中国単語の構造は2つあります。1つは外国語の音から拾うパターンです。例えばローソンは、罗森(luósēn)です。2つ目は意味を拾うパターンです。便利なコンビニは便利店(biànlìdiàn)です。
中国語の花の名の構造が意外とステキで興味深いのですが、いくつ分かるでしょうか?
いくつ分かる?意外とステキな中国の花の名前
あじさいの中国名
日本語は漢字、ひらがな、カタカナという3つの表記方法があります。しかし中国語には漢字しかありません。
英語のあじさいは hydrangea というもので非常に発音しにくい言葉なので、中国語では意味から拾うことにしました。
さて次の3つのうち、どれがあじさいを指す中国語だと思いますか?
zǐ yáng huā
1.紫陽花
xiùqiúhuā
2.绣球花
jí xiǎo huā
3.集小花
あじさいの中国語正解は?
まず1番と思った方、残念です。紫陽花は日本語のあじさいの漢字表記で、中国語の漢字表記は別のものです。
あじさいのことを伝えたくて、中国人に紫陽花(zǐ yáng huā)と中国語読みしたところで通じません。
2番目の绣球花(xiùqiúhuā)が正解です。绣(xiù)という漢字には「刺繍する」という意味があります。
つまり、「球の形に刺繍して花に仕立てた」というイメージを伝えます。なかなか素敵だと思いませんか?
3番目の集小花(jí xiǎo huā)は不正解ですが、日本語の「あじさい」という言葉の由来を表してみました。
日本語のあじさいは、、あづ(集まる)+さあい(蒼い花)が由来となっており、あじさいには、「小さい花が集まった」という意味があるようです。日本語も中国語に負けず劣らずステキですね。
バラの中国名
さて2問目です。愛の象徴であるようなバラの花、中国語ではどのように表現するとおもいますか?次の3つからお選びください。
luózi
1、骡子
qiángwēi
2、蔷薇
méiguīhuā
3、玫瑰花
バラの中国語正解は?
1番目の骡子(luózi)は英語 rose を中国語で音読したような漢字ですが、不正解です。骡子(luózi)はロバと馬の合いの子である「ラバ」を表す中国語です。
2番目の蔷薇(qiángwēi)日本語の漢字の表記「薔薇」とほぼ一緒なので、不正解と感じた方も多いでしょう。ですがこれが正解です。
バラ科の植物すべての総称を、中国語では蔷薇(qiángwēi)と表記すると辞書に記されています。
ところが中国人は薔薇を指して「これは中国語ではなんと言うの?」と聞くと、蔷薇(qiángwēi)とは答えません。3番の玫瑰花(méiguīhuā)だと言うのです。
蔷薇と玫瑰花の違い
玫瑰花はバラ科の植物の一種マイカイのことですが、今はバラをみたら中国人は玫瑰花(méiguīhuā)だと言い出すのです。
きっと蔷薇(qiángwēi)より玫瑰花(méiguīhuā)のほうが響きもよくステキなイメージがあるからなのでしょう。
日本の中年男性にメイグイフアと伝えると、少し前に資生堂の育毛剤として売り出されていた「メイグイファ」を思い出すようです。
マイカイが原材料になった育毛剤だったからですが、商品名にまでなったのは、それだけ「メイグイファ」の発音が好听(hǎotīng)、つまり「聞こえがよかった」からなのでしょう。
他にもステキな名前の花がいっぱい
他にも中国語にはたくさんステキな花の名前があります。
たとえば夜来香(yèláixiāng)はツル科の植物を指す中国語で、ステキな香りがする花を咲かせます。漢字の意味も発音もステキなのですよね。
日本人は夜来香(yèláixiāng)と聞くと、むかしテレサテンが歌っていた曲の名前を思い出すようです。
他にもカスミソウは中国語で、满天星(mǎntiānxīng)といいます。確かにカスミソウは、夜空に散らばる星のようですよね。ステキなネーミングです。
中国語にはこのように、漢字構造がすばらしく、響きもいいステキな単語がたくさんあるので、このような印象深い単語から覚えるのもいいですね。