中国の冬を快適に過ごす方法

    1. 中国経済・社会

    寒い冬、どうやって体を暖めますか?日本ならアツアツのお風呂に入って、部屋もストーブで暖かくすることでしょう。

    ところが中国ではその当たり前のことができないのです。日本人は寒くて仕方ありません。

    中国の冬を快適に過ごす方法

    中国北部の暖房

    北京あたりでは冬は零下20度などは当たり前です。零下20度では生命力の高い中国人も生きていけません。よって中国北部地方には暖气(nuǎnqì)、つまり石油暖房設備があります。

    マンションであればマンションそのものに大きな暖房設備があり、各部屋に暖房が提供されます。

    しかし暖房代は決して安くありません。中国人の月収は3000~7000元くらいですが、一ヶ月の暖房代だけで3000元ほどになります。つまり共働きの家庭でないと北部地方の冬は過ごせないということなのです。

    よって北部の家には夫婦と子供だけでなく、おじいちゃんもおばあちゃんも、下手したら、おじさんもおばさんも同じ家で一緒に過ごします。

    北部には暖气(nuǎnqì)があるので部屋は20度程度に保たれていますが、暖かい風呂桶に入るという習慣がほとんどのない中国で、日本人は体の芯まで暖まったという感覚は味わうことはできません。

    中国南部の暖房

    石油やガスの使用には危険が伴うため、中国政府は都市ごとに暖气(nuǎnqì)を使ってよい都市と使ってはいけない都市を定めています。

    成都市や重慶市などの南部の都市では暖气(nuǎnqì)を設置することが認められていません。どうなりますか?

    中国南部は零下までは冷え込まなくても0~5度までは冷え込みます。空调(kōngtiáo)つまり「エアコン」の暖房は使えます。

    ところが密閉性のよくない中国の住宅はエアコンだけではいまいち暖まりません。ではどうやって体を暖めたら良いのでしょうか?

    中国でソファに座ってコーヒーを飲む男性。

    中国人寒い冬の過ごし方

    南部の冬に耐え切れず、中国人に「どうやってこの暖かくすればいいのか?」と聞いてみるとどうなりますか?こう言われます。

    chuānyǔróngfúba

    穿羽绒服吧.

    穿(chuān)は「着る」を意味する動詞で、羽绒服(yǔróngfú)、いわゆる「ダウンジャケット」という名詞です。

    「家でもダウンジャケットを着てればいいじゃないか」と言われるのですが、日本人を含め外国人は家でダウンジャケットを着ても落ち着かないですよね。そもそも顔や手は寒いままです。

    よってほかの方法を聞くことになります。次なる答えはこうなります。

    nàxǐjiǎoba

    那洗脚吧.

    洗脚xǐjiǎo)は「足を洗う」と書きますが、中国ではいわゆる「足湯」のことです。

    「暖かいお湯をたらいに入れて足を入れておけばいいじゃないか」と言われるわけですが、足湯は一定の効果はあっても体中がポカポカになることはありません。家にいるときは常に足湯をするわけにもいきません。

    よって「ほかには?」と聞くことになります。

    次に来るのは、対処法ではありません。説教です。「これだから外国人はダメなんだ」うんぬんかんぬんとなります。

    つまり外国人が寒い冬をどうすれば快適に過ごせるかを、中国人に聞くことが間違いなのです。中国人は自分たちが良いと思っている方法しか伝えません。

    ではどうすれば中国でも快適に冬を過ごせるのでしょうか?

    ラジエーターにもたれかかる女性。

    外国人が中国で体を暖めるには

    外国人が中国の冬を快適に過ごす方法は、すでに中国に住んでいる外国人が知っています。経験値の高い外国人に聞いて見ましょう。こういう答えが返ってきます。

    Oil heater

    灯油を燃やすタイプではなく、日本語で正確に言うと「デロンギヒーター」と呼ばれる、タンクに入ったオイルを温めるタイプのオイルヒーターです。

    30分もすればオイルヒーターで部屋中がポカポカになります。電気だけで動くので违法(wéifǎ)つまり、法律違反でもありません。

    日本人なら浴缸(yùgāng)、つまり「風呂桶」を買ってしまうのも良いでしょう。

    大きな樽の形をした風呂桶は中国のネットで購入できます。子供用プールでも良いでしょう。そして毎日暑いお湯を入れるのです。

    【外国人は外国人】

    中国人が私たち外国人の家に来て、オイルヒーターを使っているのを見ると「これは電気代が高いからもったいない」と説教を食らいます。下手したら、勝手にオイルヒーターを消されて、窓を開けられます。

    しかし、そもそもどうしたら快適に過ごせるのかというのは文化によって違うのです。笑顔で、「僕らは弱いからダメなんだ」と言ってオイルヒーターをまた使用しましょう。

    中国にいても日本人はあくまでも日本人なのです。

    最後に

    家の中では動きやすい服装でないと快適には過ごせません。電気代が500元(8000円)くらい掛かりますし、大きな桶は邪魔ですが、暖かく寒い冬を快適に過ごせます。

    外国人にとって現地人の提案は役立つときもありますし、役立たないこともあるということもあります。ここから得られる教訓は何ですか?

    日本にいる中国人に「日本の習慣を押し付けない」ことです。

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