であり、自分の姓と発音の同じ「」(cáo)から飼葉を食べるという事は、暗に司馬家のものによって自分たち曹家がゆくゆくは倒されることの予兆ではないかと恐れたのです。

この不吉な夢は正夢になりました。曹操が息子「曹丕」(Cáo Pī)に実権を譲り、三国の中で最後まで存続した魏国でしたが、「司马炎」が「武帝」を名乗って「」(Jìn)を興し、かつての主人が治めるを滅ぼしたのでした。

三国志で中国の歴史を

こうして見てみますと、物語を知る人なら、あのエピソードかと思い当たるかもしれませんね。

もし、内容を知らなくても、「レッドクリフ」(原題「赤壁」)等、映画で三国志演義に少し触れてみるのも、中国の歴史や文化をささやかに味わうきっかけになるかもしれませんね。

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