“やきもちをやく”を”吃醋”というわけ

留学生寮で生活していると、いろいろな国籍の留学生同士の恋愛話はつきものです。

それで、割と早くに覚えるのがこの「吃醋」(chī cù)ということば。でも、なぜ「やきもちをやく」を「吃醋」というのでしょうか?

中国語で”やきもち”

Wèile xiě bì yè lùnwén,nà tiān wǒ yào qù túshūguǎn chá zīliào,

A: 为 了 写 毕 业 论 文,那 天 我 要 去 图 书 馆 查 资 料,

jiù pèng dào le yī ge qīng méi zhú mǎ de péngyou,wǒmen liáo le yī huìr,

就 碰 到 了 一 个 青 梅 竹 马 的 朋 友,我 们 聊 了 一 会 儿,

Xiǎo Zhào jìngrán kàn dào le wǒmen ér fā huǒ,wǒ de rènhé jiěshì ,tā yīgài dōu bù tīng。

小 赵 竟 然 看 到 了 我 们 而 发 火,我 的 任 何 解 释,他 一 概 都 不 听。

卒業論文を書くために、あの日、調べ物をしようと図書館に行こうとしたら、幼なじみの友人にばったり出会ったの。

それでしばらくおしゃべりをしていたら、何とそれを小赵が見かけて怒ってしまったの。私のどんな説明も一切聞こうとしないのよ。

 

Xiǎnrán tā chī cù le!

B: 显 然 他 吃 醋 了!

明らかに彼は妬いているわね。

 

Dàn méi bìyào nàme róngyì chī cù ba,tā zhēn shì ge cù tánzi!

A: 但 没 必 要 那 么 容 易 吃 醋 吧,他 真 是 个 醋 坛 子!

でもそんな簡単に妬くことないじゃない、本当にすぐ嫉妬するんだから!

吃醋の語源

吃醋」が「やきもちをやく」という意味になった由来とされる説は幾つかあります。

醸造方法

一つの説は、南方のある地域での酢の醸造方法からきています。その地域では各家庭で酢を醸造する際に、決して同時に二つの樽で醸造してはいけない、と言い伝えられていました。

なぜなら必ず片方の樽の酢が腐敗してしまい、捨てなくてはならなくなるからでした。

これが転じて、「一家は一夫一婦制であるべきである。さもなければ妻と妾との間で嫉妬がうまれるのを防ぐのは難しい」という暗喩に用いられるようになったそうです。

物語

でも一番有名なのは「醋坛子」(cù tánzi)という物語に由来するという説です。「醋坛子」とは「容易に嫉妬する人」のことです。

【かんしゃくもちの妻】

唐の太宗皇帝「李世民」(Lǐ Shìmín)に仕えていた「宰相」(zǎixiàng)「房玄龄」(Fáng Xuánlíng)には大変かんしゃくもちの妻がいました。

とはいえ妻は夫を大層愛しておりましたから、夫の食事から身の回りの世話のすべてを侍女にはさせずに、妻自身が毎日心を込めて行っておりました。

【酒の席での大口が…】

ある日、皇帝の御前の宴席で、周りの高官たちから恐妻家と笑われたのに耐えきれず、また酒の勢いもあって、房玄龄は「妻を恐れてなどいない」と、大口をたたいてしまいました。

ところが、これまた酒の勢いで皇帝が、「それでは二人の女官を与えるので屋敷に連れて帰るように」と命令したものですから、彼の酔いは一気に醒めてしまいました。

女官を連れて帰ったなら妻がどう反応するかは目に見えていますが、陛下のご厚意ですから何があっても決して断れません。

【妻のかんしゃくが爆発!】

びくびくしながら屋敷に戻ると、若くてきれいな二人の女官を見て、案の定妻はかんかんに怒ってしまいました。

そしてなんと、彼女たちをはたきでたたいて屋敷から追い出してしまったのです。

この知らせはすぐに宮廷の皇帝と家臣たちに届き、皇帝は房玄龄夫婦を罪に問うために宮廷に呼び出しました。

今回ばかりは自分のかんしゃくが大きな災いを招いたことに妻も気づいており、やむなく夫にしたがって皇帝の前に出頭しました。

【毒かそれとも…?】

夫婦の前には追い出された二人の女官と一つの樽が置かれていました。

皇帝は大変怒っており、房玄龄夫婦に

「その樽には毒入りの酒が入っている。この二人の女官を屋敷に連れて帰るか、その酒を一気に飲み干すかどちらかを選べ。」

と言いました。

これを聞いた房玄龄は妻がまたかんしゃくを起こして一気に毒入りの酒を飲んでしまうのではと恐れ、陛下に泣いて許しを請いました。

【妻は毒を選び…】

一方妻は若くて美しい女官を見、自分が既に老い始めていることを考えました。

命令に従って女官を連れ帰るなら、いずれ自分は妻の座を失うでしょう。それなら今ここで命を失っても惜しくないと思い、妻は皆の前で一気に樽の中味をごくごくと飲んでしまいました。

慌てた房玄龄は妻が死んでしまうと思い、泣いて抱き起しましたが、それを見て皇帝や周囲の者達は大笑い。

【毒の中身は

実は樽の中味は皇帝の李世民が長らく住んでいた「晋阳」(Jìnyáng)の名産品、「」つまり食酢だったのです。

皇帝はため息をついて房玄龄の妻に言いました。

「お前の嫉妬心があまりに激しいものだから、少し頭を冷やさせようとこの方法を用いたが、たとえ死んでも夫を大切にしたいというそなたの思いをくんで、余は先の命令を取り消すことにしよう。」

吃醋が嫉妬の代名詞へ】

房玄龄の妻は毒入りの酒を飲んだはずが思いもよらぬ結果になったものの、心の中では大喜び。

これ以後、「吃醋」という語は嫉妬心の代名詞となったのだそうです。

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