文化・習慣

中国の貴重な世界文化遺産 窑洞の維持

都市部に出て働く人が増える中、窑洞で暮らす人は以前と比べて減ってきています。とはいえ現在でも窑洞で暮らしている人は少なくありません。

窑洞の老朽化や、高齢化の波で村として存続するのが難しい中での窑洞の維持などいろいろな問題があるようです。

過疎の村を窑洞で観光化

2015年、河北省委員会宣伝部が主催する「美しい河北・最も美しく特徴ある建築物」の活動で専門家とネット投票がありました。

その総合評議の結果、最終的に選ばれた10か所のうちの一つに入ったのが「窑洞宾馆」(yáodòng
bīnguǎn)です。

河北省の尚義県十三号村は年間を通じて村に居住する村民がわずか86戸189人で、そのうちのほとんどが都市部で働く現役世代の留守を預かる高齢者でした。

一人あたりの年間収入は約2100元(日本円で約3万5700円)で、それまでは県全体の中でも重点的に支援が必要な貧しい村でした。

そんな十三号村が使わずに置かれている土地を活用し、県立森林公園のそばにあるという立地を活かして2014年に建設したのが「窑洞宾馆」だったのです。

上品で気持ちの良い環境、消防設備などを完備した窑洞形式のホテルを呼び物の中心にし、レストラン街や駱駝観光、馬車観光なども楽しめる休暇村に生まれ変わりました。

そして十三号村には、何と年間2万4千人の旅行客が訪れ、村民の平均収入も1200元アップしたのです。

このニュースは窑洞を維持する必要のある過疎地域の中でも、良い結果を見た一つのモデルケースとして大々的に取り上げられました。

倒壊の危険が迫る窑洞

2013年7月、まれに見る大雨が長期間、黄土高原中央部に位置する陕西省延安市を襲いました。7月初旬から後半までの約二十日間に通常のこの時期に降る5倍の降水量があったのです。

その結果、約9万5千戸の窑洞が倒壊するか重大な損害を受け、10万人に近い人々が家を失いました。災害の被害に遭った延川県にある29の村では村にあるすべての窑洞が損壊してしまいました。

山に沿って建てられていた新しい形式の4-5階建ての窑洞はほぼすべて倒壊し、崩れた土砂が絶え間なく山の斜面を滑り落ち、周辺では樹木を押しつぶす音が響き渡りました。

Yáodòng fēnbù qūyù yǐ jīngjì qiàn fādá de zhōngxībù wéizhǔ,

窑洞 分布区域以 经济 欠 发达的 中 西部 为 主,

hěn duō pínkùn hù jūzhù de tǔ yáo,niánjiǔ shīxiū,

很 多 贫困 户 居住的土 窑, 年久 失修,

yóuyú bàoyǔ hóngshuǐ、huápō níshíliú děng zìrán zāihài zàochéng yáodòng fángwū bīnlín dǎotā,

由于 暴雨 洪水、滑波 泥石流 等 自然 灾害 造成 窑洞 房屋 濒临 倒塌,

guǎngdà yáo jū rénmín qúnzhòng suíshí miànlín zheshēngmìng wēixiǎn。

广大 窑 居 人民 群众 随时 面临 着 生命 危险。

窑洞が分布している地域は経済発展が不十分な中西部が中心になっています。

大変多くの貧困家庭が居住する土製の窑洞は、長年にわたり修理されないままでいます。

暴雨による洪水や山崩れの土石流などの自然災害が窑洞の建物倒壊の切迫した危険を引き起こしているため、広範な地域の人々はいつでも生命の危険に直面していることになります。

先祖代々窑洞で暮らし、自らも20年間生活していた窑洞が今回の大雨で完全に倒壊してしまった一住民は、この伝統的な居住形式に疑問を抱くようになったと言います。

窑洞は外気が零下20度にもなる冬ですら日光のさす部屋であれば摂氏10度と暖かく、夏は逆に涼しく快適で、現地の人々に最も適した居住形式だとずっと言われてきました。

その窑洞がまさか倒壊するなど夢にも思わなかったのです。しかも村の多くの高齢者はこれほどの大雨は今まで一度も経験したことがないと言います。

果たして、このまま引き続き窑洞に住み続けるべきか、どこかへ移住すべきなのか、住民は難しい選択を迫られています。

窑洞倒壊の原因

原因は窑洞の老朽化だけではないようです。黄土高原は主に「湿陷性黄土」(shī xiànxìnghuángtǔ)と呼ばれる特殊な土で構成されています。

湿陷性黄土」は浸水すると土の結合が破壊され、顕著に変形する性質があります。大雨が続くと土壌は極度の飽和状態になり、山全体が地滑りを起こす危険があるのです。

さらに、大多数の住民が窑洞を建設するさいに、力学的な知識がないまま、経験だけに頼っていることも原因の一つです。

専門家によれば両側の外壁は少なくとも2m以上の厚みが必要ですが、多くの窑洞では壁の厚みが50cmもない場合があり、一度大雨になれば当然崩れてしまうというのです。

貴重な窑洞を今後も保存してくために、厳格な建築基準を国として早急に設定し、その知識を住民にも教育する必要があると学者たちは警鐘を鳴らしています。

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